年末年始は、親戚や友人との再会や家族の恒例行事が重なる一方で、思わぬトラブルに直面する人もいる。楽しいはずの長期休暇が、忘れ難い思い出となったケースも少なくない。
親戚一同での年越しが一転…インフルエンザが猛威をふるう
藤川さやかさん(仮名・20代)は昨年の年末、毎年恒例の親戚での年越しに参加した。大人と子どもが二十数人も集まることから、いつもなら賑やかなはずだった。しかし、玄関に入った瞬間から様子がおかしかったという。
いとこの子どもが明らかにぐったりしており、病院に連れていくと、検査の結果はインフルエンザA型。そこから一気に体調不良が連鎖した。
「初日の夜には何人も熱を出して、翌朝はうちの子どもたちまで具合が悪くなりました」
寝室はすぐに埋まり、発熱していない“元気な側”は13人。普段は笑い声が響くはずだが、足音すら気を遣うほどの空気になっていた。
大雪で外にも出られず、身動きの取れない年越しに
追い打ちをかけたのは大雪だった。夜のうちに一気に積もり、車も出せず道路も真っ白。雪かきも追いつかず、全員が家にこもるしかなかった。
体調不良の人たちは寝室へ、元気な13人は狭いリビングに集まることになったそうだ。椅子は足りず、ソファに座れるのは数人だけだった。
「誰かが立つと、全員が少しずつ体勢をずらすんです。別室から咳やうめき声が聞こえてきて、変な緊張感がありました」
窓を開ければ冷気が流れ込み、閉めれば室温が上がって息苦しい状態。換気もうまくいかず、時間が経つほど居心地が悪くなったという。
そして、そのまま大晦日を迎え、多くの大人が床に座ってカウントダウンを待つことになった。
「年末特番を見ていても、番組の明るさとその場の空気がかみ合っていませんでした」
数日後、雪が落ち着いてようやく帰宅したのだが、直後に藤川さんも発熱しインフルエンザを発症した。
「あのリビングで絶対にうつったなって思いました」
こうして藤川さんの年末年始は、外に出られずリビングで密集して過ごす、忘れようにも忘れられない思い出になった。
6人の忘年会がまさかの“2人だけ”に
高橋直樹さん(仮名・40代)は、2年前の年末を「人生で一番さみしかった」と振り返る。実家には泊まらず、近所のビジネスホテルを1週間予約しての帰省だった。
「1週間のホテル暮らしって、ちょっとワクワクするじゃないですか。小学校からの友人6人で集まる忘年会も楽しみでした」
しかし、その予定は数日前から急速に崩れはじめたという。
「友人から『熱が出た』『インフル陽性だった』という連絡が続いたんです。6人中4人がダウンしました」
高橋さん含め、残された2人で急遽ほかの友人に声をかけたが、誰とも予定が合わなかった。予約していた店の変更も間に合わず、“6人で楽しむはずの忘年会”は“2人だけ”で行うことになった。
案の定、人数分の料理が次々と運ばれてきたのだとか。
「2人じゃ到底食べきれないんですよ。料理は冷めていくし、会話も続かないし……。あんな虚しい忘年会は初めてでした」
さらに、高橋さんを打ちのめしたのは会計だった。同行した友人は家族持ちのお小遣い制で、欠席者分まで負担させるのは気が引けた高橋さんは、“5人分”を支払った。
「一瞬で財布が軽くなりました。あの日のレシートは今でも忘れません」
ホテルで迎えた孤独な元旦
また、恒例だった登山初詣も中止となり、高橋さんは大晦日をひとりで過ごすことになった。狭いホテルの部屋でアニメや映画をみて時間をつぶしたという。
翌朝の元旦。世間がお祝いムードの中、高橋さんが食べたのはコンビニ弁当とホテルの朝食だけだったそうだ。
「誰とも話さず、ただただ天井を見上げていましたね。“正月ってこんなに静かなんだ”と思いました」
唯一の救いは、友人の子どもに配る予定だった“お年玉”が浮いたことだけだ。
「本当に、人生で一番さみしい年末年始でした」
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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