1月28日(水) 4:10
「ワンストップ特例制度」とは、ふるさと納税を行った際に自治体へ申請書を提出することで、確定申告をせずに住民税から控除を受けられる制度です。
寄附先が5自治体以内、確定申告が不要な人であるなど条件がありますが、源泉徴収されている会社員のように、確定申告を行わなくても控除を受けられるよう、利用者の負担を減らすために設けられました。
ふるさと納税をした自治体に申請書を提出することで、確定申告を省略できる仕組みですが、これはあくまで「確定申告をしないこと」が前提条件となっています。
ワンストップ特例の案内では、「確定申告不要」といった表現が多く使われます。そのため、「一度ワンストップ特例の申請書を出せば、その年はもう何をしても安心」と誤解されがちです。
しかし実際には、確定申告をしなくてもいいのではなく、「確定申告をしない人に限って、代替手段として認められている制度」である点が重要です。この違いを理解していないと、後から確定申告を行った際に、ワンストップ特例が無効になることを想定できず、結果として控除を逃してしまう恐れがあります。
一般的に、会社員は確定申告と縁がないと思われがちです。そのため、「自分は会社員だからワンストップ特例で問題ない」と判断してしまう人も多く見られます。
しかし、会社員であっても医療費控除や副業所得などにより、確定申告が必要になる場面は多くあります。会社員かどうかではなく、その年に確定申告するかどうかが判断基準である点を押さえておきましょう。
確定申告を行った時点で、ワンストップ特例は自動的に「適用外」となります。あくまでも「確定申告をしない人向けの特例」であり、たとえふるさと納税とは無関係の理由であっても、確定申告を行うと、特例申請が無効になるため気をつけてください。
会社員が確定申告をしなければならず、ワンストップ特例の申請が無効になりやすいケースには次のものがあります。
・医療費控除を受ける
・住宅ローン控除の初年度申告を行う
このほか、副業収入や不動産収入などによって申告義務が生じた場合も同様です。これらは、多くの人が「ふるさと納税とは別の話」と考えがちですが、税務上は同一の確定申告として扱われます。
制度そのものよりも、生活スタイルが原因で失敗するケースが目立ちます。特に注意したいのは、「年末時点では確定申告をする予定がなかった人」です。急な入院で医療費が増えたり、副業収入が想定より多くなったりすることで、結果的に確定申告することになるケースは珍しくありません。
このように、制度を知らなかったというよりも、後から状況が変わったことで控除を逃してしまう点が、ふるさと納税の落とし穴といえます。
確定申告をする場合でも、正しく手続きすれば控除は受けられます。確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例の申請有無にかかわらず、改めて「寄附金控除」としてふるさと納税額を申告しなくてはなりません。
その際、自治体から届く「寄附金受領証明書」が必須となるため、ワンストップ特例の申請を提出済みであっても必ず保管しておきましょう。また、e-Taxを利用する場合でも、寄附金控除の入力を忘れると控除が反映されないので注意してください。
確定申告をする可能性が少しでもある場合は、ワンストップ特例に頼り切らず、「確定申告でまとめて申告する」という選択肢を視野に入れておくことをおすすめします。
ふるさと納税のワンストップ特例は便利な制度ですが、「確定申告をしないこと」が前提である点を見落とすと、控除が全額無効になるリスクがあります。医療費控除や住宅ローン控除、副業収入の申告など、誰にでも起こり得る理由で確定申告が必要になる点は特に気をつけましょう。
確定申告を行う場合は、必ず寄附金控除としてふるさと納税を申告することが大切です。
国税庁 No.1155ふるさと納税(寄附金控除)
国税庁 寄附金控除(ふるさと納税など)を受けられる方へ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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