【箱根駅伝2026】例年とはひと味違う青学大4年生主将・黒田朝日を軸に寮長・佐藤有一、主務・徳澄遼仁らが醸し出す空気感とは――

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【箱根駅伝2026】例年とはひと味違う青学大4年生主将・黒田朝日を軸に寮長・佐藤有一、主務・徳澄遼仁らが醸し出す空気感とは――

12月27日(土) 9:25

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最終学年で力をつけ、箱根のメンバー16人に名を連ねた青学大・佐藤有一 photo by 千葉格/アフロ

最終学年で力をつけ、箱根のメンバー16人に名を連ねた青学大・佐藤有一 photo by 千葉格/アフロ





後編:青山学院大、9度目の総合優勝へのシナリオ

黒田朝日(4年)はエースとしてはもちろん、主将としても頼りになる存在としてこの1年、青山学院大を引っ張り続けてきた。同時に青学大の強さの礎において重要な役割を務める寮長の佐藤有一、主務・徳澄遼仁もまた、自身のカラーを出しながら、チームを盛り上げてきた。

ただ、その空気感は例年とは少し異なる趣に。今季の青学大の最上級生たちはどのようなケミストリーを醸し出しているのか。

前編〉〉〉黒田朝日の圧倒的強さとメンバーの経験不足――青学大はいかにして戦うのか?

【苦労した主将が続くなかで......】「自分は言葉というよりも、走りでチームを引っ張っていくスタイルになると思うので、練習からしっかりとした走りを見せたいと思います」

青山学院大、2025年度のキャプテンは黒田朝日(4年)。練習では先頭、そしてトラックレースではしっかりとした結果を残し、駅伝ではチームを上位へと押し上げる。これだけ頼りになるキャプテンは、滅多に登場しない。

同級生でもある徳澄遼仁主務は、「今年は黒田が走りだけでなく、言葉でもチームを引っ張ってくれました」と振り返る。それを黒田に伝えると、これまた淡々と答えてくれた。

「全日本が終わってから、みんなに対して『箱根を意識して走っていこう』とは話をしていました。でも、12月に入ってからは、みんなが、自分が箱根を走るという意識を持って練習に取り組んでいるのを感じたので、心配していません。メンバーを信頼しています」

振り返ってみると、過去5回、青学大のキャプテンは苦労を強いられてきた。

コロナ禍の真っ只中にあった2021年の箱根駅伝、キャプテンの神林勇太は12月に入ってから下半身に故障が出て、箱根を走ることができなかった。原晋監督は年末のミーティングで「神林に走ってほしい。もし、棄権することになっても、予選会から出直したっていいと思っている」とまで言った。そして神林本人が、監督を止めた。

唯一の例外は、2022年のキャプテンの飯田貴之だろう。4年連続で箱根を走った実力を持ち、「4年間のすべてのポイント練習の内容を覚えています」と、語る理と知に富むキャプテンは、4区を走って総合優勝に貢献した。

そして2023年は宮坂大器。近藤幸太郎、横田俊吾、岸本大紀らの実力者たちがそろった学年だったが、宮坂本人は箱根本選のメンバーに入れなかった。チームも山で失速し、総合3位に終わった。

そして2024年のキャプテン志貴勇斗も故障に苦しみ、出走ならず。それでも佐藤一世や、後輩たちの活躍によって総合優勝を奪還した。

昨年度は田中悠登がキャプテンとなり、アナウンサーになったことからもわかるように、言葉の力でチームを引っ張ったが、田中も故障に苦しんだ。3年生の箱根駅伝を前に故障。それが長引き、トラックシーズンは苦しんだ。それでも駅伝シーズンに入って盛り返すと、全日本大学駅伝を一本走り、箱根では9区を走って区間2位。ようやくキャプテンとしての走りを見せ、卒業していった。

山あり谷あり。

こうして青学大の歴代のキャプテンを見てくると、故障に苦しんだ選手が多く、黒田のように順調な競技生活を送っている選手は本当に少ない。

【「やさしい学年」が盛り上げてきた1年の集大成】今回の箱根駅伝に臨む黒田をはじめとした4年生は、「やさしい学年」だと原監督が話してくれたことがある。

「好青年たちばかりです。でも、それが競技力にとってプラスかどうかは本人たち次第です。だから、新チームが発足した時、私はハッキリ言いました。箱根の優勝メンバー6人が抜けて、このままでは勝てないよ、と」

4年生は、監督からの「挑戦」に応えつつあると思う。青学大には主将、副主将、寮長、主務といった部の運営に携わる四役がいるが、寮長の佐藤有一、主務の徳澄といった4年生と話すと、「やさしさ」を失わずにチームを引っ張ってきたことが感じられる。

寮長である佐藤は、自分の仕事をこう説明してくれた。

「春の時期は、1年生に寮での仕事、ルールを伝えていきます。それと、トイレットペーパーがなくなれば、寮母の美穂さんに伝えて、調達してもらいます。競技以外の寮生活の全般を見ていく感じです」

佐藤は3年生まで駅伝に出るチャンスをつかめなかったが、卒業後の競技続行を見据え、3年の終わりから競技力を伸ばしてきた。

「前回の箱根のあとに行なわれた2月の宮古島駅伝で、2区を走りました。そうしたら監督から『すごいよ、佐藤』と言ってもらって。うれしかったです。そこからはとにかく競技会に出て、自分の力を高めてきました」

ラストイヤーに懸ける思いが、箱根駅伝16人のメンバー入りにつながった。

そして主務の徳澄の仕事ぶりには頭が下がる。主務は毎日の練習の運営だけでなく、メディアへの対応など、大人と接する仕事も多い。部の強化スケジュールを見ながらの調整力は、もはや企業でも即戦力になることは間違いない−−と思わせるほどだ。

夏合宿の取材などで感じるのは、主務の面倒見のよさ。2年生の折田壮太、飯田翔大、そして1年生の椙山一颯(徳澄にとっては九州学院の後輩でもある)といった将来の青学大を担う選手たちからは、「徳澄さんには本当にお世話になっていて」という言葉が聞かれた。そしてなにより、主務が後輩たちの可能性を信じていた。

11月22日に行なわれたMARCH対抗戦では、「1年生の上野山(拳士朗)が面白いですね」と聞いていたら、3組目でトップとなり、箱根メンバーにも入ってきた。主務としての観察眼が磨かれていることが伝わってきた。

黒田朝日という「核」が真ん中にあり、周囲の4年生たちがやさしさでチームを盛り上げようとしている。ここ数年、競争力がチーム力の向上につながっていた青学大だが、今年の4年生たちは、少しばかり違った雰囲気をまとっている。

2026年箱根駅伝、青山学院大はどんな色を見せてくれるだろうか。4年生たちの働きに注目したい。

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