『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)のウォルター・ハマダと「クワイエット・プレイス」シリーズのパラマウント・ピクチャーズがタッグを組み、『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』(22)のヨハネス・ロバーツが監督、脚本を務める密室パニックシチュエーションスリラー『おさるのベン』が、2月20日(金)より全国公開となる。このたび、本作より家族の絆と緊迫の瞬間を捉えた、新たな場面写真が到着した。
【写真を見る】説得力あるキャスト陣が演じる“家族”の絆にも注目
愛らしい存在が、いつの間にか“なにか違う”ものに変わっていく。その説明できないズレと違和感を恐怖の核に据えた本作は、ホラーの枠を超えた新感覚パニックスリラーとして、全米で公開前から注目を集めていた。1月9日(金)に全米公開を迎えると『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(25)に次ぐ初登場2位となり、予想を上回るスマッシュヒットを達成。「かわいい顔で近づいてくるのが、一番怖い」と、Z世代を中心に、可愛いと怖いが交錯する“kowaii”の鑑賞体験が話題を呼んでいる、新世代のポップコーンムービーだ。
第98回アカデミー賞のノミネートが発表されたいま、存在を振り返っておきたい俳優がいる。『コーダ あいのうた』(21)で、ろう者の男性俳優として史上初となる、第94回アカデミー賞助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーだ。同作では、下ネタ好きで破天荒ながらも家族を深く愛する父親役をユーモラスかつ感動的に演じ、世界中の涙を誘った。そんな彼が本作では、キャリア初となる本格パニックスリラーで、彼は音のない世界で迫りくる“未知なる恐怖”へと足を踏み入れる。彼が演じるアダムは、聴覚障害を持つ父親。愛する娘たちが危険にさらされていることを知らずに帰宅し、すぐそばで上がっているはずの叫び声も届かない。観客だけが気づいている危機と、静寂の中にいるアダム。そのギャップが、かつてない緊迫感を生みだしていく。
「この物語とスリリングな展開が大好きです」と語るコッツァーは、『おさるのベン』を、「家の中に“ジョーズ”がいるような映画」と、パニック映画の金字塔を引き合いに出してその恐怖を例える。さらに「アダムは家族を救おうとする男。沈黙の中で悪夢を進んでいく姿は、これまでに見たことのない視点だと思う」と、いままでの作品にはない本作ならではの見どころを語っている。絶望的な状況下にあっても、アダムは抗えぬ“被害者”ではないようだ。そして「彼は音が聞こえなくても、決して無力ではない」と語る通り、本作では、音のない世界で極限の恐怖と対峙する、タフな父親の姿を刻み込んでいる。
また、長女ルーシーを演じるのは、ロバーツ監督が「彼女の演技はこの作品を次のレベルへと引き上げた」と称賛を送る、気鋭の俳優ジョニー・セコイア。「彼女は、ベンが変わってしまったことを受け入れたくない。だからこそ、危険が明らかになっても、最後まで希望を手放さない」と語るセコイアは、脆さと強さが同居する複雑な心理状態を見事に演じきった。彼女に対して、父親役のコッツァーは、「本当に優しくて、ASL(アメリカ手話)を学ぶ意欲にあふれていた。この役柄と、聴覚障害者の子どもを本物らしく演じることへの思いやりがあった」と大絶賛。それに応えるようにセコイアは「彼は親切で、とても才能にあふれている。ASLはとても美しい言語。彼は時々、人々についておもしろい発言をして、それを私に手話で伝えてくれた。 それはまるで、私たちだけの言語を持っているような感覚でした」と明かしている。
そして、次女エリン役には、恐怖の中で揺れる少女の心情を誠実に演じきったジア・ハンター。彼女は「エリンは誰よりもベンを信じていた存在」と役の背景を明かす。母親が亡くなった悲しみから逃れるように父親は仕事に没頭し、姉は大学進学のために家を出てしまう。彼女が一人で抱えた悲しみと孤独を癒してくれたのが、3歳から共に育ってきたベンだった。同時にベンは、「母親の思い出を唯一残す、命綱のような存在」だと、彼女の中で大切にしまわれてきた想いを語った。
今回、新しく届いた場面写真には、家族の絆と愛する存在の変貌が、残酷なコントラストで刻まれている。仲睦まじい父娘の穏やかな日常、また、一変した悪夢のなかで、抱きあい、寄り添う姉妹の姿が捉えられている。そして、かつての愛らしさは微塵もなく、いまにも人間に襲いかかろうとするベンの異様な後ろ姿が。
父と娘たち、そしてベン。説得力あるキャスト陣が演じる“家族”の絆があるからこそ、愛する存在が変貌する恐怖と混乱は、より深く胸に刺さる。家族愛と極限のパニックが交錯する本作の結末を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
文/鈴木レイヤ
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