“変人名探偵”に“最強の魔術師”…孤高の天才を演じてきたベネディクト・カンバーバッチ、命懸けの夫婦げんか描いたコメディーで新境地

ベネディクト・カンバーバッチ/※2024年ザテレビジョン撮影

“変人名探偵”に“最強の魔術師”…孤高の天才を演じてきたベネディクト・カンバーバッチ、命懸けの夫婦げんか描いたコメディーで新境地

1月19日(月) 12:10

ベネディクト・カンバーバッチ
【写真】おちゃめ過ぎる…!ベネディクト・カンバーバッチがファンサービス

運命的な出会いで結ばれた夫婦が、いつの間にか心がすれ違い、時には憎み合うほどの敵対関係にまで発展していく。「ミート・ザ・ペアレンツ」などを手掛けたコメディー演出の名手として名高いジェイ・ローチ監督が、「哀れなるものたち」を手掛けたトニー・マクナマラの脚本と共に作り上げたロマンティック・コメディー「ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜」が、1月15日に配信された。主人公である料理家のアイビーと建築家のテオを演じているのは、アカデミー賞主演女優賞受賞のオリヴィア・コールマンと、2度のアカデミー賞ノミネート歴を持つベネディクト・カンバーバッチ。今回はテオを演じたカンバーバッチのこれまでの軌跡を振り返ってみる。(以下、出演作のネタバレを含みます)

■俳優一家に生まれた英国の実力派俳優

カンバーバッチは1976年7月19日、イギリス・ロンドンのハマースミスで生まれた。父親のティモシー・カールトンと母親のワンダ・ヴェンサムはどちらも俳優で、2010年からスタートしたBBCのテレビシリーズ「SHERLOCK(シャーロック)」では、カンバーバッチが演じるシャーロック・ホームズの両親役を務め、“親子共演”したのも記憶に新しい。

カンバーバッチは、450年以上の歴史と伝統を持つ名門パブリックスクール“ハロウ校”に進学してから演劇を始めた。大学入学前のギャップイヤー(学外での経験を積むための期間)に、インドのチベット修道院で半年ほど英語の教師をボランティアで行った経験もある。その後マンチェスター大学に進んで演劇を学び、大学卒業後もロンドン音楽演劇アカデミーで演劇を引き続き学び、古典演技の修士号を取得している。

両親が俳優で、名門校で演劇・演技を学んできたことという経歴を見ると、まさに俳優になるために一直線で進んできたように思えるが、身近に“手本”がいたからこそ俳優業の難しさを知り、より安定した職業としてバリスター(法廷弁護士)を目指そうとしていた時期もあったという。

2000年頃からプロの俳優としてのキャリアを歩み始め、舞台に始まり、テレビ、映画へとフィールドを広げた。2004年の「ホーキング」で主人公である天才物理学者のスティーブン・ホーキング博士を演じ、「英国アカデミー賞(BAFTA)」最優秀男優賞にノミネート、「モンテカルロTV映像祭」男優賞を受賞するなど、確かな演技力と大いなる可能性を感じさせた。

そんなカンバーバッチだが、2004年に人生観が変わる大きな出来事に遭遇。ドラマ撮影のために南アフリカ共和国に滞在中、共演者たちとダイビングを楽しんだ後、車がパンクして立ち往生している間に武装した6人の男に襲われ拉致されるという事件が起こった。命の危険もあった緊迫した事件だったが、カンバーバッチは奇跡的に生還。恐怖はトラウマになるほどのものだったろうが、2017年には暴漢に襲われている男性を救出するというヒーローさながらの行動も起こしている。

ベネディクト・カンバーバッチ

■「SHERLOCK」主演に抜てき…ターニングポイントに

2007年に公開された「つぐない」では、「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどでおなじみのキーラ・ナイトレイと共演。ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)などを受賞し、アカデミー賞でも7部門にノミネートされた。

同作でチョコレートで富を築いた男ポール・マーシャルを演じたカンバーバッチは、イギリスの人気ドラマ「ドクター・フー」の制作者でもあるスティーヴン・モファットの目に止まり、「SHERLOCK」の主役に抜てき。当時はまだ知名度もそれほどなかったが、2010年から始まり2017年のシーズン4まで続く人気シリーズに。まさにカンバーバッチにとって最大のターニングポイントとなった。

カンバーバッチ演じるホームズは、自らを“高機能ソシオパス”と称し、圧倒的な頭脳を持ちながらもコミュニケーションに難がある変人名探偵。ある意味、それまでに築き上げられた“シャーロック・ホームズ”のイメージをガラリと覆す、新しいホームズを誕生させると、多くの人たちに受け入れられ、カンバーバッチの名を広く知らしめることとなった。両親と共演を果たしたこともあり、彼にとっても思い入れの強い作品となっている。

「SHERLOCK」での成功で俳優人生が一変。演技、作品の幅がグンと広がっていった。「ホビット思いがけない冒険」(2012年)では巨大な竜“スマウグ”を演じ、「SHERLOCK」でワトソン役だったマーティン・フリーマンと対峙(たいじ)する役で共演。2013年の「スター・トレックイントゥ・ダークネス」ではジョン・ハンソンを演じ、悪役ながらそのクールさとカッコ良さで高い人気を得た。
ベネディクト・カンバーバッチ


■代表作の一つ「ドクター・ストレンジ」との出会い

シャーロック・ホームズ同様、ハマり役となり、代表作にもなっているのが2016年に公開された映画「ドクター・ストレンジ」シリーズだ。天才外科医のスティーヴン・ストレンジが交通事故に遭い、外科医としては致命的となる両手にけがをしてしまう。あらゆる治療法を試し、カトマンズの指導者エンシェント・ワンと巡り合い、過酷な修行を経て魔術師と生まれ変わった。

その後、「マイティ・ソー バトルロイヤル」「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」にもドクター・ストレンジ役で登場し、2022年公開の「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」ではさらにパワーアップした姿で楽しませてくれた。2026年12月18日(金)公開予定の「アベンジャーズ/ドゥームズデイ」でもきっと活躍してくれるだろう。

ホーキング博士に始まり、シャーロック・ホームズやドクター・ストレンジなど、天才・鬼才、孤高のカリスマ、そして性格などに問題のあるクセの強いキャラクターまで作品ごとに見事に演じてきたカンバーバッチ。どんな役にも順応し、その人物になりきる演技力の高さ、そして説得力のある深みのある声など、俳優としていろんな武器を持っている。2022年にはハリウッドの殿堂入りを果たし、「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」にその名が刻まれた。

そんな彼がまた一つ新たな扉を開けたのが1月15日にディズニープラスのスターで見放題独占配信が始まった映画「ローズ家〜崖っぷちの夫婦〜」だった。建築家のテオは、料理家のアイビー(コールマン)と出会った瞬間に恋に落ち、結婚して、ロンドンからアメリカの西海岸へ移住。

仕事のキャリアを積みながら、2人の子どもたちも成長し、パーフェクトな家庭を築いた…はずだったが、ある悪天候の日を境に状況が一転。テオは事業がうまくいかず、逆にアイビーの店は料理評論家のおかげで大繁盛する。いろんな不満が蓄積し、永遠の愛を誓った夫婦に命懸けの夫婦げんかが勃発。カンバーバッチが、ここまでのコメディー作品に挑戦するのはこの作品が初めて。49歳にして新境地を開いている。

「SHERLOCK」や「ドクター・ストレンジ」などのカンバーバッチ出演作が好きな人にも新たな発見がある作品となっている。

◆文=田中隆信




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