10歳年上のマサトと結婚したマミ。職場の人間関係に悩み、仕事を辞めたマミに、マサトは「俺がちゃんとした奥さんにしてあげる」とプロポーズ。しかしマミの両親は結婚に猛反対。2人は反対を押し切って強引に結婚。
娘・アミが誕生すると、マサトは独断で名前を決め、娘に「ママみたいになるな」と間接的にマミを見下すように。さらには、マミの実家を嫌い、マミの両親の施しに対して「迷惑。お前の親は他人」と切り捨てます。
その後、マサトは外で働くことにトラウマがあるマミに「パートに出て月15万円稼げ」と命令。マミが夕食に総菜を使うと激昂。娘のわがままを許すと激昂……。何かにつけて母親失格と罵倒され、マミはマサトに怯えながら生活するようになっていきました。
ある日、マサトの児童手当の使い込みが発覚。開き直るマサトに怒りを覚えたマミは、母にすべてを話し、ついに離婚を決意。そして迎えた決戦の朝。離婚を切り出したマミを嘲笑うマサトのもとへ、マミの母と、マサトが通い詰めていたお店のボーイが現れます。
なんとマサトにはお店への未払い金があったのです。代金を請求され、顔を引きつらせるマサトに母は「逃げられないように全部書面にする」と宣言し……?
私は私らしく……!
「ふざけんなよ……お前が余計なこと言ったんだろ!」
私の母とお店のボーイさんに詰め寄られ、マサトは怒りの矛先を私に向けてきました。
でも、もう私は怯みません……!
マサトさんは「金なら払う! だからこの話は終わりだ!」と体裁を取り繕おうとしますが、お母さんは「口約束ではなく、支払いも離婚条件もすべて書面にします」と逃げ道を塞ぎます。
「お前ら、脅してんのか!?」
逆上するマサトさんに対し、マミさんは「脅してないよ。お店はお金を、私は関係を、精算してって言ってるだけ」と淡々と告げます。
追い詰められたマサトさんは、最後にアミちゃんを盾にして、「アミは置いていけ。お前は母親失格なんだ!」と叫びました。
「アミを道具にしないで!」
怒りをあらわにして反論するマミさん。お母さんに促され、そのままアミちゃんを連れて家を出ようとします。
「待て! 俺に恥をかかせる気か!?」
最後まで自分の保身しか考えないマサトさんに、マミさんは背中越しに「さようなら」と最後にひと言。
数年後、小学生になったアミちゃんと笑い合うマミさん。そこには、誰の顔色もうかがわず、自分らしく生きる幸せな親子の姿があったのでした。
◇ ◇ ◇
「俺に恥をかかせる気か」というマサトさんの最後のセリフ。この期に及んでも自分のプライドしか守ろうとしない彼の本性が凝縮されていたように思えますね。アミちゃんを「道具」として扱おうとした瞬間のマミさんの怒りは、母としての強さそのものでした。
離婚から数年後、7歳になったアミちゃんにマミさんが「靴はどうするんだっけ?」と言っていましたが、かつてマミさんは急いでいて靴を揃えなかっただけで、マサトさんに人格まで否定されていました。つらく苦しい地獄のような日々を経験したマミさんが今、アミちゃんとの自由で、幸せな人生を送れていて本当によかったです。誰かの顔色をうかがって息苦しい生活を送る必要なんてありません。自分らしく笑える場所が必ずあるということを、忘れずに、心を大切に生きていきたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター ゆる山まげよ
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