1月27日(火) 4:20
以前はマイナ保険証の普及を後押しするため、「マイナ保険証」と「従来の保険証」とで、「医療情報取得加算」という診療報酬に差が設けられていました。
医療情報取得加算とは、医療機関がオンライン資格確認などを通じて患者の診療・薬剤情報を取得し、質の高い医療を提供できる体制を整備している場合に算定されるものです。
厚生労働省保険局医療課の「医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて」によると、令和6年6月~11月は以下の点数でした。
・初診時:従来の保険証:3点マイナ保険証:1点
・再診時(3ヶ月に1回に限り算定):従来の保険証:2点マイナ保険証:1点
・調剤時(6ヶ月に1回に限り算定):従来の保険証:3点マイナ保険証:1点
医療情報取得加算は点数が大きいほど、窓口負担も増えます。当時はマイナ保険証のほうが加算点数が低かったため、加算分に限って患者の自己負担がわずかに安くなる仕組みでした。
しかし令和6年12月以降は、従来の保険証・マイナ保険証ともに以下の加算に統一されています。
・初診時:1点
・再診時(3ヶ月に1回に限り算定):1点
・調剤時(12ヶ月に1回に限り算定):1点
このように現在では、マイナ保険証を使用した場合でも、医療費に変化はないといえるでしょう。
従来の保険証は令和6年12月2日以降、新たに発行されなくなり、マイナ保険証を基本とした仕組みに移行しました。
制度開始前や初期では、従来の保険証を基本的に使用し、マイナ保険証は「使える人はとりあえず使う」というような位置づけでした。現在は「マイナ保険証」が原則として使うものとなり、「従来の保険証」については有効期限付きの経過措置(最長で令和7年12月1日まで)を行うものとなっています。
マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録を行っていない人は、「資格確認書」を利用する方法もあります。つまり、現在ではマイナ保険証または資格確認書いずれかの利用が基本となります。
医療現場の混乱を考慮し、厚生労働省は令和7年6月27日に「健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料の送付について」を通知しました。
この通知によると、「マイナ保険証・資格確認書」がない場合でも、令和8年3月末までは医療機関がオンライン資格確認を行うことで、「有効期限が切れた従来の保険証」でも通常の自己負担割合(3割など)の保険診療を受けられることになります。
ただしこの措置は混乱防止のための一時的な対応であり、医療機関では本人確認を必ず行います。令和8年3月末までには「マイナ保険証」か「資格確認書」を取得するなど、何らかの対応をしたほうが良いかもしれません。
かつてはマイナ保険証の利用で医療費が安くなる仕組みがありましたが、現在は加算点数が統一され、費用面に差はないようです。
従来の健康保険証は、経過措置として最長で令和7年12月1日まで使用可能ですが、その後は原則として使えなくなります。令和8年3月末までの暫定的な対応もありますが、窓口での混乱を避けるためにも、早めにマイナ保険証への登録や資格確認書の準備をしておくと安心かもしれません。
厚生労働省 医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いについて
厚生労働省 医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算の見直しについて
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について
厚生労働省 関東信越厚生局 健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料の送付について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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