立体駐車場のスロープで逃げ場もないのに“あおり運転”してきた車の意外な末路「周囲を気にしてオドオド」

※写真はイメージです

立体駐車場のスロープで逃げ場もないのに“あおり運転”してきた車の意外な末路「周囲を気にしてオドオド」

1月22日(木) 8:51

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ニュースなどで頻繁に取り上げられる「あおり運転」。被害者の精神的苦痛は深刻であり、トラウマにもなりかねない。

自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険の『2025年あおり運転実態調査』によれば、5年以内にあおり運転をされたことがあるドライバーは34.5%であった。また、遭遇したあおり運転は、「後方から激しく接近された」が最多の84.3%。あおり運転された際の対処方法は、「道を譲った(51.1%)」、「何もしなかった(28.8%)」が上位を占め、あおり運転に遭遇しても、冷静に対応するドライバーが目立つことがわかった。

今回は、“あおり運転”に遭遇したあと、思いがけない展開が待っていたという2人のエピソードを紹介する。

立体駐車場のスロープで…

山内麗奈さん(仮名・30代)は、大型商業施設の立体駐車場から車を出そうとしていた。助手席には姪、後部座席には妹を乗せていた。

もともと運転が得意ではなく、とくに立体駐車場のような狭いところでは、慎重にならざるを得なかったという。

「カーブも多くて見通しも悪いので、普段以上にスピードを落とす必要があって……」

その日も、ゆっくりとスロープを下っていた。すると、後ろの車が急に距離を詰めてきたそうだ。

「バックミラーを見ると、ほとんど間隔がありませんでした。そして、クラクションも鳴らされました」

スロープの幅は狭く、相手を先に行かせようとも、逃げ場もない。一定の速度で進むしかなかったのだが、後ろの車は左右に蛇行しながらついてきた。

「明らかに“あおられている”と思いました。出口まで進むしかないので、そのまま向かったんです」

精算ゲートでの足止め

スロープを降りた先は少し広くなっており、そこから1レーンの精算ゲートへ向かう構造だった。山内さんが直進し、後ろの車が広いスペースに出た瞬間、右側へ膨らみ強引に割り込んできたという。

「かなり危ない動きでした。ぶつからなかったのが不思議なくらいでしたね」

接触はなかったため、距離をとってその車の後ろについた。しかし、精算ゲート前で止まったまま、動かなかったそうだ。

「最初は、何かのトラブルかと思いました」

前方を見ると、相手は落ち着かない様子で車内を探っているようだった。その様子を見た姪が、「もしかして、駐車券ないんじゃないの?」と言ったのだ。

状況はそのとおりだった。しばらく経ってもゲートは開かず、後続車が次々と増えていく……。

やがて係員が呼ばれた。

「相手は周囲を気にしてオドオドしており、“先ほどまでの強気な様子”とはまったく違う態度でした。結局、駐車券が見つからなくて、紛失扱いになっていました」

割増料金を支払ってゲートが開くと、相手はすぐに去っていったという。

細い道の先ではじまった異変

佐々木麻衣さん(仮名・30代)は、夫と2人の子どもを乗せて車を走らせていた。目的地は、家族でよく訪れる近所のパン屋だった。

自宅から坂道を下った先にある交差点で、異変が起こる。そこは車1台がやっと通れるほどの細い道で、どちらかが譲らなければ通れない場所だ。

「向こうから来た車が、こちらの道に入りたそうにしていました」

相手は右ウインカーを出していたが、佐々木さんが進まなければ入れない。助手席の夫が、バックするようにハンドサインを送った。

「その車は、いったん下がってくれました」

しかし、佐々木さんが通り過ぎたあと進路を変え、“なぜか後ろに”ついてきたそうだ。

「偶然かと思っていました。でも、蛇行するような運転をしてきたんです」

不安を抱きながら運転していると、その車は佐々木さんを追い越して急停車した。

事故現場にいた“見覚えのある車”

後続車もいたため、佐々木さんも止まらざるを得なかった。震える足でブレーキを踏み続けていると、車から男性が降りてきたという。

「大きな声で何か叫んでいました。内容までは覚えていません」

子どもたちに危害が及ぶかもしれない。その恐怖が先に立ち、佐々木さんはその場で“110番通報”をした。

「とにかく、警察に連絡しなきゃと思いました」

通報していることが相手に伝わると、男性は捨て台詞のような言葉を残し、車に戻って走り去ったそうだ。

後日、通報履歴が残っていたため、佐々木さんは警察署で事情を説明した。「違反として立件するのはむずかしい」と言われたという。

「警察は、『同じようなことをほかでもしている可能性はある』と話していました」

自宅から近い場所での出来事だったこともあり、しばらくは「再び遭遇するのではないか」という不安が続いた。

それから約2週間後、出勤途中の道で偶然“見覚えのある車”を目撃。

「事故を起こして、道の端に止まっていました。詳しい状況はわからなかったですけど、ナンバープレートを見て“あのときの車”だと気づきました」

大きな事故になっていないことを願いつつ、怖かった相手だっただけに佐々木さんは複雑な気持ちになったそうだ。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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