1月28日(水) 4:40
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯の60代における平均貯蓄額は1679万円でした。ただし、中央値は350万円のため、実際の貯蓄額は世帯によって大きく差があると考えられます。
実際、60代の金融資産保有額の割合別で見ると、上位5つは以下の通りです。
・金融資産非保有:27.7%
・3000万円以上:16.8%
・100万円未満:8.9%
・1000万~1500万円未満:8.2%
・2000万~3000万円未満:6.1%
これらの結果から見ると、65歳の父親が貯蓄2000万円を確保できている場合、60代の平均や中央値と比べると、比較的多い水準だといえます。
貯金と年金だけで生活できるかは、平均生活費を目安にすると考えやすくなります。
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の場合、平均実収入が月13万4116円なのに対し、水道光熱費や食費といった平均消費支出は月14万9286円、税金などの平均非消費支出は月1万2647円でした。年金を中心とした収入だけでは月2万7817円足りない計算です。
この不足分は、貯蓄から賄う必要があります。月2万7817円を賄う場合、年間で33万3804円です。仮に2000万円の貯蓄をすべてこの不足分に回すとすると、単純計算では約59年分に相当します。
しかし、実際には入院や手術が必要になったり、介護サービスの利用が増えたり、施設への入所が必要になったりした場合、多額の出費が急に必要になるケースもあります。万が一に備えるため、余裕を持った資金作りが必要です。
老後も働くと、収入が増える以外のメリットもあります。
まず、老後も働くことで社会とのつながりを作りやすいことが挙げられます。特に、再雇用などの形で以前と同じ職場で働くと、定年を迎える前と同じような環境で仕事ができるため、安心感を得られるでしょう。
違う職場で働くとしても、その職場で交流が生まれるため、仕事がない場合よりも孤独を感じにくくなります。
また、仕事をしていると自然と動くことになるため健康維持につながりやすい点もメリットです。仕事上の動作や人とのやり取りを通して、心身の健康を保ちやすくなります。
もし老後に特にやりたいことがないのであれば、収入面だけでなく心身の健康維持や社会とのつながりを作るためにも、働くことは選択肢のひとつです。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査によると、60代単身世帯の平均貯蓄額は1679万円、中央値は350万円でした。割合別の結果から見ても、貯蓄が2000万円あるのは比較的多い方だといえます。
再就職をしない場合、老後の生活費は年金と貯蓄から賄うことになります。平均的な家計収支で、貯蓄が2000万円あれば、年金だけでは不足する生活費を60年近く賄える計算です。しかし、急な出費に備えるためには、平均よりも多くの生活資金を確保した方が安心できます。
また、老後に働いて収入を確保することは、経済面だけでなく、心身の健康にもつながるメリットがあります。老後に働くことについては、こうしたメリットも踏まえたうえで判断するとよいでしょう。
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年 単身世帯 各種分類別データ 4 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2024年- (18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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