
『ネンレイズム/開かれた食器棚』(河出書房新社)著者:山崎 ナオコーラ
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◆年齢とは何か、独特の哲学
2篇を収める。中でも年齢について書かれた「ネンレイズム」のほうに心動かされた。
冒頭はこう。
“こんにちは、私は年齢愛好家の村崎紫です。”
年齢愛好家って、何? 村崎紫は「むらさきゆかり」と読む。なんとなく人をくった書き出しだが、山崎ナオコーラの小説は、読者を煙にまくようなことはしない。年齢愛好家の主人公は、高校3年生。おばあさんの格好をして学校にも通う。
何でも年齢を物差しとして扱う世の中に違和感を抱く主人公の周りには、2人、友だちができる。彼らとの交流、編み物教室でのお年寄りとの会話。それらを通して、年齢とは何か、年齢で人を判断するとはどういうことかが、ナオコーラ独特の哲学で記述される。
【書き手】
陣野 俊史
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロージョン』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)など。
【初出メディア】
日本経済新聞 2015年11月5日
【書誌情報】
ネンレイズム/開かれた食器棚
著者:山崎 ナオコーラ
出版社:河出書房新社
装丁:単行本(174ページ)
発売日:2015-10-23
ISBN-10:4309024165
ISBN-13:978-4309024165
