帰省時に祖父から「結婚祝い金100万円」をもらいました! 祝ってくれてうれしいのですが、税務上の手続きなどは必要ないのでしょうか……?

帰省時に祖父から「結婚祝い金100万円」をもらいました! 祝ってくれてうれしいのですが、税務上の手続きなどは必要ないのでしょうか……?

1月27日(火) 23:00

お正月やお盆など、久しぶりに家族が集まる帰省のタイミングで、思いがけない贈り物をもらうことがあります。今回のように、祖父から「結婚祝い」としてまとまったお金をもらうケースは、それほど多くはないかもしれませんが、実際に起こりうる話です。 気持ちのこもったお祝いはうれしいものの、「これって税金がかかるの?」「手続きは必要?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、結婚祝い金としての贈与の取り扱いについて確認していきます。

このケースでは、原則贈与税は課税されない

まず、相続税法基本通達21の3-9(社交上必要と認められる香典等の非課税の取扱い)では、「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする」とあります。
 
ただし、「社会通念上相当と認められるか」の明確な金額基準がないため、一般常識などにも照らして100万円という金額が相当であるのかを判断しなければなりません。この段階で判断に迷うようであれば、税務署に確認することをお勧めいたします。
 
上記の基本通達を踏まえたうえで、申告が必要かどうかは、暦年で110万円の基礎控除額以下であるかが基準となります。
 
事例の場合、祖父から100万円の結婚祝い金をもらったとしても、ほかの人からの贈与がなければ、基礎控除額以下であるため、贈与税の申告は不要となり、課税されることもありません。ただし、仮に祖母から別途50万円を受け取った場合など、孫が受け取った暦年贈与額の合計が110万円を超える場合には贈与税が課税される可能性があります。
 

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度

今回の事例とは少し異なりますが、祖父母などの直系尊属から子や孫に対して、結婚・子育て資金として一定額を一括贈与し、その贈与税が非課税となる制度があります。令和7年度の税制改正においてその適用期限が延長され、現状で令和9年3月31日までの贈与分が対象となります。その概要は、以下の通りです。
 

(1)受贈者 :18歳以上50歳未満の方(前年分合計所得金額1000万円以下)
(2)贈与者 :受贈者の直系尊属(父母や祖父母など)
(3)非課税限度額 :1000万円まで(うち、結婚に際して支払う金銭は300万円が限度)
結婚に際して支払う金銭とは、挙式費用、婚礼費用、新居費用、転居費用など
妊娠、出産および育児に要する金銭とは、不妊治療、妊婦健診、分娩費用、産後ケア、子の医療費、幼稚園・保育園等の保育料、ベビーシッター代など
(4)手続き等 :結婚・子育て資金口座を開設し、結婚・子育て資金非課税申告書を提出する
(5)払い出し :結婚・子育て資金として事実を証する書面(領収書等)を提出する

 
受贈者が50歳に達した場合や万が一亡くなった場合には、契約が終了となり、その時点で残額(管理残額)がある場合には、贈与税の課税価格に算入されます。
 

まとめ

多くの場合には、贈与税は暦年(1月1日から12月31日)までに贈与を受けた合計金額に基づいて、受贈者ごとに課税されるか否かの判断がなされます。たとえ、一人の贈与者からの金額が比較的少なくても、複数の人から贈与を受けた場合には、その合計金額が110万円の基礎控除額以下であることが基準となります。
 
また、事前に計画的に子や孫の結婚・子育てに関する資金をある程度大きな金額で一括贈与したい場合には、非課税制度を活用することが一つの有効な方法となります。口座の開設手続き等については、各金融機関の窓口でも対応できますので、まずは相談してみましょう。
 

出典

国税庁 法令解釈通達 第21条の2《贈与税の課税価格》関係 第2節 贈与税 第21条の2《贈与税の課税価格》関係
国税庁 父母などから結婚 ・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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