来年「定年」を迎え“2000万円”の退職金を受け取る予定です。“40万円以上”も税金が引かれるそうですが、「一時金」と「年金」、お得なのは結局どちらなのでしょうか?

来年「定年」を迎え“2000万円”の退職金を受け取る予定です。“40万円以上”も税金が引かれるそうですが、「一時金」と「年金」、お得なのは結局どちらなのでしょうか?

12月29日(月) 5:20

2000万円の退職金を受け取る場合、全額をそのまま手元に残せるわけではありません。 退職金には税金がかかり、受け取り方によって手取り額が変わります。本記事では、退職金にかかる課税の仕組みと、「一時金」と「年金」での違いを解説します。

“2000万円”の退職金を「一時金」で受け取ると“15万円以上”の「所得税」が引かれる可能性

退職金や退職手当などの退職所得は所得税の課税対象ですが、給与所得とは異なる方法で税額が計算されます。課税退職所得金額は、原則として以下のように計算します。
 
(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
 
上記計算の「退職所得控除額」は、勤務年数により計算式が違います。勤続年数=A年と仮定します。


・20年以下:40万円×A年(80万円に満たない場合は80万円)
・20年超:800万円+70万円×(A年-20年)

具体的に、勤続30年の方が2000万円の退職金を受け取った例を見てみましょう。


・退職所得控除額:800万円+70万円×(30年-20年)=1500万円
・課税対象になる退職所得額:(2000万円-1500万円)×1/2=250万円

課税退職所得金額が250万円の場合は所得税率が10パーセント、控除額は9万7500円です。これは課税退職所得金額ごとに税率が定められています。さらに2037年末まで「復興特別所得税」の2.1パーセントが上乗せして徴収されます。


・所得税額:250万円×10パーセント-9万7500円=15万2500円
・所得税及び復興特別所得税の源泉所得税額:15万2500円+(15万2500円×2.1パーセント)=15万5702円

退職所得は、原則としてほかの所得と分けて税額を計算します。適正な金額を計算するには、「退職所得の受給に関する申告書」の提出が必要です。
 
この申告書を提出しなかった場合、退職所得控除は適用されず、受け取る額に20.42パーセントの所得税および復興特別所得税がかかり源泉徴収されます。後日、本人が確定申告を行うことで、本来の税額に精算され、還付となる場合もあれば追加納税となる場合もあります。
 

退職金からは「住民税」も特別徴収される

退職所得に課税されるのは所得税のほか、住民税も特別徴収の対象です。ここでは東京都在住の場合を例にします。住民税の税率は、区民税6パーセントと都民税4パーセント(合計10パーセント)で前記の課税所得額250万円に適用されます。


区民税:250万円×6パーセント=15万円
都民税:250万円×4パーセント=10万円
納入金額:15万円+10万円=25万円

つまり、今回の事例では最終的な税金総額は以下のようになります。
 
課税金額:所得税15万5702円+住民税25万円=40万5702円
 
実際に40万円以上の税金が引かれる可能性があります。
 

「一時金」と「年金」、お得なのは結局どっち?

退職金の受け取り方は、一般的に「一時金」「年金」「併用」の3パターンです。ケースによってはそれぞれに考えられるメリットおよびデメリットがあります。


・一時金:退職金をまとめて受け取る。税制面では一時金のほうが有利になるケースが多いが、年金方式の受給条件によっては、年金方式より受取総額が減少する可能性がある
・年金:一定期間に分けて受け取る。受給期間が長くなれば受取総額が一時金を上回ることもあるが、受給額は毎年の所得として課税され、他の収入と合算されるため、税負担が増える場合がある
・併用:一部をまとめて受け取り、残りを年金方式で受け取る。税負担はバランス次第

どの受け取り方が得になるのかは、人それぞれの経済条件があり一概には判断できません。ローンを一括返済するならば一時金、終身タイプなら年金で長く受給、といった自身のライフスタイルから決めるのがいいかもしれません。
 

まとめ

2000万円の退職金は、税制面では「一時金」で受け取るほうが有利になるケースが多い一方、年金方式では、終身給付などの場合、受給期間が長くなるほど支給が続き、結果として受取総額が一時金を上回ることもあります。
 
なお、一時金で受け取る場合には、「退職所得の受給に関する申告書」を提出し、退職所得控除を確実に適用することが重要です。金額や今後の収入見込みを踏まえ、自身に合った受け取り方を検討しましょう。
 

出典

国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 退職金と税
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1420退職金を受け取ったとき(退職所得)
国税庁 個人の方に係る復興特別所得税のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2732 退職手当等に対する源泉徴収
世田谷区 退職所得にかかる住民税について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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