片岡凜、父から受け継いだ「出過ぎた杭は打たれない」という処世術

片岡凜、父から受け継いだ「出過ぎた杭は打たれない」という処世術

12月29日(月) 15:48

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2022年3月に高校を卒業し、芸能活動を本格化。NHK連続テレビ小説『虎に翼』や、『海に眠るダイヤモンド』『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』などの話題作に次々出演し、存在感を放っている片岡凜。

彼女が、2025年12月26日に公開される劇場アニメ『この本を盗む者は』の主人公・御倉深冬役で声優に初挑戦する。同名小説を原作にしたアニメで、曽祖父が創立した書庫から本が盗まれたことをきっかけに、町全体が物語の世界に飲み込まれてしまうファンタジーだ。

そこで、片岡に同作のことはもちろん、デビューのきっかけや「父親の影響を強く受けている」という独自の処世術についても聞いた。

女児向けアニメより『コブラ』『あしたのジョー』に夢中

――片岡さんは、今作でアニメ声優に初挑戦したとのこと。もともと声優業にはどんなイメージを持っていましたか?

片岡凜(以下、片岡): 普段、実写作品に出ている私からすると、全然違った表現をされている未知の世界のお仕事というイメージが強かったです。

――そもそも、アニメを見る習慣は?

片岡: そんなにありませんでした。幼少期の頃、父がよく見ていた『あしたのジョー』や『コブラ』を一緒に見ることはあったんですけれど。

――多くの女性が通ってきたであろう、女児向けアニメを見ることはあまり…

片岡: なかったですね。それよりは父の影響のほうが大きくて、子供の頃は見よう見まねでコブラの真似をしたりしていました。ただ、そこでなんとなく「アニメは実写ドラマや映画よりもリアクションが大きいんだな」という印象を受けていて。「こういう違いがあるんだ。面白いな」と感じていたような気がします。幼少期のことなので、ほとんど無意識ですけどね。

――では、役者としてデビューしてからは「声優に挑戦してみたい」という思いはありましたか?

片岡: ありました!単純に気になっていましたし、芝居の方法が全く違う声優という世界に足を踏み入れたとき、一体自分はどうなるんだろうという興味もあって。いつかやらせていただけたらなと思っていました。

役の“ギャップ”を大切にしたいと思った

――そんな片岡さんが、今回、劇場アニメ『この本を盗む者は』で、主人公の深冬役を演じます。お話を聞いたときの心境は?

片岡: すごく嬉しかったです。事務所の社長から「作品が決まったよ」と連絡がきて、脚本などの資料がまとめて手元に届いたんです。そのとき期待に胸が膨らんで……一気に楽しみになりました。

――アフレコ当日までに、どんな準備をしましたか?

片岡: 自分の声をひたすら録音して聞いていました。あとは、原作の小説と漫画(コミカライズ)を読んで、キャラクターの軸をちゃんと作るという作業を大事にやらせていただきました。

――そのうえで、深冬はどんなキャラクターだと感じましたか?

片岡: 最初は、「とっつきにくい女の子だな」という印象が強かったのですが、読み進めていくと単にとっつきにくいだけではなく「強さを持っている女の子なんだ」と感じるようになりました。それでいて、年相応のかわいらしさや意外とツンデレという一面もあって。アフレコでは、そういう“ギャップ”は大事にしつつ臨みたいなと思いましたね。

――ギャップがわかりやすいように、芝居にメリハリをつけるというか。

片岡: そうですね。そのあたりは意識していました。

次は大人の女性にも挑戦してみたい

――実際のアフレコ現場はいかがでしたか?

片岡: アフレコは数日に分けて行なったのですが、初日に思ったのは「意外と息を多めに吐いてセリフを言っていいんだな」でした。物語序盤の深冬は結構ぶっきらぼうで、雑に受け答えをする場面が多いんです。そういう役柄だと気だるげにセリフを言いたいんですけど、アニメはオーバーにハキハキ表現するイメージがあったので、なかなか気だるい方向に振り切れなかったんです。

――感情を抑えた芝居や、曖昧な発声はタブーなんじゃないかと思いますよね。声の芝居では。

片岡: はい。だけど、リハーサルを終えた段階で音響監督から「もっと気を抜いた言い方でいいよ」と言っていただき、自分が思っているほどオーバーにやらなくていいんだという発見がありました。ただその一方で、オーバーに表現するところはとにかく強く出すこともあったんです。息を吐くときも、「ハァ〜!!」って。その振り幅の大きさが面白かったです。

――そんなに変えてしまっていいものなんですね。

片岡: そうなんですよ。深冬が本の世界に迷い込んだシーンは、ジェットコースターに乗っているときのような声の出し方をしています。そこもオーバーにやっていいと言っていただいたシーンで、楽しかったです。

――ともあれ、アフレコだと体を動かずに叫ばなければいけないじゃないですか?それは難しそうだと思うのですが。

片岡: そうですね。服が擦れる音も立ててはいけないので、本当に難しかったです。体を動かしたくなるエネルギーも全部声に乗せて叫ぶ!というイメージでやっていました。

――そのほかにも、実写作品との違いを感じる部分はありましたか?

片岡: 実写の場合は、役者の表情やその場の雰囲気をカメラで切り取ると自然と成立する気がするのですが、声のお芝居はアニメーションの中に自分がちゃんと没入して、こちらが臨場感を生み出しながらお芝居しなければいけない気がして。そこは結構違うなと感じましたね。

――また挑戦してみたいですか?

片岡: やってみたいです!今回は女子高生役でしたけど、もっと歳を重ねた大人の女性役だったらどんな声で表現すればいいんだろう?と興味が湧いているところです。

女優として「20歳までにはぶっちぎりたい」

――片岡さんがお芝居の世界に憧れたきっかけを教えてください。

片岡: 幼少期から漠然と「表現する仕事をしたい」と思っていたのですが、高校生の時に『ブレイキング・バッド』というアメリカのドラマを見たのが大きなきっかけになりました。「私がしたかったこと、これだ!」と、胸が苦しくなったというか……しびれたんですよ。結構ダークな作品ではあるんですけど(笑)。

――突き動かされるものがあったんですね。

片岡: はい。そして一人でも多くの人に私のことを知ってもらおうと思って、TikTokに投稿しはじめました。「こんな作品に出られる女優さんになりたい」といった具体的な夢があるというよりは、女優として「20歳までにはぶっちぎりたい」とずっと思っていました。

――そうして、高校在学中に現事務所に所属。高校卒業後から本格的に芸能活動をスタートさせました。最近のインスタグラムやXを見ている感じ、先々のお仕事も決まっているようですが、この世界で求められる存在になるために、心がけていることはありますか?

片岡: 唯一無二でいること、ですかね。……って、ちょっと漠然とした答えなんですけど。私にしかできない役で、私にしかできない表現をしたいです。

――誰かを参考にするのではなく。

片岡: そう、オリジナルで行きたいです、常に。

――SNSで何度もバズっていることも含めて、すでにその道を確立しつつあるように思いますが、ご自分ではどう感じますか?「上出来!」なのか、「いやいやまだまだ!」なのか。

片岡: 私はいま突っ走っている真っ最中で、なにが正解か不正解かもわからない中で生きている感じがするんです。なので、まだそんなに振り返ったことがないんですよね。今が上出来なのかどうかは、数年後わかるんじゃないかなと思います。

SNSでは日常を面白く変換したい

――片岡さんはSNSの投稿も毎回秀逸ですよね。投稿する内容はどんなふうに決めているのですか?

片岡: 「こういう私を見せたい!」というこだわりはなくて、私がリアルタイムで思ったことを、インスタントに投稿させてもらっています。

ただ、日常のなかで起きたつまらないことや普通なことも面白く変換するのが好きなので、変換した内容をみなさんに共有したいという気持ちが一番ですかね。

やっと来たタクシー、おじいさんが杖で私を制止スッと横入りして行ってしまった。まったく、私で良かったわ長生きしてね— 片岡凜 (@questionzombies) September 21, 2025

――じゃあ、片岡さんにとってはあくまでも自然体なんですね。

片岡: 自然ですね。完全に素でやらせてもらっています。

出過ぎた杭は打たれない。だから抜きん出たい

――お芝居だけでなく、素の言動でも世間を惹きつけられるのが片岡さんの魅力だと感じます。そういう性格に育ててくれたご家族の影響は、相当大きいのでしょうね。

片岡: そうですね。とくに父の影響が大きいです。父は他人に何を言われても気にせず自分の人生を楽しんでいて、カート・コバーンじゃないですけど「錆びるより燃えつきろ」の精神で生きている人なんです。そんな父とずっと一緒に過ごしているから、自然とその影響を受けていますね。父のことは、人としてもすごく尊敬しています。

――なんだか羨ましいです。いまのSNSには、他人を傷つけるためだけに監視しているような人がいて、傷ついてしまう人も非常に多いですから。片岡さんや片岡さんのお父様のような自分を尊重する考えは大切ですよね。

片岡: そうですね。きっと今の時代だけじゃなくてどの時代にもいたんですよ、異質なものを潰そうとする人って。“出る杭は打たれる”という言葉もあるくらいですし。ただ私は、“出過ぎた杭は打たれない”と思うんです。だから……私の生き方が合っているのかはわからないですけど、出過ぎるのも一個の正解なのかなとは思っています。

――なるほど。叩く気にならないくらい出てしまえばいいと。

片岡: そうです(笑)。少なくとも私は、「コイツはこういうヤツだからなぁ」と思わせるくらい抜きん出ていたいですし、そのくらい異次元になりたいですね。

【片岡凜】
2003年、群馬県生まれ。2022年、優里MV『レオ』出演で女優デビュー。3000万回を超える再生回数で話題に。ドラマ「石子と羽男」でドラマ初出演。主な出演作に、連続テレビ小説「虎に翼」、日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」など。2025年12月26日に公開される劇場アニメ『この本を盗む者は』では主人公・御倉深冬役で声優に初挑戦する

<取材・文/松本まゆげ撮影/星 亘(扶桑社)©️2025深緑野分/KADOKAWA/「この本を盗む者は」製作委員会>



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