1月27日(火) 8:30
家族手当は、配偶者や子どもなどを扶養する従業員の生活負担を軽くする目的で、企業が独自に設ける手当です。福利厚生として給与に上乗せして支給されることが多い一方、法律で支給が義務づけられている制度ではありません。支給の有無や金額、対象となる家族の範囲、収入条件などは会社ごとに定められます。
人事院の「民間給与の実態(令和6年職種別民間給与実態調査の結果)」によると、家族手当制度がある企業は全体の74.5%でした。そのうち、配偶者の収入などに制限を設けている企業は88%、制限を設けていない企業は12%となっています。
収入制限がある企業の制限額は、以下の通りです。
・103万円:43.4%
・130万円:34.4%
・150万円:7.4%
・その他:14.8%
この結果からも分かるように、家族手当の支給条件は企業ごとに異なるため、自社の規定を確認することが重要だといえるでしょう。
妻の年収が125万円になった場合、家族手当の基準がどこに置かれているかで扱いが変わります。例えば、配偶者の年収を「103万円未満」とする会社では、125万円は基準を超えるため、手当の支給停止に加え、すでに受け取った分について返金を求められる可能性があります。
一方、基準が「130万円未満」の会社であれば、125万円は基準内に収まるため、家族手当の支給が継続され、返金が不要となるケースも考えられます。
家族手当は企業によって名称や仕組みが異なり、配偶者手当や子ども手当、扶養手当として分けて設けられている場合もあります。返金(精算)が発生しやすいのは、支給要件を満たさなくなった、または条件変更の申告が遅れたといったケースです。
会社によっては「基準を超えた月から支給停止」とする場合もあれば、年末や一定時期にまとめて判定し、要件を満たさなかった期間分を遡って調整する運用もあります。
また、支給要件の考え方として、所得税や社会保険の扶養の判定に連動させている会社もあります。
ただし、扶養連動はあくまで一例であり、扶養手当として運用されていなくても、会社の定めた支給要件を外れたり申告が遅れたりすれば返金が生じることがあります。収入が変わる見込みが出た段階で、申告の要否や時期、遡及の有無を含めて社内の取り扱いを確認しておくことが大切です。
家族手当は法律で決められた制度ではなく、支給条件や返金の有無は会社ごとの規定によって異なります。そのため、妻のパート収入が増えたからといって、必ず支給停止になるわけでも、家族手当を返金しなければならないわけでもありません。
ただし、会社が定める支給条件を満たさなくなった場合や、条件変更の申告が遅れた場合は、支給停止に加えて返金(精算)を求められることがあります。
支給条件を扶養の判定と連動させているケースはその一例です。思わぬトラブルを防ぐためにも、収入が変わったタイミングで就業規則や給与規程を確認し、不明点は早めに会社へ相談しておきましょう。
人事院 民間給与の実態(令和6年職種別民間給与実態調査の結果)表12家族手当の支給状況
国税庁 No.1195配偶者特別控除
国税庁 No.1180扶養控除
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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