1月28日(水) 9:20
まず押さえておきたいのは、自宅に保管していた現金でリフォーム費用を支払ったという事実だけで、直ちに税務署に指摘されるわけではないという点です。税務上問題になるのは、その現金の出どころや、それがどのような性質のものかです。
例えば、過去に給与や事業収入として受け取り、すでに所得税の申告・納税を済ませていたお金を自宅で保管していただけであれば、その現金を使っても新たな課税関係は原則として生じません。
一方で、現金の出どころが不明確な場合や、税務上の申告がされていない収入とみなされる場合には、課税リスクが生じることがあります。
所得税が問題になるのは、その200万円が申告されていない所得と判断される場合です。例えば、副業収入や事業収入、原稿料や謝礼などを現金で受け取り、申告義務があるにもかかわらず確定申告をしていなかった場合には、その現金は本来申告すべき所得と扱われます。
この場合、リフォーム費用に使った時点で課税されるわけではありませんが、税務調査などを通じて未申告所得が把握されると、過去にさかのぼって所得税が課される可能性があります。加えて、延滞税や加算税が生じる恐れがある点にも注意が必要です。
現金200万円が、親や祖父母などから無償で受け取ったお金である場合には、贈与税の課税関係が問題になります。贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、1年間に受け取った贈与財産の合計額が110万円を超えると、原則として申告と納税が必要です。
例えば、親から現金200万円を受け取り、それを自宅で保管していた場合、110万円を超える90万円部分について贈与税の申告が必要になります。これを申告せずにリフォーム費用として使った場合でも、贈与税の義務が消えるわけではありません。
なお、「直系尊属から受ける住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」など、一定の要件を満たせば非課税となる特例もありますが、制度の適用には期限や使途、必要書類の提出など細かな要件があります。
相続税が関係するのは、現金200万円が相続によって取得した財産である場合です。例えば、亡くなった親の自宅に保管されていた現金を相続し、それを自分のリフォーム費用に使ったケースが該当します。
この場合、現金を使ったかどうかにかかわらず、相続時点でその現金は相続財産に含まれ、基礎控除を超えた部分が相続税の課税対象になります。
相続税の申告において現金を含めて申告していなかった場合、後日指摘を受ける可能性があります。特に、被相続人が多額の現金を自宅で保管していた場合、預貯金と異なり記録が残りにくいため、税務署が調査で把握するケースもあります。
税務署が注目するのは、現金の使用そのものよりも、資金の流れと整合性といわれています。例えば、収入や預貯金の残高に比べて不自然に高額な支出がある場合、その原資が何かを確認されることがあります。
その際、現金の出どころを説明できる資料があるかどうかが重要になります。過去の給与明細や確定申告書、贈与契約書、相続税申告書などが、おもな説明材料になります。
自宅に保管していた現金200万円をリフォーム費用に使ったとしても、それだけで直ちに税務署から指摘されるとは限りません。ただし、その現金がどのように取得したものかによって、所得税・贈与税・相続税などの課税関係が問題になる可能性があります。
重要なのは、現金の金額ではなく、その性質と取得経緯です。過去に申告・納税済みの資金であれば問題は生じにくい一方、未申告の所得や贈与、相続財産であれば、後から指摘を受ける余地があります。制度を踏まえ、自身のケースに当てはめて整理しておくことが、不要なトラブルを避けるうえで重要といえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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