父が「退職金1000万円」を“NISAで運用したい”とのこと。投資は“60歳からでも遅くない”ですか?「年利3%×10年」の複利効果を検証!

父が「退職金1000万円」を“NISAで運用したい”とのこと。投資は“60歳からでも遅くない”ですか?「年利3%×10年」の複利効果を検証!

12月30日(火) 4:30

定年となり仕事を退職した人の中には、退職金と貯蓄、年金だけで老後生活を賄えるのか不安な人もいるのではないでしょうか。資産を少しでも増やすため、退職金をNISAで運用し、複利効果を狙おうと考える人もいるかもしれません。 本記事では、NISAの複利効果や1000万円を年利3%で10年間運用した場合を例に、どのくらい利益を得られるのかなどを解説します。

NISAの「複利効果」は「長期投資」のメリットの1つ

NISAで資産形成を行うメリットは、「長期投資」「積立投資」「分散投資」であるといわれています。掲題にある複利効果とは、長期投資によるメリットの1つで、運用益を再投資することで利益が増幅していく効果です。
 
金融庁の「つみたてシミュレーター」を用いて「毎月1万円・年間利回り3%」で試算した場合、10年では運用資産額139万円で、原資の120万円を除いた差益は19万円となります。一方、20年では運用資産額327万円で、原資の240万円を除いた差益は87万円で、倍以上の差になりました。
 
つまり、同じ金額・利回り率を想定するなら「早く始めたほうが有利」ということです。しかし、60歳から始めても遅すぎるということはないでしょう。
 

“退職金1000万円”をNISAに回した場合、70歳までに得られる運用益は「1157万円」程度の可能性

東京都産業労働局が実施した「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、大学卒・33年勤続・会社都合での定年退職者のモデル退職金は1149万5000円です。また、同条件の「高卒者」「高専・短大卒」でもおおむね1000万円弱となっています。
 
退職金1000万円を10年間(120ヶ月)運用する場合、1ヶ月の積立額は約8万3000円です。「毎月8万3000円・年間利回り3%」で試算した結果、運用資産額は約1157万円、原資との差益は157万円程度となりました。
 

定年後の「投資割合」の決定には「リスク許容度」が重要

NISAは投資であり、必ず利益が発生するものではありません。このため、特に定年後に退職金でNISAを運用する場合は、保有資産と将来設計からみた「リスク許容度」を考慮し、適切な投資信託のポートフォリオ(資産構成)を組む必要があります。定年後のリスク許容度は、以下の2点を目安に考えるとよいでしょう。
 
1. 大きな負債がなく、介護費に800~1000万円以上を確保できるか
2. 子どもがすでに独立しており、今後の教育費などの負担が想定されないか
 
上記2つの目安を基に、リスク許容度や資産運用の方針の関係性と、ポートフォリオの構成例を図表1にまとめました。
 
図表1

2つの目安を満たしているか リスク許容度 資産運用の方針 ポートフォリオの構成例
両方満たしている 比較的高い 増やす重視 債券と株式を半々で構成し、リターンを狙う
両方満たしていない 比較的低い 守る重視 債券を中心に株式も組み込み、ある程度のリターンを狙う
片方のみ満たしている 中間 中間派 債券のみで構成し、リスクを減らす

金融広報中央委員会知るぽると 豊かな老後生活を送るためにあなたに合った退職金の運用方法を考える を基に筆者作成
 
リスク許容度に見合ったポートフォリオを組んでも、長期間運用を続けると相場変動による試算の偏りが積み重なり、設定した保有資産の比率とズレが生じる可能性があります。1年に1度はポートフォリオの見直しを行うことがおすすめです。
 
また、NISAの「つみたて投資枠」は、「分散投資」「積立投資」によるリスク軽減もメリットです。ある程度のリスクを許容できる場合なら、年間240万円までの「成長投資枠」を利用するのもよいでしょう。
 

まとめ

複利効果は、投資で得た利益を再投資することで利益が増幅する効果です。その特徴から、特に長期運用では大きなメリットとなることが考えられます。
 
60歳からでも複利効果を狙うには遅すぎるということはなく、定年後にNISAを利用する際は、リスク許容度を考慮してポートフォリオを組むことが重要です。NISAを上手に活用して、老後生活を安心して過ごせるようにしましょう。
 

出典

東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版) 調査結果の概要 8 モデル退職金
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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