比嘉愛未が明かす、“成功の大きな秘訣”「今私があるのは、あのときの覚悟のご褒美なのかも」<にこたま>

比嘉愛未/撮影=富田一也

比嘉愛未が明かす、“成功の大きな秘訣”「今私があるのは、あのときの覚悟のご褒美なのかも」<にこたま>

12月29日(月) 18:00

比嘉愛未
【写真】スタイル抜群でカッコいい比嘉愛未

橋本愛と瀬戸康史がダブル主演を務め、比嘉愛未が出演するFODオリジナルドラマ「にこたま」が、12月26日よりFOD・Prime Videoにて配信開始された。

本作は、渡辺ペコ原作の同名コミックを実写ドラマ化したラブストーリー。2009年に連載が開始され、恋愛観、結婚観、家族観といった身近なテーマで多様なあり方を描いた作品を、ドラマでは恋人、結婚、家族の“当たり前”を揺さぶり、“正解のない愛”に向き合う姿を描く。出会って12年、同棲してなんとなく幸せな日々を過ごす恋人同士の温子(橋本)と晃平(瀬戸)。だがある日、晃平の同僚・高野ゆう子(比嘉)の妊娠が発覚したことで、3人の運命が複雑に絡み合い、それぞれが選択を迫られ、葛藤する姿を深く繊細に紡ぐ。

コムラ弁理士事務所に勤めている弁理士で物語のキーパーソンとなる高野ゆう子を演じる比嘉にインタビュー。本作の魅力から高野に共感すること、人生の重大な選択までたっぷりと語ってもらった。

■「“柔軟性”や“自由さ”のようなものを感じた」

ーー本作の脚本または原作を読んだとき、何を感じましたか?

一言で言うならば、“柔軟性”や“自由さ”のようなものを感じました。すごく面白いなと。渡辺ペコさんが原作を描かれたのは12年前です。今の時代は、個々の価値観や選択をわりと尊重する風潮があります。でも、12年前は、今の私たちのいわゆる“一般的な常識”がまだそうではなかった時代でした。だから、その時にすでにこの世界観を描かれているということが、素晴らしいなと。渡辺ペコさんが、先を見据えていらっしゃったのか、そもそもご自身の価値観が凝り固まっていなかったのかはわかりませんが、どちらにしてもすごいなと驚きました。

ーー確かに、12年前はまだ「多様性」という言葉は聞き馴染みがなかった印象があります。

そうですよね。今の時代、“当たり前”や“普通”という概念は薄れていますが、原作が描かれた当時はまだそれが強かったと思います。たとえば、大学時代から10年以上のお付き合いで同棲していたら、「普通に考えたら結婚するでしょ」となりますよね。でも、それがまず、主人公の2人にとって“当たり前”ではないところから描かれている。

■「テーマ性やメッセージ性を見る側に委ねてくれる作品」

ーー温子も晃平も“結婚”という関係性の変化は望んでいなさそうでしたもんね。

そんな10年以上同棲しているカップルの2人が穏やかな幸せを送っている中で、私が演じる高野がキーパーソンとなって、その平和な日常がガラッと変わっていってしまいます。そして高野も、浮気を自覚しながらも彼と関係を持ったことで子どもを授かり、その責任をちゃんと受け止めて、一人で育てていくという決断をします。その腹の括り方が先進的というか、彼女は誰かのせいにするわけでもなく自立していて、すごいなと思いました。本作は、そういった考え方や選択の仕方、それぞれの在り方に対して、「こうだよね」と決めつける言葉がないような気がしました。そこに私は柔軟性を感じたんです。

ーーでは、本作の自由さはどこに感じましたか?

「答えはこうですよ」というセオリーに縛られていないところが自由で、この世界観の魅力でもあるなと私は思いました。描かれていること自体は、浮気だったり、略奪愛だったりと、復讐劇にもなり得る結構ディープな話なのに、淡々とした素朴な空気感で描かれている。でも、静かな中にも確かな深さがあって、そのテーマ性やメッセージ性を見る側に委ねてくれる作品だなという印象を強く受けました。

■「大きなことが起きた“後”の方が大事」

ーー確かに原作が描かれた2010年前後の世の中を考えると前衛的な作品ですよね。私はそれを実写化した本作は、すごく“行間を読ませる”ドラマだなと感じました。比嘉さんは演じていて、このドラマ自体の魅力をどこに感じましたか?

私も、“余白”や“行間”的な部分に魅力を感じました。まず高野目線で言うと、もっと劇的に描くのであれば、「子どもができた…どうしよう」という葛藤のシーンが欲しくなるじゃないですか。そこがドラマとしても大きな衝撃になるので。でも、そういった派手な部分は一切描かれていないんですよね。

ーー確かに、すでに高野が一人で産むことまで決意してる状態で物語は始まっていますものね。

彼女の不安や葛藤など、いろいろなことがあったであろう部分をあえて描かずに、もう覚悟を決めている。そして晃平に子を授かったことを伝えるときも、「もう一切関与しなくていいですから」と言い放つ。そんな高野を演じていて、そこに至るまでの背景というのは、これみよがしに見せつけるものではないのかな、と私は思いました。だから、そういう大きなことが起きた“後”の方が大事なのではないかと。これからどうしていくか、どう受け入れて、反応して、捉えて、進んでいくのか。もちろん、とどまるという選択肢もある。その選択からの始まりにこそドラマがあるんだということを、この作品で改めて感じました。

ーー高野だけでなく、温子もあまり感情的にはならない“静”の印象を受けました。

そうですね。人間ってそんなに簡単ではないというか。表面で見せている部分と腹の内で思っていることは、やっぱりすべてが同じわけではない。生きていく中で、どんなに親しくても遠慮したり、あえて言わなかったりと、どこか演技をして生きている部分もあるでしょうし。「普通だったらこうだよね」ということが必ずしも正解ではないんですよね。

■「私自身も仕事やキャリアを一番大事にしてきた」

ーーそれこそ“普通”だったらもっと、高野や温子は激しく動揺するのではないのかなと。彼女たちを劇的に描写しないことに少し驚きました。

相手にぶつけないだけで、実は劇的なんですよ。私は優しい世界観だなと思いました。彼女たちの内面も含めて水面下では、とっても重くてすごいことがうごめいているんですけどね。自分一人だけのことだったらここまで悩まないでしょうけど、人間関係なので、彼女たちだけではどうにもできない部分がある。人生を揺るがす大きな出来事が起こったとき、それ自体よりも、それをどう受け止めて、次にどう選択していくかが大事だということを感じます。今のこのご時世だからこそ、彼女たちの受け止め方や、本作で描かれている一つひとつの選択の重要性は、より刺さるのではないでしょうか。

ーーそんな高野を比嘉さんは演じていて、どのように捉えていますか? 共感するところはありますか?

私が登場人物の中で一番好きで共感したのは、高野でした。私自身も仕事やキャリアを一番大事にしてきたからです。この仕事が大好きなので、私はこれまで仕事に重きを置いて、軸にして生きてきました。後悔はありません。ただ、長女ということもあってか、基本的に人に何かをしてあげることや、誰かの役に立つことは率先してできるのですが、「助けて」と誰かを頼ったり甘えたりということはなかなかできずに生きてきたなと。友人や家族に悩み相談をすることもあるのですが、結局は自分で解決しよう、乗り越えようと頑張ってしまうところがあるんです。そこがまず、高野と似てると感じた部分ですね。

■「高野には自分と重なる部分をたくさん感じた」

ーー高野はどんな難しい案件でもそつなくこなすキャリアウーマンで、同僚からはその仕事ぶりで尊敬されていますが、その反面、一人で何でもこなしてしまうからこそ、近づき難い印象も抱かれていますよね。

高野の場合は家庭環境の影響もあって、「早く自立しなければ」という生き方をしてきたんですよね。だから、今の高野にならざるを得なかった。そして、それが高野の“当たり前”でもある。感情が読みづらい、掴みづらいと思われるのは、自分は別にガードをしているつもりはないのに、小さい頃からの習慣や積み重ねでそうなってしまっている。だから、無意識なんですよね。本当は「助けて」と言いたい自分がいるはずなのに、それに蓋をするかのように、どんどん自立して、強くなって、仕事を頑張って生きてきた。そう思うと、自分にすごく当てはまるし、高野には自分と重なる部分をたくさん感じました。

ーー高野は比嘉さんにとっても大切な役なのですね。

私は高野を演じるということもあって、彼女目線で原作を拝読していたのですが、彼女は感情を隠しているからこそ、一言で言い表せない。「クール」とか「掴みどころがない」といったわかりやすい言葉では表現しきれないくらい、深掘りすればするほどすごく魅力的な女性だなと感じました。

第1話以降、物語が急展開していく中で、高野自身も子どもができたことをきっかけに、すごく変わっていくんですよ。演じていくうちに、「人ってやっぱり一概にこうだとは言い切れない部分があるよね」と改めて思いました。表向きは飄々として見えるけれど、実は違う。とっても人間味があってピュアな女性なんだなと気付いたら、愛着がどんどん湧いてきて、すごく愛おしい存在になっていきました。

■「私は“嘘がつけない”」

ーー高野は妊娠したことで、仕事も含めて今の環境から離れ、実家に帰って一人で子どもを育てるという非常に大きな決断をします。比嘉さん自身は、たとえ何か他のものを捨ててでも、「これだけは守り切りたい」「譲れない」というものはありますか?

これはもう性分なのですが、“嘘がつけない”んですよね。

ーー正直さは譲れないということでしょうか?カッコいいですね。

いえ、カッコよくないですよ(笑)。本当にどうしようもないくらい不器用なので。今年(2025年)に入ってからのことですが、友達と話していて、ちょっと見栄を張ってしまったことがあったんです。別に大したことではないのですが、少し自分に優位な言い方をして話を盛ってしまって。「ちょっとカッコつけちゃったな」くらいで済ませればいいのですが、後からすごく罪悪感に苛まれてしまって、結局、その日のうちに友達に「ごめん、実はああ言ったけど本当はこうだった。しょうもない見栄を張ってごめんね」と連絡しました。友達からは「面白いね」と言われましたけど(笑)。本当にどうでもいい小さな誇張なんですけど、「盛っちゃったな」ということ自体が気持ち悪くて、自分の中で消化できないんですよね。

ーー本当に嘘をつけないんですね。

そうですね、昔からたとえ小さな嘘でも、自分が言うのは気になってしまうんですよね。顔にも出ますし。誰かのための良い嘘なら頑張ってつけるかもしれませんが、それでもあまり気持ちのいいものではないなと思ってしまいます。

【写真】スタイル抜群でカッコいい比嘉愛未

■「やはり役者としても嘘はつけない」

ーーそれはお芝居をしていく中でも、登場人物に対して嘘なく演じるということでしょうか?

向き合いますね。私たちの作品をつくる作業というのは、楽しさもありますが、終わったら流れていってしまうような、どこか刹那的な部分もあります。時間をかけてつくって、3カ月前後で終わったら、また次へ。それでも、その期間は自分ではなく、この役に命を吹き込む気持ちでやっているので、役に嘘はつきたくないなと思っています。だから、監督との対話や現場でのセッションでは、絶対に妥協はしないと心に誓っています。

ーーそれは、たとえば「高野ならこういうセリフは言わないだろう」と思ったら、監督に伝えるということですか?

違和感や疑問を伝えるのは、必要で大事なことだと思っています。「なんでこれを言うの?」と思いながら演じるのは、それこそ嘘になるし、役に対して失礼ですから。正直に話します。自分の中でしっかりと腑に落として表現したい。納得していないと絶対表にも出ると思っているので、やはり役者としても嘘はつけないですね。

■「東京へ上京すると決めたときが、人生で一番勇気を出した選択」

ーー本作では、三十代という人生の中間地点での一つひとつの選択の重さと、これまでの自分が選択してきたことによるツケが描かれているようにも感じました。比嘉さんにとって人生で最もキーとなった選択は何でしたか?

東京へ上京すると決めたときが、人生で一番勇気を出した選択でした。

ーー他に何か迷っていたことがあったのですか?

生まれ育った大好きな沖縄と、家族や友人を置いて見知らぬ土地へ行くこと自体、私にとって大きな決断でした。しかも、この芸能の世界で生きていくということは、かなり難しくて険しい道。周りからも「無謀だ」「あんな大都会で…」と、すごく反対されました。自分でもそれはわかっていたのですが、理性や頭で考えるのではなく、もう衝動が抑えきれなかったんですよね。

ーーそれだけ強く突き動かされたのですね。

あそこまでの強い衝動は、人生で他にないです。今は岐路に立ったとき、ちゃんと吟味して考えて慎重に選択していくのですが。あのときは、何がどうとか、誰がどうとかではなく、「自分が絶対に行きたいんだ」という、本能と情熱に突き動かされるような、すごいパッションでした。本当に燃えるような熱くて濃いエネルギーだったと思います。

ーー今でもその感覚を鮮明に覚えているというのは、相当な熱量だったんですね。

無謀すぎましたからね。住むところも決まっていないのに、勢いで出てきてしまうくらい強烈でした…(笑)。

ーーそれで今、夢を叶えて俳優としてずっと活躍し続けているのは、本当にカッコいいです。

カッコいいのかな…うまくいったから美談になっていますけどね(笑)。

■「覚悟を決められたからこそ、運も味方してくれた」

ーーそこまでの覚悟を持っていたからこそ、夢を叶えられたという見方もできます。

そのときから多分私は自分に嘘をつきたくなかったんですよね。自分がこう思っているのに、周りから「ダメだよ」「絶対うまくいかない」「あんなところ」と言われて、「そっか…」と諦めていたら、自分自身の本心に蓋をして気持ちに嘘をつくことになる。それだと、ずっと後悔するなと思ったんです。

ーー嘘をつかない、後悔をしない選択をしたのですね。

すべてはそこから始まりました。まずはやってみて、うまくいかなかったとしても、失敗したとしても、やったことで自分の気持ちが昇華できる。挑戦できた自分を自分で褒めることもできます。あそこで私は覚悟を決められたからこそ、運も味方してくれたのかなと。あのときに何となくの選択ではなく“覚悟”を持って選んだ。「誰のせいにもしない」と決めたんです。そこが、成功の大きな秘訣と言いますか、今私があるのは、あのときの覚悟のご褒美なのかもしれません。そんな気がします!

取材・文=戸塚安友奈



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