新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「疲れ」について。棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)
棚橋弘至の「人生で疲れたことがない」に、にじむリーダーの素質
1月4日、「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム」でプロレスラーを引退しました……!が、SPA!のこの連載は続きます。
今日も働きましょう!
マルチタスクの時代。一日を乗り切るには、エネルギーの振り分けが大事ですね。プロレスラーのときは、どうしてもトレーニングや食事、試合へのエネルギーが大きくなっていました。
それに、そもそも「生まれてから疲れたことがない」と宣言しており、エネルギーを振り分ける必要もなく、すべてに対して全力で取り組んできました。
しかし、先日の引退試合を終えた後の会見で、僕はこう言ってしまったのです。
「あ~疲れた~」と。
疲れないはずの僕が、ついに「疲れ」を受け入れた瞬間でした。
引退試合を終えて、現役生活26年間、張りつめていた気持ちが少し緩んだのもありますが、「ここで言っておかないと、この先の人生でもう『疲れた』を言うタイミングはないぞ!」と、ふと気がつきまして……。
さて、そもそも話になりますが「なぜ棚橋弘至は『疲れたことがない』と言い出したのか?」。
それは、プロレスファンの皆さんや周りの仲間に頼りにしてほしかったからです。もっと、僕に期待してほしい。僕に任せてほしい。僕を信じてほしい、と……。
人から何か頼まれたり、頼りにされたりするのは、面倒くさかったり、ひと手間かかったり、と大変な部分もありますが、やっぱり嬉しいことなのです。
……って、え!?
そんなことないって? ちっとも嬉しくない?
僕は、朝起きるでしょ。一日の予定を確認するでしょ。ここで一回「予定詰まってんな! ギャァァァー!」と、ひと騒ぎして邪気を払い、「え! 今月休みないじゃん! プンプン!」とぶりっ子風に現実を一度、逃避してみる。浪漫飛行へイン・ザ・スカイしてみる。
ね?
何が、ね?なのかわかりませんが、先頭に立ち、周りの人を先導する人間は、誰よりもエネルギーが必要です。
けど、その人がさらに熱量を上げることによって、初めて周りの人を動かすのだと思います。
さあ皆さん、100%の出し方、もうさすがにわかってますよね。
え? まだ何も説明してないって? では、極意を授けましょう。
時間じゃないんです。
結果じゃないんです。
集中力なんです。
どれだけ物事に没頭できたかで、その日の寝つきも変わってきます(棚橋調べ)。
さ、というわけで、今回は「疲れない」話でした。
これからも社長業を……SPA!SPA!こなしていきますよ!!!
今週のオレ社訓~This Week's LESSON~
人を先導する人間は、誰よりも熱量を上げて、初めて周りの人を動かす!
<文/棚橋弘至写真/©新日本プロレス>
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」
【関連記事】
・
【新連載棚橋弘至 vol.1】新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記
・
【棚橋弘至 vol.2】若手時代に来た「ハッスル」からの誘い。そして契約更改の日
・
【棚橋弘至 vol.3】逆境に燃える! 選手兼社長ゆえのポジティブマインドとは?
・
新日本プロレス棚橋弘至が引退の裏側を語る「じつは社長就任時に決めていた」
・
棚橋弘至の『3年後理論』とは?「僕は昔の新日本らしくないナンパなイメージで嫌われていた」