A氏:首都圏の某人気サウナ店オーナー。B氏:全国を渡り歩くフリー熱波師。「アウフグースは安全第一主義」。C氏:全国のサウナのコンサルタントも行なうサウナー
ひと頃より落ち着きを取り戻したように見えるサウナブームだが、その裏側では「余熱」どころか「熱暴走」を起こす店やイベントも?脱法的な連れ込み宿化、フェスの不衛生な水風呂、薬物容認......。
現場を知る「中の人」たちが匿名で集結し、業界のヤバい噂を語る!!
【死亡事故にザワつくサウナ業界】
昨年12月、赤坂にある高級個室サウナ店「サウナタイガー」で夫婦が死亡した火災事故が起こった。その後の捜査で同店のずさんな管理体制がが明るみに出たが、そんなヤバいサウナは氷山の一角かもしれない。
今回は業界を知る「中の人たち」である首都圏人気サウナ店オーナーA氏、フリー熱波師B氏、サウナコンサルタントC氏が集結。匿名を条件に裏話を語り尽くす!
――まずは赤坂の個室サウナでの死亡事故についてどう感じましたか。
A
あらゆる不幸が重なった部分はあるけど、あの管理体制では、いつ事故が起きてもおかしくない状況だなぁとヒヤッとしましたね。
B
ドアノブが取れて、非常ベルも鳴らない。助けが呼べないことがわかったから、タオルに包んでサウナストーンをぶつけてガラスを割ろうとしたんですよね。
C
ただ、サウナの扉は強化ガラスで、そんな簡単には割れない。完全にパニックだったと思います。
――中には、サウナストーブの配線を引き抜けばよかったのではという人もいました。
B
いやいや、難しいです。そもそも配線が露出してない設計がほとんど。たとえ引き抜けても、そんなすぐにストーブの温度は下がらないので状況は変わらない。
電源が切れて5~6時間たっても、50℃ぐらいはありますからね。だから、自分が同じ状況だったら諦めてしまう。
A
ですよね。僕もほかの温浴施設に行くときにはサウナ室の立てつけをよく見るんです。多くのサウナ施設は、入り口が手動で開閉できるような押し戸になっていますが、ドアノブのところも意外にありますね。
――今回の死亡事故を受けて、焦っている施設も多そう。
A
うちはサウナ室でお客さんが倒れて救護したことがあるけど、最悪のケースは起きていない。ただ、これを機に見回り頻度は増やしましたね。
B
今回、事故が起こったような会員制の個室サウナだと、入店から退店までをオンラ
イン決済にしていて、フロントにスタッフが常駐していないこともありますよ。
C
ほかの個室サウナ店では、「おたくのサウナはちゃんと対策してるのか?」という問い合わせの対応に追われているところもあります。
だから先に「うちは安全です!」とメルマガなどでアピールしてくる施設も多かった。
A
そういえば、某インフルエンサーが関わっている都内の個室サウナも、スタッフを急募してましたね。
【売りに出される個室サウナ】
――なぜ事故が起きるまで放置されてしまったのでしょう。
A
そこが同業者としても信じられない。通常であれば消防や保健所による定期検査があるので、そのあたりは細かく確認されます。店舗のある区域によって運用の差はあるかもしれないですけど。
C
こういう個室サウナやプライベートサウナは、安全対策が緩いなと感じる施設も多いですよ。
B
個人的には「温浴施設」ではなく、「旅館業」で届け出をしているケースは、安全対策の運用が盲点になりやすい印象です。非常用ブザーが実際に機能するかといった、細部までのチェックが行き届いていない実態がありそう。
――コロナ禍に個室サウナやプライベートサウナが急増しましたが、背景として申請の通りやすさがある?
A
そうだと思います。「事業再構築補助金」を使って、個室サウナを開業して、富裕層をターゲットにした会員制サウナが流行しました。
B
4年ぐらいたつと設備が老朽化したり、燃料コストがグンと上がったりするので、ちょうど今は経営難の店も増えていますよ。
C
確かに。サウナブームも下火になってきているから、ファンドで個室サウナ店がかなり売りに出されていますね。私のところにも、「ぜひ買ってほしい」という連絡が頻繁に来ています。
――そんな「旅館業」として営業しているサウナ施設で、ヤバいと噂のところは?
C
部屋にベッドが完備されていて、ラブホ代わりの「連れ込みサウナ」として有名な港区の某高級サウナですね。
B
あそこか。以前、熱波師の仲間たちと行ったら、サウナは悪くないんだけど、内装が安っぽくて清掃が行き届いてなかったね。
A
あとは、タレントとかインフルエンサーがやたら宣伝してるとか、謎にサウナ室が全面ガラス張りとかは危機感が緩めなフラグかもしれない。
B
わかる。表面はキレイなんだけど、水回りまで掃除してないから異臭がするときが
あって、お香とかをたいて、においをごまかしている。
A
それでいうと、同じ港区にある某プライベートサウナ店では、薬物を使った「キメセク」が横行してるという噂がある......。
C
完全にアウトじゃないですか。どういうことですか?
A
そこのオーナーが容認していて、客が何をしていても文句を言わない。で、客が20時間ぐらいこもって出てこないのもザラ。
帰った後に清掃スタッフが部屋に入ると、使用済みのコンドームに加えて、大麻のカスや注射器が散乱していることもあるとか。
C
そんなところにキャバ嬢とかがアフターで連れていかれたら地獄ですね。
そういえば、パパ活相手を盗撮しまくっているゲスい輩(やから)が経営している某高級サウナがあるのも港区ですよ。さすがにサウナ内を盗撮はしていないと思いたいけど。
「この後ホテル行こう!じゃなく、実は会員制のいいサウナがあるんだよ!なら女のコも誘いやすいと富裕層に人気」(C氏)
【野外サウナフェスの水風呂には人糞が......】
――ほかの地域はどうですか。
A
意外かもしれないけど、新宿の歌舞伎町にあるサウナの経営者はしっかりしている。でも、やっぱりひどいマナーのお客は多いかも。
B
ですね。新宿の某サウナに午前中に行ったらベロベロに酔ったホストたちがいて、びちょびちょのタオルを何回も絞ってロウリュしてました。
C
マナーといえば、ビジネスホテルの高騰で、カプセルホテルを選ぶ外国人も増えましたよね。体を洗う前にサウナ室に入ってくるので、衛生面やニオイが気になるときもあります。
B
最近は野外で開催するサウナフェスなんかも多いですけど、そこの水風呂が循環もされていないし、汚すぎる。
2時間くらいで水の色が茶色に変わって、あかだけでなくウンコが普通に浮いてたりする。だからスタッフが定期的に網ですくっているらしい。
もちろん、ちゃんと清掃や入れ替えをしているところもあるんだろうけど......。
C
キャンプ場のトイレだと温水洗浄便座もないし、ちゃんと拭けてない人も多そう。
B
最後のほうは入浴剤とかを入れて色水にして、汚水が目立たないようにしているらしいです。
A
「自然の中で解放」の意味をはき違えてますね(笑)。
「多くのサウナフェスの水風呂には清掃係がついていて、あかやふんなどの汚れを頻繁にすくってくれていますが......限界もありますよね」(B氏)
――サウナイベントというと、最近は熱波師の数も増えたように思いますが。
A
今はSNSで自分で「熱波師」と名乗ったら、誰でも活動できちゃう。そうなると、プロとは呼べない素人も湧く。
B
いますね。ある熱波師はアウフグース中に目の前で気分が悪くなって倒れた人がいて。それでも救護をせずに、無視してタオルをクルクル回し続けていたそうです。
C
お客の命より、自分のパフォーマンスが優先に......。
B
そのクレームを聞いた店長がその人に激怒したら、「安全講習を受けていないから対応がわからず、パニックになった」と逆ギレされたらしい。ちなみに、今もその人は熱波師としてバリバリ活動しています。
C
ゾッとします。今はもう講習を受けてまともになっていることを祈ります。自分のキャラクターをつけようとむちゃなことをやる熱波師もいますからね。
A
以前、ウチの施設にゲストで来た熱波師は、サウナ室を熱くしようとして、ロウリュ用のアロマ水を一気にストーブにかけたんです。
その水がはねて、全身ヤケドしたお客さんがいました。彼は業界内では問題児扱いされていますが、いまだに熱波師を名乗っています。
「サウナブームで熱波師の人気が上がった分、素人に毛が生えたような人も増えた。施設側も人間性を見抜く目が必要になりました」(A氏)
――サウナは「熱さを我慢するもの」という間違った認識は今も色濃いですね。
C
そうなんですよ。都内の某人気サウナ施設はブロワー(小型送風機)を使って熱波していて。そのブロワーでお客をピンポイントで狙って、追いかけ回したりする。耐えきれず飛び出したお客が転んで、危うく大事故になりかけたこともあった。
B
本人はアトラクションぐらいの意識かもしれないけど。
A
それを求めるお客さんもいるから、彼らの勘違いを助長しやすい。
C
サウナブームをきっかけにサウナの魅力に気づいた人が増えたのはいいこと。
ただ、「熱暴走」とも言える、危険な人災事故は勘弁願いたいものですね。
取材・文/吉岡俊イラスト/市橋俊介
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