母が亡くなり、病院で紹介された葬儀社と契約しました。あとから「払えない金額」だと気づいたのですが、今から別の葬儀社に変えることはできますか?

母が亡くなり、病院で紹介された葬儀社と契約しました。あとから「払えない金額」だと気づいたのですが、今から別の葬儀社に変えることはできますか?

12月29日(月) 9:00

母が亡くなった直後、私たちは深い悲しみと混乱の中に置かれます。頭が真っ白になり、「何をどうすればいいのか分からない」状態で病院にいると、職員から「こちらの葬儀社に連絡しますね」と声をかけられることがほとんどです。その流れに逆らう余裕もなく、言われるがままに葬儀社と契約してしまった、という方は決して珍しくありません。 しかし、少し落ち着いてから見積書を見返したとき、想像以上に高額な請求金額に気づき、「とても払えない」「このまま進めて大丈夫なのだろうか」と不安になるケースは多いのです。では、一度契約してしまった葬儀社を、今から別の会社に変更することは可能なのでしょうか。

状況次第で「変更できる」可能性は十分にある

結論から言えば、契約後であっても、葬儀社を変更できるケースは少なくありません。
 
株式会社ユニクエストが行った調査によると、家族葬にかかった費用の平均は約110万円でした。はじめて身内の近しい人が亡くなり、葬儀の準備をする場合「そんなにかかると思わなかった」と感じることもあるでしょう。変更できるポイントとなるのは、「葬儀がどこまで進行しているか」「どのような契約を結んだか」「すでに提供されたサービスがあるか」という点です。
 
多くの方が「もう契約書にサインしたから無理だ」と思い込んでいますが、実際には、葬儀社との契約は絶対的なものではありません。特に、まだ通夜や葬儀が行われていない段階であれば、解約や変更の余地は十分にあります。
 

葬儀契約はクーリングオフできない?

一般的に、葬儀契約は訪問販売などとは異なり、クーリングオフ制度の対象外となることが多いです。そのため、「法律的に絶対に取り消せない」と誤解されがちですが、実際には交渉の余地が残されている契約でもあります。
 
たとえば、契約時に十分な説明がなかった場合や、金額の総額が分かりにくかった場合、「その金額だとは思わなかった」という事情があれば、話し合いによって契約内容の見直しや解約が認められることもあります。
 

すでに発生している費用には注意

注意が必要なのは、すでに葬儀社が具体的な作業を行っている場合です。遺体の搬送、安置、ドライアイスの処置、枕飾りの設置などが行われている場合、その実費は支払いを求められることがあります。
 
ただし、それはあくまで「実際に提供された分」に限られます。高額な祭壇費用や式場使用料、オプションサービスまで、すべてを支払う義務があるとは限りません。まずは冷静に、何が実施済みで、何が未実施なのかを確認することが大切です。
 

「払えない」と正直に伝えていい

葬儀社に対して、「この金額は払えません」「生活が成り立ちません」と伝えることに、後ろめたさを感じる必要はありません。葬儀は、遺族の経済状況を無視して行うものではないからです。
 
実際、多くの葬儀社では、プランの縮小や内容の見直し、場合によっては解約に応じるケースもあります。「今さら言えない」と我慢するより、早めに意思を伝えることが結果的に双方にとって良い解決につながります。
 

別の葬儀社を探す際の重要ポイント

もし葬儀社の変更を検討するなら、必ず複数社から見積もりを取ることをおすすめします。その際、「総額表示かどうか」「どこまでが基本料金に含まれているか」をしっかり確認しましょう。
 
また、自治体が運営する公営斎場や、直葬・火葬式・家族葬に特化した葬儀社は、費用を大きく抑えられる場合があります。「立派な葬儀=高額でなければならない」という考えに縛られる必要はありません。
 

悲しみの中で決断したことは、見直していい

大切な人を失った直後は、冷静な判断ができなくて当然です。その状況で下した決断を、あとから見直すことは「非常識」でも「冷たい行為」でもありません。むしろ、故人を大切に思いながら、無理のない形で送り出すことこそが、本当の供養だと言えるでしょう。
 
「もう遅いかもしれない」と思っても、実際には間に合うケースは多くあります。不安を感じた時点で、立ち止まり、相談し、選び直す勇気を持つこと。それは、あなた自身の生活と心を守るための大切な行動です。
悲しみの中でも、選択する権利は、常にあなたの手の中にあります。
 

出典

株式会社ユニクエスト【第1回調査】家族葬にかかる費用相場(全国編)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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