ディズニーのアニメーション映画「ズートピア2」が、中国で外国アニメ歴代1位となる興行収入35.5億元(約503億円)を記録した。全世界でも10億ドルを突破したこの大ヒットの立役者が、新キャラクターのヘビ「ゲイリー」だと、米CNNなどが報じている。
2025年は巳年。中国ではヘビに対する文化的な意味合いが異なる。西洋のような「悪」のイメージとは対照的に、中国ではヘビは知恵、繁栄、直感の象徴とされている。創世神話に登場する伏羲と女媧も蛇身の神だ。映画の公開が巳年の終盤と重なったことで、ゲイリー人気に火がついた。
ディズニーは中国市場向けに周到な仕掛けを施していた。ゲイリーが身につける赤いスカーフは、自分の干支の年に赤を着て厄除けする「本命年」の風習を反映。また、ゲイリー一家がウサギのジュディを抱きしめるシーンは、中国北部の吉祥モチーフ「蛇盘兔(蛇がウサギに巻きつく)」を想起させる。
しかし、この人気は思わぬ社会現象を引き起こした。映画に影響され、猛毒を持つインドネシアヤマハブを購入する若者が続出しているのだ。
江西省在住のチー・ウェイハオさん(21歳)は、公開2日後に1850元(約3万8000円)でこの青いヘビを購入した。「『ズートピア2』は爬虫類ペットのイメージ向上に役立つ。ゲイリーの熱意と責任感が好きです」と語る。一方で「十分な経験と安全な設備がなければ、衝動的に毒蛇を飼わないでほしい」とも警告している。
中国国営メディアの北京新報は「映画の青いヘビは愛らしく勇敢な人間的特性を持つが、実際の毒蛇は無害な『おしゃれなおもちゃ』とは程遠い。毒蛇が逃げ出したり攻撃したりすれば、公共の安全を脅かす事態になりかねない」と警鐘を鳴らしている。主要ECサイトでは販売停止の動きが広がっている。
一方、安全なグッズは飛ぶように売れている。タオバオではゲイリーのブラインドボックスが週間ベストセラートップ10入り。上海ディズニーランドではぬいぐるみが品切れ状態だ。「ズートピア」シリーズは中国国内で70以上のブランドとコラボレーションを展開している。
巳年のタイミングを捉え、中国文化への深い理解を映画に織り込んだディズニーのローカライズ戦略が、見事に結実した形だ。
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ズートピア2
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