1980年代の傑作ハリウッドコメディーをアップデート英国の名優2人が体現する最恐の夫婦げんか<ローズ家>

映画「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」はディズニープラスで見放題独占配信中/(C) 2026 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.

1980年代の傑作ハリウッドコメディーをアップデート英国の名優2人が体現する最恐の夫婦げんか<ローズ家>

1月18日(日) 11:10

映画「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」はディズニープラスで見放題独占配信中
【写真】静かにバチバチ…!関係修復のカウンセリングを受けるアイビー(オリヴィア・コールマン)&テオ(ベネディクト・カンバーバッチ)

オリヴィア・コールマン、ベネディクト・カンバーバッチというイギリス出身で、ハリウッドでも活躍する名優2人がW主演した映画「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」が1月15日に配信された。描かれるのは、盛大なる“夫婦げんか”。笑える部分も共感できる部分もあるが、恐ろしさにも震える物語の魅力をひもとく。(以下、ネタバレを含みます)

■1989年公開のハリウッド映画「ローズ家の戦争」を再映画化

「ローズ家」というタイトルに、映画好きの方は反応されるかもしれない。元となっているのは、1989年に公開されたアメリカ映画「ローズ家の戦争」だ。同作は、1981年発表の同名小説を原作に、マイケル・ダグラスとキャスリーン・ターナーが夫婦役で主演。そしてダニー・デヴィートが夫に雇われる弁護士役で出演しつつ監督も務め、名優たちの力が結集された名作コメディーだ。

コメディーといっても、離婚を巡る夫婦のいざこざで、ブラックユーモアに満ちたもの。クライマックスにかけて、まさに“戦争”といえるぐらいにどんどんエスカレートしていく夫婦のけんかシーンは、今見てもあぜんとしてしまうほど。その衝撃の一方で、夫婦の姿は普遍的なものでもあり、強烈な風刺が効いている。

その名作を、現代版としてアップデートしたのが「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」。主人公夫婦を演じるのは、イギリスの名優である2人。「女王陛下のお気に入り」(2018年)で第91回アカデミー賞主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマンと、BBCのドラマシリーズ「SHERLOCK(シャーロック)」(2010年ほか)で世界的人気となり、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画「ドクター・ストレンジ」(2016年)シリーズなど、ハリウッドでも活躍するベネディクト・カンバーバッチだ。

監督を務めるのは、「オースティン・パワーズ」(1997年)や「ミート・ザ・ペアレンツ」(2001年)などコメディーの名手として知られるジェイ・ローチ。脚本はコールマンが主演した「女王陛下のお気に入り」や「哀れなるものたち」(2023年)でアカデミー賞にノミネートされたトニー・マクナマラと、新たな作品も確かな力を持つ俳優・スタッフによって作り上げられた。

■嵐の夜、ローズ家のパワーバランスが変わる

ロンドンのレストランで電撃的に恋に落ちたシェフのアイビー(コールマン)と建築家のテオ(カンバーバッチ)。結婚した2人はアメリカ西海岸に移り住み、順調なキャリア、かわいい双子の子どもに恵まれ、誰もがうらやむ理想的な夫婦だった。

ところがある嵐の夜、夫婦それぞれのキャリアが一変する出来事が起きる。テオは、設計した海洋博物館が嵐によって崩壊し、SNSで拡散されてしまう。一方、アイビーがテオに勧められて子育てのかたわら営んでいたシーフードレストランでは、著名な料理評論家が料理を気に入った。

一夜の出来事により、テオは仕事を失い、アイビーの店は大人気店に。忙しくなったアイビーの代わりに、テオが子どもたちの面倒を見ることになり、家庭内のパワーバランスが変化していく。
映画「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」キービジュアル


■溝が広がっていくアイビーとテオは離婚へ

夫婦の間に生まれる溝。アイビーが有名人に誘われて自家用機で食事に向かっているとき、テオは娘の髪についたシラミ取りを懸命にしていた。帰宅したアイビーは、テオが丁寧にたたんだばかりの洗濯物を、まるで邪魔というようにドサッと床におろしてソファに座った。

また、ニューヨークに支店を出す話があるアイビーは「誰かが結婚生活のために己を犠牲にしなければ。どっちが?」と、さらりと発言。収入で生活を支えられないテオは沈黙するしかない。

きっと理想的な夫婦と言われていたときからあった、生活の小さな不満、仕事を成功させる喜びや自尊心など、関係が逆転して新たな溝として広がっていくのだ。アイビーが口にした「犠牲」という言葉は、現代人の心にチクっと突き刺さることだろう。

それでも、アイビーは犠牲をテオだけに背負わせなかった。建築家として傑作となる自分たちの家を建てることを提案したのだ。もちろん、資金は店を拡大する自分が持つという条件で。

しかし、その“家”が波乱を呼ぶのである。こだわりを詰め込んだテオの設計は、建設費がかさみ、支払いの額を見たアイビーはあきれてしまう。それでも完成した家で暮らすことで、夫婦仲は修復されるのではないかという希望があったが、埋まらない溝を感じたテオは夫婦関係を終わらせると告げ、離婚の話し合いへと進む。

テオの条件はたった一つ、「家以外は望まない」。だが、アイビーは「NO」を突き付ける。「離婚と家、両方はあげない」というのだ。

■コールマンとカンバーバッチによる見事なイギリス的会話劇

元となった「ローズ家の戦争」でも、夫が購入し、妻が住みよく、インテリアを好みに仕上げた“家”が争点となった。そういった共通点がありつつ、いい意味でハリウッド的な派手さがあった「ローズ家の戦争」に対し、本作では主人公たち、そして主演2人の出身国であるイギリスのウィットや皮肉に彩られた会話がポイントとなる。

冒頭、そしてその後にもあらためて描かれる、カウンセラーの前でお互いの好きな点を10個挙げるアイビーとテオの答え。先に紹介した「結婚生活の犠牲」という会話もそう。ふと変わってしまうお互いの立場から生まれる思いを繊細に映し出した会話劇を、実力派のコールマンとカンバーバッチが見事に成り立たせる。

会話劇では間合いや視線の投げかけ方、ちょっとした表情も大切。それにより共感を呼び起こし、夫婦のあり方を問う痛烈な風刺の言葉の数々が見る者の胸に一段と迫るものとなるのだ。運命的な出会いから最悪な夫婦げんかに至る過程を体現する演技バトルも見応え十分だ。

アップデートと呼ぶにふさわしい現代的要素を反映しながら新たに作り上げられた物語。会話劇だけでなく、本家に劣らず銃まで飛び出すやり合いもあって、ラストはあっと驚く展開が待っている。日本には「夫婦げんかは犬も食わぬ」ということわざがあるが、ローズ家の面白くて切なくて、でも最恐な夫婦げんかの行方は“完食”せずにはいられない…。

「ローズ家~崖っぷちの夫婦~」は、ディズニープラスのスターで見放題独占配信中。

◆文=ザテレビジョンシネマ部




【関連記事】
【写真】オリヴィア・コールマンとベネディクト・カンバーバッチの演技対決
【写真】表情の変化も見事…!ベネディクト・カンバーバッチが新境地開拓
【動画】ド派手な夫婦げんかシーンにピリリと皮肉も…!本編映像
“最強のAI兵士”は人間社会の本当の敵なのか…<トロン:アレス>
ヒョンビンを蹴り飛ばすチョン・ウソンに衝撃…本性むき出しの闘いに視聴者くぎ付け
WEBザテレビジョン

エンタメ 新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ