【漫画】本エピソードを読む
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、久世岳さんが描く『毒の箱庭』をピックアップ。
久世岳さんが12月14日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、久世岳さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■国王を殺害した“毒”
ある時、国王が生物学者・エルダーによって殺害される。原因は何かしらの毒物による中毒とのことだったが、何の毒なのかまでは判明していなかった。
主人公は、毒の正体を突き止め、わかり次第殺せという命令のもと、エルダーが幽閉されている北の修道院へ向う。修道院の話によると、監視を任されていた修道士も先月死んだと言う。
毒を研究しているエルダーは、主人公の前で毒についてとうとうと語る。さらに研究対象である“ヨダカエイ”の毒のあるしっぽの針を自らの首にさすなどし、余裕のある態度をしめす。
国王を殺害した毒はこの部屋にあるというエルダーは、首にさした“ヨダカエイ”の毒の影響か、突然よろけ倒れそうになる。咄嗟に手を差し伸べた主人公だったが、
「触ってはダメだ」
とエルダーに手を振り払われる。そして、エルダーは国王を殺害した毒の正体を告白するのだった…。
作品を読んだ読者からは、「完結するまで待ち続け、見守り続けたい二人です…!」「この作品は神ですか?」「まるで毒のように刺激的かつ甘美でした」など、反響の声が多く寄せられている。
■作者・久世岳さん「読み手なくしては漫画は成り立たない」
――『毒の箱庭』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
軽い読み口のコメディ作品や現代ものの群像劇を連載させていただいている中で、気分転換に違う系統のものを描いてみようと思ったのがきっかけです。
2016年から「習作」という形でショートタイプの耽美系ダークファンタジー作品をいくつか描いてX(当時Twitter)にて発表をしていたのですが、その頃からご覧いただいている方には少し懐かしい雰囲気を感じ取っていただけるかもしれません。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
登場人物の造形や表情ありきのストーリー展開を意識して作っているので、顔や体の目立つパーツの作画については気を付けて制作しています。
ストーリーに関しては、作品上で公開する設定に情報を詰め込みすぎないよう意識しています。
具体的には、考えてあってもストーリー上見せる必要がなければ描写を削ることです。
普段ファンタジージャンルを読み慣れていない方でも置いてきぼりにならずストレスなく読めるようなすっきりした構造が作れればいいなと模索しています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
こだわった部分でいうと、毒の正体がわかる終盤シーンのスピード感から最終2ページで急に時が止まったように感じてもらえるよう緩急を意識しました。
真冬、修道院の地下牢に流れる冷たく静かな気まずい空気感に少しでも共感していただけたら本望です。
――「めっちゃ続きが読みたい!」や「続きをください」といった、本作の続編を希望する声も多く寄せられていましたが、続編を描かれるご予定はありますか?
ファンタジーならではの壮大な冒険譚などではなく、この二人の関係性にフォーカスしたお話になるのですが、続きや結末についてはかなり明確に構想があります。
ただ、どこまで発表できるかは完全に未定です。
人と人との関わり合いの部分を閉鎖的かつ濃厚に描きたいというつもりで始めておりますがそれにはどうしても派手さがないので、どこまでエンタメとして楽しんでいただけるのかという懸念があります。
バランスがとれるなら熱量を割いて制作したいと思う反面、いわゆる需要がないと判断した場合はこのまま読み切りとして終わらせておくのも良いかとも思っております。
――『うらみちお兄さん』や『ニラメッコ』など、連載中の作品も多く描かれている久世岳さんですが、漫画を描く際に大切にしていることや意識していることはありますか?
デビュー当時から一番に考えていることは、読み手なくしては漫画は成り立たないということです。
読みやすさはもちろん、楽しんでいただけるか、セリフのどの部分を削ったり入れ替えたりすればより激しく人の心を動かせるかなどを常に意識しています。
複雑な理屈や思想を伝えるより、描き込んだ絵に感心してもらうより、それ以前にとにかく飽きずに次のページをめくってもらえることが私にとっては何よりの優先事項です。
考えているというだけでそれをクリアできているかどうかは読者の方の感じ方次第なので、漫画家を続けていく限り永遠の課題であると思います。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
いつも私の作品をご覧くださる方々、SNSやお手紙を通して応援の言葉をかけてくださる方々に日々励まされています。ありがとうございます。
今後とも色々な作品をお届けしていければと思いますのでどうぞお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
【関連記事】
・
【漫画】本エピソードを読む
・
【漫画】着ぐるみの"中の人”問題は想像以上にシビアだった…食い下がる子供とのバトルに「わざわざ言っちゃ駄目」「好きすぎてたまらんです」の声
・
“普通”がわからない…知的障害を持つ女性の恋愛漫画、作者の経験と学びを反映「自分を愛さなくていいから許してあげて」
・
【漫画】無愛想な幼馴染からいきなりプロポーズされたら…?“職人×ギャル”の異色のラブコメが「尊すぎる!」と話題
・
【漫画】マッドサイエンティストかと思いきや…。見た目と優しさのギャップがすごい1コマ漫画が「泣ける」「優しい世界」と話題