現代哲学のタコ壺から脱けだし、社会のほんとうの課題と取り組む

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現代哲学のタコ壺から脱けだし、社会のほんとうの課題と取り組む

1月26日(月) 6:00

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これからの社会のために哲学ができること 新道徳実在論とWEターン 『これからの社会のために哲学ができること 新道徳実在論とWEターン』(光文社)著者:マルクス・ガブリエル,出口 康夫 Amazon | honto | その他の書店
「新実在論」の旗手マルクス・ガブリエル氏と「WEターン」を唱える京大教授・出口康夫氏との哲学対話。われわれがいま未来をどう構想すればよいのか、その原理を探る。

出口氏の第1章「WEターン」がとても読ませる。これまで哲学は、人間個人が認識や行為の主体だと考えてきた。でも自転車に乗るにも、誰かが造った自転車で道路を進むだけ。行為はほかの人びとや事物によって可能なのだから、行為の主体はWEである。このように発想を「ターン」すると、現代哲学のタコ壺(つぼ)から脱けだし、社会のほんとうの課題と取り組める。ガブリエル氏もまったくその通りだと賛成する。

「WEターン」して眺めるなら、世界は≪マルチエージェントシステム≫(=WE)である。中心のわたし(I)を他者や動物や事物や自然が同心円状に取り囲んでいる。人間は≪根源的できなさ≫に制約されつつ、めいめい人生を全うせんとする。事物や自然も存在を全うせよ。それを目標に社会の課題と取り組み未来を構想しよう。著者両名はビジネスとも連携し惑星規模のプロジェクトを提案。哲学者の元気な発言を久しぶりに聞いた。注目である。

【書き手】
橋爪 大三郎
社会学者。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。近著に『裁判員の教科書』(ミネルヴァ書房)、『はじめての言語ゲーム』(講談社)がある。

【初出メディア】
毎日新聞 2025年12月27日

【書誌情報】
これからの社会のために哲学ができること 新道徳実在論とWEターン 著者:マルクス・ガブリエル,出口 康夫
翻訳:渡邊 一弘,辻 麻衣子,高木 俊一
出版社:光文社
装丁:新書(296ページ)
発売日:2025-11-19
ISBN-10:4334107524
ISBN-13:978-4334107529 これからの社会のために哲学ができること 新道徳実在論とWEターン / マルクス・ガブリエル,出口 康夫
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