1月27日(火) 6:30
インプラントとは、あごの骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法で、入れ歯(義歯)やブリッジと並ぶ選択肢の1つです。残っている歯への負担が少なく、審美性を回復できるというメリットがあるのに対し、原則自由診療で高額療養費制度も適用されないため、治療費が高額になるデメリットもあります。
一方、インプラントは医療費控除の対象になるため、保険金などの補てんを除いた医療費が一定額を超えると、所得控除を受けることが可能です。
確定申告書の提出が必要ない方でも、還付申告することで納めすぎた所得税を還付金として受け取ることができます。令和7年分の確定申告は令和8年3月16日(月)までですが、還付申告は確定申告期間とは関係なく、その年の対象となる医療費を翌年1月1日から5年間までは還付申告することが可能です。
国税庁は、「歯科ローンは、患者が支払うべき治療費を信販会社が立替払をして、その立替分を患者が分割で信販会社に返済していくものです。したがって、信販会社が立替払をした金額は、その患者のその立替払をした年(歯科ローン契約が成立した時)の医療費控除の対象になります。」としています。
つまり、歯科ローンを契約した翌年1月1日以降に還付申告書を提出すれば、還付金を受け取れる可能性があります。この場合、医療費控除のための支出の証明として、信販会社の領収書や歯科ローンの契約書を5年間はきちんと保管しましょう。
なお、歯科ローンの金利や手数料相当分は医療費控除の対象になりません。
インプラントの費用相場は1本あたり30万円から50万円程度といわれています。ここでは「年収500万円の独身世帯」がインプラント治療で40万円の自己負担が発生した場合を考えてみましょう。
税負担の軽減額の目安は以下の計算式を用います。(医療費控除額は最高で200万円まで)なお、所得税については還付、住民税に関しては減額となります。
・(保険金などの補てんを除く1年間の医療費の自己負担額-10万円)×(所得税率+住民税率)
・{保険金などの補てんを除く1年間の医療費の自己負担額-(総所得金額等×5パーセント)}×(所得税率+住民税率)
年収500万円で課税所得金額が約210万円と仮定すると、所得税率は10パーセントになります。これと住民税率(所得割)の約10パーセントを合わせた約20パーセントを医療費控除の金額に乗じることで税負担の軽減額のおおよその目安を計算できます。
つまり今回のケースでは「(40万円-10万円)×20パーセント」となり、合計約6万円の還付・減額が見込まれます。
自由診療のインプラント治療でも、還付申告することで還付を受けることができそうです。確定申告と混同してしまいそうですが、還付申告は治療した翌年の1月1日から5年間までは、還付申告が可能です。インプラント治療に限らず、過去に高額な自由診療を受けた方は忘れずに申請しましょう。
国税庁 No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例
国税庁 令和7年分 確定申告特集
国税庁 No.2030 還付申告
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
総務省 個人住民税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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