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本記事では、「コーナー・オブ・ジ・アースカムチャツカ」(2026年2月7日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。
【「コーナー・オブ・ジ・アースカムチャツカ」あらすじ・概要】
ロシアの秘境の地カムチャツカの圧倒的な大自然に挑む若者たちの冒険と友情を記録したアドベンチャードキュメンタリー。
オーストラリア在住の映画監督スペンサー・フロストとガイ・ウィリメント、そしてサーファーのフレイザー・ドベルとレティ・モーテンソンは、凍てつく海岸線に立つ新たな波を求めて、ロシア極東のカムチャツカへの旅を計画する。太平洋とオホーツク海に面し、150以上の火山を抱えるカムチャツカは、1991年頃までロシア国民ですら立ち入りが禁じられていたとされる秘境であり、いまなお手つかずの広大な自然が残っている。現地の情報は少なく、カムチャツカ在住のサーファーとスマホで連絡を取り合いながら、2年の月日をかけて準備を進め、ようやくビザが発給されて出発にこぎつけた。
しかし、モスクワ行きのフライト1時間前、ロシアがウクライナに侵攻したというニュースが舞い込む。混乱の中でも一同は出立し、現地に足を踏み入れる。そして、連絡を取り合っていたカムチャツカの友人と対面する。そんな彼らの探求の旅を通して、国や人種が異なっていても人々をつなぐ友情の力を描く。
【「コーナー・オブ・ジ・アースカムチャツカ」評論】
●極東の凍てつくビーチで波に挑む、クレイジーなサーファーたち(筆者:駒井尚文)
オーストラリアのプロサーファーたちが、ロシアのカムチャツカ半島へ、まだ誰も乗ったことのない波に乗るために出かけた旅を記録したドキュメンタリーです。
カムチャツカは、旅好きならば一度は行ってみたいけど、なかなか難易度の高いデスティネーションだと思います。まさに「秘境」カテゴリー。そこでサーフィンをするという発想自体が、すでに常軌を逸しています。
物語は衝撃的な幕開けを迎えます。シドニーからUAEのアブダビを経由してロシアへ向かう一行。アブダビからモスクワへのフライトは2022年2月24日。なんと、ロシアによるウクライナ侵攻の当日でした。その報道を空港で知らされた一行は、進むべきか、引き返すべきか悩みます。冒頭から突きつけられる究極の選択が、この作品が単なるスポーツドキュメンタリーの枠をはるかに超えた規格外な1本であることを物語っています。
苦労して、ようやくカムチャツカに到着した彼らを待ち受けていたのは、気温マイナス20度の世界。海の向こうには雪を頂いた山々が連なり、ビーチには流氷が打ち上げられています。その光景は、美しさと過酷さが同居する、まさに異次元の風景。
1000キロにも及ぶ海岸線で最高の波を探し求め、彼らはヘリコプター、四駆のオフロードカー、さらにはスノーモービルを駆使してカムチャツカを縦断していきます。
「ロシアの極東の何もない場所に、まさかこんな所があるなんて」
興奮を隠せない彼らの言葉が、すべてを物語っています。そこに立つ波は、人類史上誰も乗ったことのない波。葛飾北斎の浮世絵から抜け出したような波が次々と押し寄せ、サーファーたちは至福の時を刻んでいきます。しかし、自然は容赦ありません。あまりの波の強さに、サーフボードもカメラも流されてしまうアクシデントにも見舞われます。
そして圧巻なのが、噴煙を上げる活火山の景色です。世界遺産を紹介するテレビ番組でさえ見たことのないような、息をのむ絶景が広がっています。
このドキュメンタリーは、色んなレベルで別格だと感じます。そして最後に訪れる、少しほっこりするエピローグも心地よい。
寒い冬だからこそ、映画館のスクリーンで体感してほしい一本です。
【作品情報】
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コーナー・オブ・ジ・アースカムチャツカ
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