12月27日(土) 5:00
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年に実施した調査によると、60歳代の79.5%は金融資産を保有しています。預貯金(運用または将来の備え)は平均1030万円です。
一方、金融資産を保有していない20.5%のうち、口座を保有していて預貯金残高があると答えた人の預貯金残高合計の平均値は358万円となっています。以上から、金融資産の有無によって大きく増減するものの、定年時点で貯蓄500万円は中間的な水準といえるでしょう。
東京都産業労働局が公開した「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」によると、大学卒・定年のモデル退職金は1149万5000円です。一方、厚生労働省中央労働委員会の調査によると、労働者数1000人以上の特定の大企業における大学卒の男性の平均退職金支給額は以下のようになっています。
勤続35年:1867万6000円
満勤勤続:2139万6000円
以上から、退職金の額は企業規模に応じて大きく増減しますが、掲題の退職金1500万円も中間的な水準といえます。
労務省統計局の家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の実収入は25万2818円です。一方、非消費支出3万356円+消費支出25万6521円となっており、収支はマイナス3万4058円となっています。
つまり、夫婦高齢者無職世帯の場合、令和6年の水準では20年で817万3920円、30年で1226万880円の取り崩しが発生する恐れがあります。
また、令和7年度の厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な金額の年金額)は月額23万2782円です。令和6年程度の物価水準が今後も続く場合、標準的な年金額を受給できれば2000万円の貯蓄と退職金で老後生活を維持できるかもしれません。
ただし、上記の試算はその時の物価水準によって大きく変動します。そのため、日々生活の見直しを定期的に行うことが重要です。
掲題の貯蓄500万円と退職金1500万円は、60代の平均的な水準といえます。金融資産の保有状況や企業規模によって差はありますが、標準的な年金と組み合わせれば、老後生活を賄える可能性はあるでしょう。
しかし、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の支出が年金収入を上回るケースもあり、長期的には貯蓄の取り崩しが必要になることも考えられます。
そのため、老後資金を確実に確保するには、日々の生活費の見直しや無駄な支出の削減、退職後の生活スタイルに応じて収入源や資産の運用方法を検討することも重要です。数字だけに頼るのではなく、生活の実態に合わせた資金計画を立てることで、安心して老後を迎えることができるのではないでしょうか。
金融経済教育推進機構(J-FLEC) 家計の金融行動に関する世論調査 2024年
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版) 8 モデル退職金
厚生労働省中央労働委員会 令和5年賃金事情等総合調査 令和5年退職金、年金及び定年制事情調査 調査結果の概要
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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