「63歳に見えない」とネット騒然…紅白35年ぶり出場の“レジェンド歌手”が変わらないのは見た目だけじゃないワケ

FM大阪のプリリースより

「63歳に見えない」とネット騒然…紅白35年ぶり出場の“レジェンド歌手”が変わらないのは見た目だけじゃないワケ

1月20日(火) 8:47

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2025年末に放送された第76回NHK紅白歌合戦は、レジェンド歌手たちによる大盤振る舞いで賑わった。中でも注目は、35年ぶりに出場した久保田利伸だろう。

1986年のデビュー以来、固有のグルーヴ感でR&Bの魅力を伝道してきた。紅白スペシャルメドレー歌唱では変わらないきらめきを発奮した。ネット上ではすでに還暦を過ぎているのに変わらないビジュアルについて大きな話題になっていた。

久保田利伸が醸す、変わりゆく変わらないもの……。希代のR&B伝道師・久保田利伸について、イケメン研究家・加賀谷健が解説する。

あいみょんも憧れのレジェンドR&Bシンガー



大晦日は何だかんだ慣例的に『NHK紅白歌合戦』(以下、紅白)を見てしまう。毎年紅白が放送されるのはNHK総合だが、Eテレでも年末のクラシック音楽番組が恒例だ。

2025年末はオーストリア出身の巨匠ピアニスト、アルフレッド・ブレンデルによる名演奏も目玉で、両チャンネルをカチャカチャ切り替えながら、ある紅白出場歌手の出番を待った。

その出場歌手の出番は22時台。ちょうどブレンデルがベートーベンの「ピアノ・ソナタ」を弾き終えた頃だっただろうか。チャンネルを総合に戻すと、赤組出場者であるあいみょんの後にその人の出番がきた。紅白スペシャルメドレーということで磐石のきらめきセットリストがパッと華やぐ。あいみょんの後という順番にもニヤリとした。ちょっとした目配せがあるからだ。

紅白リハーサルが行われた12月29日の囲み取材で、あいみょんはその人に言及した。「久保田利伸さんはお会いしたくて」……。1986年にデビューしたレジェンドR&Bシンガーだ(彼がいかにレジェンダリーな存在であるかは、2004年に日本人ボーカリストとして初めてアメリカの有名音楽番組『Soul Train』に出演した歴史的なことだけでもわかる)。

35年ぶりに紅白出場の久保田利伸のビジュアルが変わらない?



1986年リリースの1stアルバム『SHAKE IT PARADISE』収録の「流星のサドル」や代表曲「Missing」は、あいみょんが愛聴するナンバーでもあり、久保田の楽曲から受けた影響を公言してきた。あいみょんにとって常にその存在が気になる人であり、リスペクトを惜しまない久保田があいみょんに後続するかたちで、実に35年ぶりに紅白出場というだけでも胸アツだ。

披露したのは「1,2,Play」、「Missing」、「LA・LA・LA LOVE SONG」。特に1996年放送の名作月9ドラマ『ロングバケーション』(フジテレビ系)主題歌でお馴染みの「LA・LA・LA LOVE SONG」では、久保田特有のフレージングとリズムの刻み方が弾みまくり、まさに流星のようにきらめくアレンジ力にただただ身体を揺らしていたくなった。久保田利伸のグルーヴは時を超える。そしてそのビジュアルもまた時を超えて変わらない。

紅白出場後、SNS上では「63歳に見えない」「若すぎる」と還暦を過ぎても久保田のビジュアルがいかに変わらないかが大きな話題になっていた。

変わらない魅力はジャンル固有のメンタリティに依拠



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1995年には「Toshi Kubota」名義で全米デビューを果たす久保田が、長年身を置くR&Bの世界にはこんな名言がある。『ブルース・ピープル』の著者リロイ・ジョーンズこと、アミリ・バラカによる「the changing same」。日本語訳すると「変わりゆく変わらないもの」という撞着表現だ。

R&Bラヴァーにとっては釈迦に説法だが、同ジャンルを語る上では欠かせない必殺(頻出)フレーズでもある。意味合いとしては、(音楽)表現は時代ごとに常に変わるけれど、根っこにある本質的な部分は変わらない、と理解していい。久保田の表現もまたデビュー以来、「変わりゆく変わらないもの」としてジャンル固有のメンタリティーに依拠してきた。

乱暴な言い方になってしまうが、だからこそ内面的(音楽表現)にも(ビジュアルを含む)外面的にも変わらない魅力を洗練させてきたところがある。全米デビューアルバム『Sunshine,Moonlight』のタイトルに込められたきらめく輝きは30年経っても色褪せないし、同アルバム収録曲「Ain’t Nobody There」のレゲエ調の二拍子は今聴いても心が弾む。

2025年末の紅白スペシャルメドレーのアレンジ力は、時代を超えて弾み続ける久保田利伸の洗練が極まった瞬間でもある。

さらにNHK-FMのレギュラーラジオ『ザ・ソウルミュージック Ⅱ』では、Today’s R&Bを名調子で紹介するトーク力も変わらずに弾む。特に印象的なのは、UK R&Bシンガーたちによるレゲエナンバー特集回(2022年9月3日放送)。

レゲエの聖地キングストンでCMを撮影したエピソードについて「キングストンの海沿いの村を何日間か借り切ってのロケ。撮影の合間合間に、すぐにレゲエセッションがはじまる。世界中のヒット曲でラヴァーズ・ロックをみんなが歌う。ぼくもつられて何曲か歌うみたいな。撮影の記憶よりも、休憩中の記憶の方が鮮明ですね」と楽しげな神回解説だった。

R&Bの伝道師はNHK紅白でもラジオトークでも弾み続けるレジェンドだ。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業X:@1895cu

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