レトロ遺産を掘り返す山下メロ氏
記憶の扉のドアボーイ・
山下メロ
です。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、ボードゲームやカードゲームは愛好家も多く、今では巨大マーケットとなっています。その中にテレビ番組のカードゲームが存在するのをご存じでしょうか。
昭和から平成初期までは視聴者参加の『痛快なりゆき番組風雲!たけし城』や、ニューヨークを目指すクイズバトル『アメリカ横断ウルトラクイズ』など大がかりな番組が多くありました。これらは「自分も参加してみたい」という疑似体験の需要が大きく、ボードゲームやビデオゲームなどで商品化されました。
ほかにも芸能人がパネラーのクイズ『マジカル頭脳パワー!!』などが次々ボードゲーム化されていったのです。
『ボキャブラ天国』のカードゲーム。視聴者投稿のネタがカルタになっている
『伊東家の食卓』に関するカードゲーム2種。「伊東家トランプ」と「伊東家UNO」
では、カードゲームはどうでしょう。ボードゲームに比べると盤面がないため持ち運びやすく、電車などでも気軽に楽しめます。しかもクイズ番組よりバラエティ番組のものが多く見つかるのです。
例えば平成初期、ダジャレネタの投稿番組として始まった『ボキャブラ天国』は、番組内で取り上げたネタを元にした、カルタのようなカードゲームを発売。ある意味、数々のネタを追体験できる資料としても機能するものでした。
そして、日常の便利なテクニック、おばあちゃんの知恵袋的なものを「裏ワザ」と呼んで人気となった『伊東家の食卓』。こちらはトランプやUNOを発売。番組で紹介した独自のトランプやUNOの遊び方が楽しめる解説がついています。
ほかにも恋愛バラエティ番組では『あいのり』のカードゲームが発売されたり、『恋するハニカミ!』のプランカードがゲームセンターの景品になったりしました。
『あいのり』のカードゲーム
プライズ(景品)である『恋するハニカミ!』のプランカードセット
カードゲームにする場合、コンパクトな半面、忠実に番組内容を再現して疑似体験させるといった力業が使えません。そのため、いかに世界観をカードのデザインと、その遊び方に落とし込むかといったセンスが問われます。そんなカードゲームの苦労を含め、今こそ改めて遊んでいただきたいと思います。
撮影/榊 智朗
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