1月9日午後9時から、日本テレビ系「金曜ロードショー」にて「かぐや姫の物語」が放送されます。
同作は、スタジオジブリの高畑勲監督が、日本最古の物語とされる「竹取物語」を題材に、制作期間8年、総製作費50億円かけて完成させた長編作品(2013年公開)。「ホーホケキョ となりの山田くん」以来、約14年ぶりの長編監督作で、2018年に死去した高畑監督の遺作となりました。
同作のあらすじ、主な出演声優とあわせて、「かぐや姫の物語」をより楽しむためのトリビアを紹介します。
【あらすじ】
昔々あるところで、光り輝く竹を見つけた翁が竹を切ると、中から小さく美しい姫君が現れた。姫を家に連れ帰った翁は、媼とともに彼女を育てる。姫は近所の子どもたちと一緒に野山を駆け回る元気な少女へと成長するが、やがて一家は都に移住。翁は姫を「高貴な姫君」とするための教育を受けさせるが、姫は自分らしく自由に振る舞っていた。やがて「なよ竹のかぐや姫」の名を与えられた姫の成人の儀と披露の宴が催されるが、都の窮屈な生活と欲にまみれた貴族の男たちに嫌気がさした彼女は、宴席から逃げ出し、故郷の山へ向かって一目散に走っていく。
【主な声の出演】
主人公・かぐや姫役の声優は、映画「神様のカルテ」やNHK連続テレビ小説「てっぱん」などに出演した朝倉あきさんが担当。12年に他界した地井武男さんが、作画完成前に声を録音するプレスコ方式で生前に収録をすませていて、翁役を務めました。映画完成直前の13年夏に一部のセリフの変更や息づかいの声の調整を行うためにあらためて収録が行われ、その際には、地井さんの一部代役として三宅裕司さんが翁の声を担当しました。
かぐや姫:朝倉あき
捨丸:高良健吾
翁:地井武男、三宅裕司
媼:宮本信子
相模:高畑淳子
女童:田畑智子
斎部秋田:立川志の輔
石作皇子:上川隆也
阿部右大臣:伊集院光
大伴大納言:宇崎竜童
石上中納言:古城環
御門:中村七之助
車持皇子:橋爪功
北の方:朝丘雪路
炭焼きの老人:仲代達矢
【「風立ちぬ」と同時公開予定だった「かぐや姫の物語」】
「かぐや姫の物語」は当初、2013年夏に宮﨑駿監督の「風立ちぬ」と同時公開が予定されていました。1988年の「となりのトトロ」「火垂るの墓」2本立て公開を思わせる、高畑・宮﨑両監督作品の同日公開は鈴木敏夫プロデューサーの発案だったそうです。
しかし、2013年に入っても絵がなかなか完成しない「かぐや姫の物語」の制作状況を鑑み、13年2月に公開が秋に延期されることが発表され、最終的に「風立ちぬ」は13年7月20日、「かぐや姫の物語」は11月23日に封切られました。
【実感のあるキャラクター×「抜いた絵」の美術で表現】
「かぐや姫の物語」では、高畑監督の前作「ホーホケキョとなりの山田くん」で挑戦された水彩画のような絵を動かす映像表現がさらに推し進められました。高畑監督は、人物造形・作画設計の田辺修氏に「実感のあるキャラクター」、美術(美術監督)の男鹿和雄氏にあえて余白を残した「抜いた絵」を描くよう求め、スタッフのこだわりを最大限生かすよう心がけたそうです。
作画として制作初期から参加した安藤雅司氏(「千と千尋の神隠し」作画監督など)は、同作の作業を通して、「アニメが絵によって成り立っているということ、何かを表現するということがそもそも絵であることを改めて実感させられた」と振り返っています。
高畑監督やスタッフのこだわりを実現させるため、作品を管理する側は大変な苦労を強いられました。同作のプロデューサーである西村義明氏(当時スタジオジブリ所属。現・スタジオポノック代表)は、プロデューサー見習いとしてスタジオジブリに在籍していた川上量生氏の対談で、「いつも辞めたいと思っていました、月一回ぐらいですけどね(笑)」と語っています。西村プロデューサーの大変な苦労ぶりの一端は、制作の様子を記録したドキュメンタリー「高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。~ジブリ第7スタジオ、933日の伝説~」(撮影・構成:寺越陽子)で見ることができます。
参考文献
「スタジオジブリ物語」(鈴木敏夫・責任編集/集英社新書)
「ジブリの教科書19かぐや姫の物語」(文春ジブリ文庫)
「ロマンアルバムエクストラかぐや姫の物語」(徳間書店)
【作品情報】
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かぐや姫の物語
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