コロナ禍で1日10缶のストロング系チューハイを飲んでいたせいで、筆者のγ-GTは通常は40のところ、その60倍にあたる2410を叩き出した。
あれから3年ほどの月日が経ち、その間、アルコールは一切飲まずにいた。そして、久々に血液検査をした結果、なんと191まで下がっていた。相変わらず危険水域だが、あり得ない数字からは脱却できたので、褒めてほしい。
しかし、どうして3年もアルコールを摂取していないにもかかわらず、いまだに肝機能の数値が高いのかというと、中性脂肪が648と、これまた冗談みたいな数字を叩き出しているからである。簡単に言うと糖尿病だ。通常、血糖値は140mg/dL未満が正常らしいが、筆者は485mg/dL。まだ32歳である。あの三宅香帆と同年代だ。
病院に行く“Xデー”までは継続路線
原因は、1回の外食でひとり2000円も使うような食生活である。その結果、ついに先日、近所の内科医から専門医に診てもらうよう、紹介状を書いてもらった。場合によっては糖尿病食の実践や運動療法を体験する「教育入院」も考えたほうがいいらしい。ヤバいじゃん。
「暴飲暴食がここまでたたったか……。いよいよ年貢の納め時だな」
そう決心して病院に電話したところ、予約は2カ月先まで埋まっていた。だったら、しばらくはこの食生活を続けよう。
というわけで、今回の舞台は資さんうどんである。北九州のソウルフードとして知られる同店は、2025年に関東2号店となる両国店をオープン。開店直後は日夜、行列が絶えないことでも話題となった。
はなまる、丸亀でも毎回2000円使うから…
「うどんの店で2000円なんて食べられないでしょ」
そう思うかもしれないが、筆者を舐めるな。東京に1店舗しかないためなかなか頻繁には行けず、年に2度ある帰省で九州に行ったタイミングでしか食べることができないのだから、1回の来店で可能な限り多くのメニューを食べるのは当然のことだ。
それに、筆者は九州の男だ。小うどんと小丼、そしてミニぼた餅がついて1000円で収まる「幸せセット」は頼まない。
というか、そもそもはなまるうどんやはなまる製麺でも大盛りにしたり、天ぷらをたくさん注文することによって、毎回2000円近く使っているのだから、今回もテーマは「どうやって2000円を超えさせないか」である。
そこで、注文するのは、カシワごぼ天5本うどん(799円)、親子丼(729円)、おでんのだいこん(130円)、牛すじ(200円)、たまご(130円)で合計1988円である。
「うどん以外」でぜひ食べてほしいのが…
まず、ごぼ天うどんを頼まないことには話が始まらない。子どもの頃は「どうして木の根っこを食べないといけないのか……」と、『はだしのゲン』の米兵のような気持ちを抱いていたが、天ぷらにしてうどんのスープに浸して食べることで、なんとうまいことやら。一気に自分の中の天ぷらランキングの順位をかき乱しにくる。
ただ、どうして一番人気の(牛)肉ではなくカシワ(鶏)なのか?どちらもうまいのだが、肉よりもカシワのほうが甘さ控えめで、そこまで主張が強くないため、うどんとスープに絡み合っている気がするのだ。
そして、親子丼。うどんという炭水化物を食べているのに、そこにさらに米という炭水化物を被せるなと言われそうだが、滅多に来られない店だ。どちらかを選ぶなんて残酷なことはできない。というわけで、2つとも注文する。
まだ資さんに行ったことのない人は、親子丼をぜひ食べてほしい。この店の親子丼は関東風の優しい味わいはなく、米が進むほどに「からい(塩味が濃い)」。濃い味付けの卵と鶏肉を食べて、チェイサーのようにうどんのスープを飲む。脳から変なエキスが出てきたのかと思うほど、頭にクる。
大サイズでなく、おでんにしたワケ
あらかじめ言っておくが、資さんうどんは、全然ヘルシーではない。炭鉱の労働者たちを支えるために、だいたい濃いめの味付けになっている。それを知らずに食べると、結構驚くと思う。というよりも、普通のうどんには戻れなくなる。
さて、うどんと親子丼はどちらも130円程度で大サイズにできるのだが、あえてその選択肢は取らずに、おでんを選んだ。
糖尿病なのに米も小麦も大好きな筆者が、それを我慢してまでおでんを選んだ理由は……。
一体どこの何なんだ?
それは、「資さんでしか食べられないから」である。
大根やたまごなら、どこでだって食べられる。しかし、大事なのは牛すじだ。15年ほど東京に住んでいて思うのだが、「資さんで食べるあの透明な牛すじは、一体どこの何なんだ?」ということである。
プルプルでムチムチの食感……。この牛すじを他店で食べたことがない。東京で見る牛すじといえば、だいたい茶色く煮込まれているものだ。しかし、資さんの牛すじは透明なのだ。毎回「なんで?」と思う。
他店で牛すじを食べるたびにあの牛すじを思い出してしまい、結果的に資さんのおでん欲が高まってしまうのだ。もちろん、値段も安いし、3本とも牛すじでもよかったかもしれない。しかし、それでは中庸がない。
まずは大根で出汁を味わい、たまごで食感を楽しみ、最後にカラシで真っ黄色になった牛すじを頬張る……。それが至高である。これだけ食べればお腹も満たされるだけではなく、脳もシャキッとするが、1時間以内にめちゃくちゃ眠くなる。これが血糖値スパイクか。
やはり、腹一杯おいしいものを食べるのは最高だ。でも、こんなことばかりしていると、教育入院の日が近い。
【今回の摂取カロリー:1563kcal】
<TEXT/千駄木雄大>
【千駄木雄大】
編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。出版社に勤務する傍ら、「ARBAN」や「ギター・マガジン」(リットーミュージック)などで執筆活動中。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)がある
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