【おせち料理】酒三昧の正月。定番のおともは、地元イタリアンの「お正月用オードブル」:パリッコ『今週のハマりめし』第220回

ねんこまんまに42円からあげをオン

【おせち料理】酒三昧の正月。定番のおともは、地元イタリアンの「お正月用オードブル」:パリッコ『今週のハマりめし』第220回

1月9日(金) 11:40

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ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。

それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。

そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。



***

家の近所にある「石神井公園」は僕の定番散歩スポットだ。昨年の元日も早朝に散歩をしていたら、広い公園の東側、三宝寺池のほとりのあるエリアに人だかりができていた。どうやら初日の出が昇るのを待っている人々らしく、地元にもそういうカルチャーがあることを初めて知った。

そこで今年は、狙ってそのイベントに参加してみることにした。元日の日の出時間が6時50分ほどとのことだったので、目覚ましをかけて起き、その少し前に現地に行ってみる。すると、少しずつ明るくなりはじめた空はあいにく暑い雲で覆われていた。これはさすがに無理かな、と思っていたが、根気強く待つ人々たちに混ざってしばらくその場にいると、7時過ぎ、なんと徐々に雲の切れ間ができはじめ、空が力強く輝きはじめた。

来るか!?

来るか!?





やがてそこに今年最初の朝日が見事に昇る。周囲の人々もみな感激している。僕もたっぷりとその光を浴びて、なんだか心身が清められたようだ。いい年始になった。

さぁ、あとは今日はもう、「爆笑ヒットパレード」を見ながら、おせちをつまみにひたすら酒を飲むだけだ!

練馬区の初日の出

練馬区の初日の出





ところで、「おせち料理」ほど家庭ごとにスタイルが違う食べものも、なかなかないんじゃないだろうか。きちんと自作する人もいれば、帰省する実家にすべておまかせという人もいれば、毎年決まったものを注文するという人もいる。近年は、1品ごとに好きなものを買える「ローソンストア100」の100円おせちなんてのもあるし、逆におせちにこだわらず、ひたすら好きなものを食べて過ごす人もいるだろう。

我が家はといえば、長年にわたり試行錯誤を続けているのが現状。せっかくの三ヶ日、おせちを用意してそのおめでたい雰囲気込みで楽しみたい。デパートからカタログをもらってきて、これぞというものを選んでいた数年間もあったものの、あれはかなり早い時期に注文しておかないと、人気の順に在庫がどんどんなくなってゆく。そのプレッシャーがけっこうなものに加え、3人家族用で2~3万円してしまうのは当たり前で、かなりの出費になる。ならばその金額で好きなものをと、めちゃくちゃ良いタラバガニをどかんと注文した年の満足度は高かったけど、毎年それというのもな......。というような、はっきりしない状態が続いていたというわけだ。

が、珍しく昨年、今年と連続で注文した一品がある。それが、地元・大泉学園駅前を歩いていて偶然見つけた、イタリアン「エノテカ・リオーネ」の「お正月用オードブル」だ。写真を見るとなかなかに豪華で、しかもイタリアンのオードブル盛り合わせだから、栗きんとんとか煮豆とか、白状してしまえば僕的にはあまり必要のないおかずが一切なく、どれも酒のつまみに良さそう。そこで昨年のおせち、というか"おせちがわり"の料理は、リオーネのオードブルにしてみたところ、これが大当たりだった。

では、今年のオードブルセットを見ていただこう。

どーん!

どーん!





内容はこちら。

・牡蠣のオイル煮

・ピクルス

・田舎風テリーヌ

・鶏もも肉のガランティーヌ

・鴨の燻製

・イタリア風オムレツ

・鶏レバーパテ

・ローストビーフ

・イタリア風ライスコロッケ

・ソフトシェルシュリンプのロースト

小粋な料理たち

小粋な料理たち





注文したのは3人前。見ての通りの存在感で税込10,500円と、こういうジャンルにしてはかなりお手頃だ。ちなみに5人前17,000円のバリエーションもあり。

センターはテリーヌ

センターはテリーヌ



主役級の肉料理ゾーン

主役級の肉料理ゾーン



海の幸

海の幸







プレート上のどこを見てもわくわくするこのひと皿。昨年も大満足だったが、やっぱりテンションが上がるな。

では始めます!

では始めます!





味のほうは、さすが地元で長年愛される大衆イタリアンだけあり、どれを食べてもプロの技に感嘆したくなる美味しさ。同時にどこかほっとする味わいで、食べ疲れしないのがとてもいい。

中央にどかっといるのがテリーヌで、これがひとつでもかなりのボリューム。ちびちびと崩しながら食べつつ、あっちにもこっちにもと手を伸ばす。ローストビーフや鴨、それから初めて聞くガランティーヌ(鶏肉などに詰めものをして成形し、火を通した料理のことらしい)などの肉料理はさすがの食べごたえだし、ライスコロッケやオムレツなどの料理も、和食とは違う小粋な味つけに嬉しくなる。牡蠣や海老がうまいのは当然だし、ピクルスの爽やかな酸味と食感もいいし......まぁつまり、どこを食べても美味しくて幸せな正月だということにつきる。

オムレツにガランティーヌ

オムレツにガランティーヌ



ライスコロッケ

ライスコロッケ



バゲットつきが嬉しい

バゲットつきが嬉しい



牡蠣、たまらん......

牡蠣、たまらん......





個人的に特に気に入ったのが鶏レバーパテ。どの料理もうまいので、ついてきたバゲットは早々になくなってしまい、後半はパテを皿にとってマスタードを添え、箸でほんの少しずつそのままつまんで食べていた。すると、口に広がるまったり濃厚な食感と旨味、そこに加わるマスタードのプチプチ食感と酸味の相性がたまらない。ほんのひとなめで酒がぐいぐいいける、イタリアン珍味だ。

レバーパテ

レバーパテ





値段も量も我が家にはちょうどよく、妻が用意してくれていた雑煮や煮しめと合わせて食べつつ、だいたい2日の午後くらいまでですべてを食べきれてしまうくらいのバランス。おかげで今年も、良い年始を過ごさせてもらうことができた。

遠方の方にわざわざ「大泉学園まで買いにきて!」とお願いすることもないかもしれないけれど、みなさんの地元にも、飲食店オリジナルのおせちや、オードブルセットがあったりするかもしれない。個人的にはぜひともおすすめしたい、新年の料理の選択肢だ。

取材・文・撮影/パリッコ

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