12月31日(水) 4:40
現行の所得税に関する「年収の壁」は、2025年度税制改正により最大160万円に引き上げられました。
国税庁によれば、これは、年収200万3999円以下の給与所得者に基礎控除が最大95万円(58万円+基礎控除の上乗せ特例37万円)、給与所得控除の最低保障額が65万円として、合計160万円まで非課税となる仕組みです。この改正は、従来の103万円の壁を緩和し、物価高対策としてパート労働者の就労意欲を高める狙いがあるといわれています。
一方、住民税における年収の壁については、今回の税制改正により、100万円から110万円に引き上げられましたが、2025年12月現在、社会保険における年収の壁(106万円・130万円)は変わっていません。
これにより、年収160万円以下なら所得税は非課税となりますが、それを超えると税率がかかり始めます。
2025年12月19日、政府は2026年度税制改正大綱を決定し、「年収の壁」を現行の160万円から178万円へ引き上げるなどの内容が盛り込まれました。これは、昨年の3党合意(自民・公明・国民民主)で「178万円を目指す」と定めた方針を実現するものです。
具体的には、最大の基礎控除が適用される対象が年収200万円以下から年収665万円以下まで拡大され、消費者物価指数(CPI)の伸びに連動して給与所得控除と基礎控除を2年に1回のペースで引き上げる方針ということです。働く納税者の約8割が対象となり、低所得層だけでなく中間層にも恩恵が及ぶ見通しです。
個別の状況によって変動する場合がありますが、試算によれば、年間減税額は改正前と比べて、年収200万円では約1万円、年収500万円で約2万8000円、年収600万円で約3万7000円の減税効果が見込まれます。
ただし、現時点で社会保険の壁(106万円・130万円)は変わりません。「178万円の壁」という言葉を聞いて誤解しないように気をつけましょう。
企業側も給与計算システムの更新を迫られますが、年収の壁引き上げは従業員のモチベーション向上にもつながると考えられます。自身の年収をシミュレーションし、減税見込額を確認してみましょう。
年収の壁は、2025年度の税制改正で「160万円」まで所得税が非課税となりましたが、今後は「178万円」への引き上げが正式に合意され、さらなる減税が見込まれています。特に年収200万円~600万円台の層では、数万円規模の税負担軽減となるケースがある点が特徴です。
一方で、現状社会保険の壁(106万円・130万円)は変わらないため、「税金」と「社会保険」を分けて考えることが重要です。最新制度を正しく理解し、自分の働き方や年収ラインを見直すことが、手取りを最大化する近道といえるでしょう。
国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)(2ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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