1月28日(水) 20:10
まず押さえたいのは、65歳以上の人は第1号被保険者として、夫婦それぞれが介護保険料を負担する仕組みだという点です。国民健康保険のように世帯主だけが払う形とは違い、夫も妻も別々に保険料が計算され、年金から天引きされます。
同じ世帯でも金額が違うのは、夫婦で計算の元になる条件が一致しないことがあるからです。通知書や年金の天引き額だけを見ると不公平に感じやすいのですが、制度上は個人別に差が出る前提になっています。
介護保険料は、市区町村が定める基準額をもとに、所得段階ごとに倍率や金額が決まります。国の資料でも、住民税の課税状況などに応じて段階別に設定されると説明されています。
そして多くの自治体では、段階を決める際に、本人の合計所得金額に加えて、本人と世帯員の課税状況を使うことが明示されています。たとえば江東区の案内でも、本人と世帯員の課税状況と本人の所得に応じて段階に区分するとされています。
このため、同じ世帯でも夫と妻で所得段階がずれることがあります。典型例は次のようなケースです。
夫が厚生年金中心で年金額が多く、妻は基礎年金中心で少ない場合です。年金が多い側は所得段階が上がりやすく、保険料も上がりやすくなります。逆に妻の年金が少なければ、低い段階に入り保険料が軽くなることがあります。
また、給与収入や個人事業の収入がある、株の配当や不動産収入がある、土地建物を売って譲渡所得が出たといった年があると、本人の所得が増えた扱いになり段階が上がることがあります。夫婦のどちらの名義で収入や売却益が出たかで差がつきます。
介護保険料には、低所得者に配慮した軽減の考え方があります。国の資料でも、負担能力に応じた段階設定になっていることが示されています。ただし、軽減の入口は自治体ごとの段階設定で、本人が住民税非課税かどうかだけでなく、世帯が非課税か、世帯に課税者がいるかといった条件が絡むことがあります。
たとえば、妻自身は非課税でも、夫が課税だと世帯としては課税者がいる世帯になります。この場合、世帯全員が非課税の人向けの段階とは扱いが変わり、同じ非課税でも保険料が異なることがあります。
さらに、市区町村によっては賦課期日の世帯状況で判定する運用があり、同居や世帯分離のタイミングでも段階が変わり得ます。実際に枚方市の案内では、前年の所得と賦課期日の世帯状況で段階が分かれると説明しています。
夫婦で介護保険料が違う一番の理由は、介護保険料が世帯一括ではなく個人ごとに計算され、本人の所得や世帯の課税状況などをもとに所得段階が決まるからです。
まずは市役所から届いた介護保険料決定通知書で、夫婦それぞれの所得段階と、その判定に使われた住民税の課税状況を確認してみてください。理由が分かるだけでも不満は落ち着きやすいので、夫婦で通知書を並べて見るところから始めるのがおすすめです。
厚生労働省老健局給付と負担について(参考資料)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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