1月28日(水) 8:40
まず、年収500万円が全体の中でどの程度の水準にあるのかを、公的統計で確認します。国税庁長官官房企画課「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は478万円とされています。
男女別に見ると、男性が587万円、女性が333万円となっており、性別による差が大きい点が特徴です。雇用形態別に見ると、正社員(正職員)の平均給与は545万円であるのに対し、正社員(正職員)以外は206万円にとどまっています。
さらに男女別では、正社員(正職員)の男性が609万円、女性が430万円、正社員(正職員)以外では男性271万円、女性174万円とされています。こうした数字からは、年収水準が雇用形態や性別によって大きく異なる実態がうかがえます。
この統計を踏まえると、正社員として働く場合、年収500万円は平均をやや下回るものの、極端に低い水準ではないと位置づけることができます。
次に、年収500万円前後がどれほど一般的なのかを、給与階級別の分布から確認します。同調査によると、年収400万円超500万円以下の層は全体の15.3%を占めており、男性では16.9%、女性では13.3%となっています。一方、年収500万円超600万円以下は全体の11.8%で、男性14.7%、女性8.0%です。
また、年収500万円を超える人の割合は、全体では36.7%ですが、男性に限ると50.9%、女性では17.7%にとどまります。つまり、男性全体で見ると「年収500万円超」は過半数に達する一方、女性では少数派であり、男女で分布が大きく異なります。
このように、年収500万円は「誰もが到達している水準」ではありませんが、特に男性正社員に限定して見ると、相対的に珍しい水準でもないことが分かります。
それでも、婚活の場で年収500万円が「不利」と受け止められることがある背景には、いくつかの要因が考えられます。
ひとつは、婚活市場で比較対象になりやすい層が、統計全体ではなく「同年代・正社員・都市部勤務」など、条件が絞られた集団である点です。こうした条件下では、平均年収が全国平均より高くなる傾向があり、結果として年収500万円が相対的に低く見える可能性があります。
また、将来の家計像を意識した評価が行われやすい点も影響します。結婚後の生活費や住宅費、子どもの教育費などを想定した場合、現在の年収だけでなく、今後の昇給余地や雇用の安定性が重視されることがあります。
このため、年収水準そのものよりも、「今後どの程度の家計を築けるか」という期待値が評価に影響しているケースも考えられます。
公的統計を基に見る限り、年収500万円は平均から大きく外れた水準ではなく、特に正社員として働く場合には一定の安定性を示す数字といえます。一方で、婚活の場では、比較対象や生活設計の前提が統計とは異なるため、同じ数字でも評価が分かれることがあります。
そのため、「年収500万円は低いのか高いのか」という問いに対しては、一概に答えを出すことは難しいといえるでしょう。重要なのは、統計上の位置づけと、婚活市場での評価基準が必ずしも一致しないことを理解したうえで、自身の働き方や将来設計をどのように説明できるかという点にあります。
年収500万円は、国税庁の統計上、全体平均に近い水準であり、特に正社員の男性に限れば決して珍しい年収ではありません。ただし、婚活の場では、比較対象が限定されることや、将来の家計像が重視されることから、統計上の評価とは異なる受け止め方をされる場合があります。
統計データを踏まえると、年収の数字だけで「有利・不利」を判断するのではなく、雇用形態や生活設計、今後の見通しとあわせて考えることが、現実的な捉え方といえるでしょう。
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)、3 給与階級別分布(23ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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