「回転率を上げたいのが見え見え」一部で進む“スタバ離れ”。ドトール、コメダ、タリーズは王者の牙城を崩せるか――年末年始ベスト

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「回転率を上げたいのが見え見え」一部で進む“スタバ離れ”。ドトール、コメダ、タリーズは王者の牙城を崩せるか――年末年始ベスト

12月30日(火) 15:42

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値上がりが止まらないコメ価格に、各家庭の台所事情がますます苦しめられている昨今。

家計見直しのやり玉に真っ先に挙げるのは、もっぱら外食費や嗜好品から……がセオリーですが、「コーヒーだけは必要経費」なんて方も少なくないでしょう。

しかし、コーヒー豆の世界的な値上がりも終わりが見えません。そうしたなか、われわれは今、どこでコーヒーを飲むのが賢い選択になるのでしょうか。そこで、本記事では国内カフェチェーンの上位4社の特徴を深掘りしていきたいと思います。

国内4強は「スタバ、ドトール、コメダ、タリーズ」

日本におけるカフェチェーン上位4社とは、スターバックスコーヒー(2000店弱)、ドトールコーヒーショップ(1100店弱)、コメダ珈琲店(約1000店)、タリーズコーヒー(800店強)のこと。

この4社は47都道府県制覇を達成したことがそれぞれあり*、5位以下を大きく引き離しています。

*2025年現在ドトールのみ空白県(滋賀)を有するが、かつては出店していた。

開業年では、コメダが60年代、ドトールが80年代であるのに対し、外資系のスタバとタリーズの日本上陸は90年代のこと。スタバは後発組にもかかわらず、ダントツの店舗数を誇っています。

歴史は古いながらもローカルチェーンの時代が長かったコメダですが、この10年で店舗数はなんと倍にまで急増。カフェ業界のシェアは大きく塗り変えられることとなりました。

「高単価×高回転率」で好立地を抑えるスタバ

スターバックスは1996年に銀座で1号店を構えました。当時は男性の喫煙率が6割を超えていた時代。喫茶店と言えばタバコを吸う場所でしたが、スタバは禁煙方針を貫き、女性客の支持を得ました。国内1号店では当初喫煙席を設置したものの、撤回。喫煙できるのは一部店舗のテラス席に限られます。当時としてはお洒落で居心地の良い空間が評価されました。そのうえ、新宿や梅田など駅ナカや駅チカの1等地に出店することで、店舗とロゴ自体が宣伝効果を発揮し、急速に認知度を高めました。現在では約2000店舗を展開しています。

賃料はかなり高いのですが、高単価のフラペチーノ類で回収。テイクアウト客を含めると回転率は非常に高いため、利益をあげることができます。対するドトールは、低価格であるため、スタバと比較すると立地にはやや劣ります。

フラペチーノは新作が出るたびに話題となり、行列もできるため、今のところは商業的に成功していると言えます。しかし、昨今で気になるのは席の間隔の狭さや、あえて座り心地を悪くしたと思われる席の存在です。「サードプレイス」を標榜していますが、回転率を上げたいのが見え見え。全体としては依然好調なものの、日本生産性本部が実施する顧客満足度調査では、コメダやドトールを下回る年もあり、一部の消費者の間ではスタバ離れも進んでいます。

国内初のセルフ式チェーン「ドトール」

ドトールコーヒーショップは1980年に原宿で1号店を出店しました。当時は喫茶店全盛期の時代。全国には軽食を揃える個人経営の喫茶店ばかりが開店していました。こうした喫茶店は注文や配膳を店員が行う「フルサービス型」でしたが、ドトールはセルフ式で店舗を展開しました。セルフ式にする代わりに、コーヒー1杯の価格は相場の半分(150円)に設定し、安さを売りに全国に展開しました。90年代からはFC展開を加速。現在では店舗数が横ばいに推移していますが、約1070店舗と業界2位の座を維持しています。

現在ではブレンドコーヒー(M)を1杯330円で提供しており、他のコーヒーチェーンと比較して低価格帯です。スタバを意識しているのか、ラテ類も充実。トーストやミラノサンドなどを提供し、4社の中で非スイーツのパン類が多い点も特徴です。席同士が近く狭い店舗が多いのですが、消費者からは敷居が低く入りやすいという評価を得ています。

ロードサイドで勢力を拡大した「コメダ」

コメダ珈琲店は1968年に1号店を出店しました。当初は名古屋で勢力を拡大。自動車文化の名古屋に合わせ、ロードサイドで展開しました。関東、関西への出店は意外と遅く、2003年以降に進出しています。名古屋以外でもロードサイドに出店しているため、店舗数が多い割に駅前繁華街などで見かけることは少ないです。現在では約1000店舗と業界3位に位置しています。ほぼFC店で運営しています。他社がセルフ式であるのに対し、コメダは昔ながらのフルサービス型店舗です。

コメダはコーヒー類が充実しており、ホットコーヒーは通常のブレンドのほか、アメリカンやコメ黒、ウインナーコーヒーなどを提供しています。フードも甘いメニューだけでなく、揚げ物やスパゲッティなどジャンルの幅が広いのも特徴です。SNSでも話題になるように、フードの盛りの良さは別格。シロノワールは代表的な商品の一つです。サンドイッチやカツパン、唐揚げやヒレカツなど、重めのジャンキーメニューが多いのも特徴です。客単価は800~900円台程度と推測されています。他社の1.5倍強で収益率も高いため、居心地の良い席を展開できるのです。

バランスの良い「タリーズ」

タリーズはスタバ進出の翌年、97年に1号店を構えました。当初はスタバよりも目立たない二番通りなどに店舗を構え、成長ペースで出遅れました。しかし、2006年に伊藤園の傘下に入ってからは出店ペースを加速、現在では約800店舗を展開しています。伊藤園が生産するタリーズ飲料はコンビニでも見かける人気商品です。屋外ではスタバの好立地が目立ちますが、タリーズは近年、郊外や駅ナカでの出店を強化しています。

コーヒーの価格はスタバと同じですが、味ではタリーズを評価する意見が多くみられます。カフェ利用ならタリーズ、甘いドリンク目当てならスタバといったところでしょうか。フラペチーノを意識したスワークルも提供しています。他社と比較するとフードメニューが充実しており、パスタやホットドッグ、ドーナツやサンドイッチを提供しています。食事目的で訪れる客も多いです。スタバほど一等地にこだわっていないため、ゆとりのある席も多く、居心地の良さも一定の評価を得ています。以前は駅中への出店を強化していましたが、近年では病院内出店を強化し、「穴場」を狙っています。

大手でも安泰ではない

90~2000年代に勢力を拡大した各社ですが、近年では伸びが鈍化しています。各社とも店舗数を拡大していますが、年間100店舗ペースのスタバが比較的ハイペースで、今年中に2000店舗を達成する見込みです。中四国および東北では店舗数が数店舗しかない県もあり、ドライブスルーを併設したロードサイド店で攻勢をかけています。

しかし、スタバも2010年代以降、都市部の店舗では質の低下を嘆く意見も聞かれるようになりました。前述の座りにくい椅子の設置に加え、カフェ時間帯は非常に混雑しています。モバイルオーダーを導入していますが、一方でレジ利用の客による行列ができ、サードプレイスどころか行列を観に行く感覚です。価格の分の価値を提供できておらず、米中ではスタバ離れが進行しました。今のところ好調の国内も、今後は同じ道を歩むかもしれません。

国内の人口は減少し、市場は停滞しています。一極集中やインバウンドの増加で主要駅周辺の店舗は堅調ですが、郊外や地方は苦戦することになるでしょう。そのうえ、輸入コーヒー豆の価格が高騰して利益は圧迫。値上げして質を高めるか、安売りで勝負し続けるのかーー各社は厳しい選択を迫られるでしょう。

<TEXT/山口伸>

【山口伸】
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。Twitter:@shin_yamaguchi_

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