百世渡による同名マンガが原作の映画『ロマンティック・キラー』が全国公開中。本作は、恋愛キャンセル界隈の女子高生・星野杏子が人間の恋愛エネルギーを糧にする魔法使い、リリによって仕掛けられるロマンティック・トラップに立ち向かう物語。リリの魔法によって押し寄せる“恋愛あるある”なシチュエーションを杏子はぶっ飛ばし続けることができるのか。今回クランクイン!トレンドは、杏子を演じる上白石萌歌、クールな転校生・香月司役の高橋恭平(なにわ男子)、野球部のエースで幼なじみの速水純太役・木村柾哉(INI)、世間知らずの某国の御曹司・小金井聖役の中島颯太(FANTASTICS)に話を聞いた。(取材・文=ふくだりょうこ/写真=上野留加)
【写真】シックなワンピースを着こなした上白石萌歌のソロカット
■『ロマ・キラ』=“アンチラブコメ”?
――オファーを受けた時、脚本を読まれた時にどのような印象を持ちましたか?
木村:率直に、本当に面白い作品だなと思いました。僕が演じる純太の真っすぐさとか、人柄に惹(ひ)かれまして、純太を演じることへの期待感や高揚感を感じましたね。
上白石:まずタイトルの『ロマンティック・キラー』から一体どんな作品なんだろうと思って、原作とアニメーションを見たんですけど、今までにないアンチラブコメのようなメッセージも受け取りました。この時代に恋をしたくないというのがすごく新鮮に思えましたね。
あと何より私は英勉監督と10代の半ばぐらいにご一緒して以来だったんですけど、英さんの現場がすごく楽しかったことを覚えていたんです。また英さんとご一緒できることがすごく楽しみだなと思いました。
高橋:いろんなラブコメがある中でもこの作品はすごく楽しそうだなと、率直に思いました。それと、異なるボーイズグループに所属する3人が共演するというところもすごく楽しみでしたね。
中島:オファーをいただいた時はめちゃくちゃうれしかったですし、台本を読んで全シーン笑えるぐらいワクワクしました。台本だけじゃ想像がつかないシーンもあったので、本編を見てより楽しめましたし、豪華なキャストの方がたくさん出演しているので、それも含めて何も考えずに見て笑える作品だなと思いました。
――皆さん個性的なキャラクターを演じていらっしゃいましたが、この4人の中で1番役にハマっていたな、という方について教えてください。
木村:うーん、聖(中島)の…。
中島:えー!?
一同:(笑)。
中島:まあ、1回聞いてみましょうか(笑)。
木村:聖が…。
中島:お金持ちのところがハマッてた?
木村:あと、すごく上からなところ?
中島:え!?
上白石:語弊があるぞ~(笑)。
中島:あれ?僕の評価落としに来てる?
木村:けどその(上から目線の)中に優しさがある感じがハマっていたかな、って。本当に聖かと思っちゃうくらい、仕草とか颯太にハマっていました。
上白石:私は純太ですね。今は派手めな風貌なんですけど、作中では黒髪で短髪だったんですよ。原作にすごく寄せていて。本読みを2回したんですけど、1回目は確か髪色がピンク?
木村:ちょっとピンクっぽかったね。
上白石:2回目で完全に純太のヘアスタイルで来た時に、「原作から本当に飛び出てきたみたいだな」と思いました。もともと笑顔がステキなんですけど、純太スマイルが現場でもすごく癒しになっていましたね。
高橋:僕は杏子です。基本、杏子とは穏やかなシーンが多かったんですけど、クランクアップの次の日がオフだったので現場へ見学に行かせていただいたんです。その現場が僕らの穏やかなシーンとは全く違うアクションシーンだったんです。いろんなイケメンたちがいて、それこそ佐藤大樹くんとか、與那城奨くんとか、うちの丈くん(藤原丈一郎)もいて。その中にいる杏子がめちゃくちゃカッコよかったですし、杏子の「恋をしない」という気持ちも僕はすごいと思いましたね。
上白石:うれしいです。この3人が杏子のいつメンみたいな感じだったので、あの日は1番近くにいた人たちの範疇(はんちゅう)を超えて、もっと大勢のロマンティストたちと対さなきゃいけなかったので、孤独だったんです。でも、その日休みなのにわざわざ来てくれて…結構、遠かったよね。
高橋:遠かったよ。
上白石:差し入れもしてくれてすごく和みましたね。
――ちなみに何を差し入れに?
■空中ウォークが現場で大流行り!?
高橋:めちゃくちゃおいしいドーナツです。
中島:普通にドーナツでええやん(笑)。
高橋:めちゃくちゃおいしいんで、みんなおいしいって言っていっぱい食べてくれました!
――中島さんはいかがですか?
中島:香月ですね。恭平とは仲がいいので、普段の感じをよく知っているんですけど、めちゃくちゃボケるし喋るんですよ。でも、香月になった恭平を映像で見て、役がしっかりハマっているなと思いましたし、ほかのみんなのキャラが濃い中、王道でありながら杏子のことを想っている姿とか、過去にトラウマを抱えている姿を演じ切っていたのは素晴らしいと思いました。
上白石:確かにスイッチが入っていて。「用意」って声がかかった時の役のオーラのまとい方がすごかったです。それを間近で見ていたんですけど、素晴らしかったです。
――スイッチが入っていたんですね。
高橋:いろんなスイッチがあって、たまにどこを押そうか迷う時もあるんですけどね(笑)。
――撮影中に思い出に残っているエピソードはありますか?
中島:空中ウォークですかね?
上白石:(笑)。
中島:上白石様がですね、空中ウォークという浮いて見えるステップにハマっていまして。
高橋:ちょっと流行り乗るの遅いんですけどね。
中島:流行ったのは1年前くらいだったんですけど(笑)。それをそれぞれの現場で自分が先生として僕らに教えていたんです。現場のみんなで空中ウォークをしていました。
高橋:本当に上白石さんの対応が難しくて…。
中島:空中ウォークがじゃなくて?
高橋:たぶん、僕が最後に教えられたんですよ。「できる?」って。僕、正直に言うと空中ウォークができない方なんです。それで、「うわ、上白石さんできるんやろうな」と思って…ノリノリでやってくれるんですけど、全くできなかったんですよ。「うわ、これどっちなんやろ」って。「できてないよって言った方がええんかな?」みたいな。
中島:できてなかったよな。
高橋:ちゃんと「できてないよ」って言ったんですけど。
木村:僕はほかの現場ではやっていないと思っていたので、何も思わなかったんですけど、2人と会った時に「え、先生だったの?」っていう話になって。
中島:「俺もやらされていたよ」っていうね。
木村:そうそう。あの空中ウォークをどの現場でもよくやったなと。
上白石:そんな被害者みたいに言わないで(笑)。
高橋:長~い1本道があったらすぐやりますからね。
中島:せま~いコンビニ(のセット)でもやってましたから。
木村:うちは神社でやってました。
中島:めちゃくちゃやん(笑)。
――最終的にはできるようになったんですか?
中島:全然できてないです。
高橋:途中で終わりました。
木村:けど先生でした。
中島:ずっと歩いているだけです。
■キャストの“ロマンティックな一面”を明かすはずが…
――最後に、タイトルの“ロマンティック”にちなんで、お互いのロマンティックな一面を教えてください。木村さんは上白石さんのロマンティックなところをお願いします!
木村:勇ましい杏子の姿というのがあるんですけど、一度野球のシーンで控室が一緒だったんです。その時に急に僕の過去の映像を見始めて。「いや、ちょっと恥ずかしい、恥ずかしい」って言っていたんですけど、気にせず堂々としてらっしゃって。その瞬間、勇ましさを感じました。
中島:ロマンティックじゃないやん。
木村:僕の中で杏子の勇ましさと重なって、ロマンティックを感じました。
上白石:張本人がいる横で見る贅沢を味わいたかったんです(笑)。
木村:でも、めちゃくちゃ恥ずかしいんですよ。かなり過去の映像で、できれば見てほしくないやつを急に…。
――そんな上白石さんは高橋さんのロマンティックなところを。
上白石:私たち生年月日が全く一緒なんです。2000年2月28日。
中島:確かにそれはロマンティック。
高橋:言っちゃってくださいよ。
上白石:これは最大級のロマンティックだと思っていて。同じ誕生日の方はいっぱいいるんですけど、なかなか生まれた年まで一緒の方って出会ったことがないんです。しかも同じ仕事をしていて、まさか共演できるなんて、ということもあったのでうれしかったですね。
――高橋さんは中島さんについて。
高橋:彼は、本当に生きているだけでロマンティックで。
中島:スイッチ入ってもうた。
高橋:FANTASTICSでボーカルを担当されてますけど、ダンスもめちゃくちゃうまくて、本当に器用なんですよね。そういうところがロマンティックですし、僕の無茶ぶりにも嫌と言わず、すぐ拾ってくれるところもロマンティックかなと思います。
中島:珍しいな、恭平が褒めるなんて。
高橋:今が1年に1回褒めるうちの1回でした。
――では最後に中島さんから木村さんのロマンティックなところをお願いします。
中島:柾哉くんはこの4人の中でもロマンティック力は強いんじゃないかと思います。真っすぐ褒めてくれるというか、「今のシーンめっちゃ好きだった」とか「今日の衣装いいね」とか言ってくれます。
木村:…。
高橋:言うでしょ?
木村:言った、言った(笑)!
中島:あれ、言ってなかったのかな(笑)。あと、柾哉くんってゆっくりご飯を食べるんですけど、「先に行ってていいよ」とか言ってくれるのがロマンティックだなって思いました。周りを見ることができるロマンティックさんです。
映画『ロマンティック・キラー』は全国公開中。
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