1月19日(月) 20:00
高齢者の生活を支える老齢年金は、基本的に65歳にならないと支給されません(※2)。したがって、60歳で定年退職した以降、65歳になるまでは、安定した収入を得ることを考えなければなりません。
定年退職した会社で再雇用されることを希望すれば、収入は下がるものの、65歳までは安定した収入を得ることができることが期待できます。
一方、アルバイトで働く場合は、勤務先にもよりますが、勤務期間やシフトの状況によって、収入が不安定となる可能性があります。そこで、収入の安定度から比較すると、アルバイトで働くよりも、再雇用で働くほうが、メリットがあるといえるでしょう。
60歳で職を失うと、在職中は事業主と折半していた健康保険料と介護保険料を、自分自身と扶養する家族分について、全額を自己負担する必要があります(※3)。また、扶養する配偶者が60歳未満である場合は、配偶者が60歳になるまで、国民年金保険料を納めなければなりません(※4)。
再雇用で働く場合は、基本的に勤務先の健康保険組合に加入するとともに、厚生年金の被保険者となるため、収入に応じた健康保険料と厚生年金保険料を事業主と折半して支払うことで済みます。
一方、アルバイトで勤務する場合は、勤務先の企業規模によって社会保険への加入義務が異なります(※5)ので、適用条件を確認して勤務先を選びましょう。
社会保険に加入することができるアルバイト先であれば、社会保険の仕組み自体は、再雇用と変わりはありません。
再雇用によって勤務する場合、退職前の仕事内容や収入が保証されるものではありません。ましてや、自分が望む仕事に就くことができる保証はありません。
一方、アルバイトであれば、自分から仕事の内容を選ぶことができますので、自分の趣味や特技を生かすことができる可能性があります。
したがって、生きがいの観点から比較すると、アルバイトのほうがメリットはあると感じる人もいるでしょう。
60歳で定年退職した高齢者は、老齢年金を受給することができる65歳になるまで、生活を維持することができる安定した収入を得る必要があります。また、できるだけ長く社会保険が適用される働き方をすることが望まれます。収入の観点から見ると、アルバイトよりも再雇用のほうが、安定性という面でメリットが多いように思われます。
年金を受給するようになってから、自分の生きがいを追求する働き方を考えるのも、一考に値するでしょう。
(※1)厚生労働省 高年齢者雇用安定法の改正~「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止~
(※2)日本年金機構 老齢年金
(※3)全国健康保険協会(協会けんぽ) 会社を退職するとき
(※4)日本年金機構 就職・転職・退職
(※5)厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について
執筆者 : 辻章嗣
ウィングFP相談室代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
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