【写真】大杉漣さんとの思い出を語りながら涙をこぼす鈴木浩介
天海祐希が主演を務める劇場版「緊急取調室 THE FINAL」初日舞台あいさつが12月26日に都内で行われ、天海の他、田中哲司、速水もこみち、鈴木浩介、大倉孝二、塚地武雅、佐々木蔵之介、石丸幹二、でんでん、小日向文世、常廣丈太監督が登壇。今作で12年間続いたシリーズが完結となること、さらにシーズン2まで出演していた大杉漣さんへの思いなどを語った。
■12年の時を経て劇場版で完結
たたき上げの取調官・真壁有希子(天海)が、可視化設備の整った特別取調室で取調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一進一退の心理戦を繰り広げる本作は、「取調室」という名の“密室の戦場”で行われる“銃も武器も持たない生身の人間同士の死闘”を描き、人気シリーズとして不動の地位を確立。全39話の平均世帯視聴率は13.1%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)を記録した他、ドラマ4th SEASONは、「第109回ザテレビジョンドラマアカデミー賞」で最優秀作品賞、「東京ドラマアウォード2022」で連続ドラマ部門・優秀賞を受賞した。
連続ドラマ5作品(2014年1月期、2017年4月期、2019年4月期、2021年7月期、2025年10月期)、ドラマスペシャル2作品(2015年9月、2022年1月)とテレビ朝日系列で放送されてきた12年の時を経て、今回の劇場版で完結となる。
田中が「天海さんの下、僕たちは泳がしてもらって、好き勝手に演技させていただいたという感じで。僕たち本当に12年間一緒だったので、めちゃくちゃ仲いいんですよ。年齢の垣根もなく」とキントリの仲の良さを語り始め、天海から「性別もね?」と指摘されながら、「性別の垣根もなく、本当に仲良しで、宝物ような12年間を送らさせていただきました。本当に感謝しかありません」と回顧。
公開前の取材で「ファイナルの感じがしない」と語っていた小日向は「終わった気が前回もしなかったんですよ。終わった気がしなかったら案の上終わらなかった。今回は…正直あんまりまだ終わった気がしないです。12年も続いて、これで本当に現場でパタッと会わなくなることがあるんだろうかっていうぐらいに…」と心境を明かすと、でんでんが「それと、あの終わったじゃない」と二人で向かい合って話し始め、塚地が「お客さまもいますから」と正面を向くように促す一幕もあった。
■“もつなべ”コンビがクランクアップで号泣
また、クランクアップ、さらに打ち上げでも涙を見せていたという“もつなべ”コンビの鈴木と速水。速水が「クランクアップの時はまさか鈴木さんが泣くとは思ってなかった」と言うと、鈴木は「速水さんの顔を見るとダメだろうなと思って、あえて速水さんを見ないで(クランクアップの)ごあいさつしていたんですけど、それでも感極まるものがありまして泣いちゃって、パって速水さんを見たら速水さんが号泣されていらっしゃるので、それでさらに助長されて涙が…。その後に、いつも笑顔の哲司さんも来て、3人して大泣きして」と当時の状況を説明。
「なかなかそこまでクランクアップで感極まるってことが、自分自身ないものですから。やっぱり12年間でこれだけ先輩方と本当にすごくいい時間を過ごさせていただいて、そして、先輩たちの背中を見てたくさん学ばせていただいて、これ から僕たちが経験していくであろう老いとの戦いっていうやつですかね。でんでんさんとコヒさん(小日向)がしっかり見せてくれて(笑)」と、最後は先輩をいじりながら照れ隠し。
クランクアップの涙について、天海は「みんな一斉に終わった(クランクアップ)んですね。ああいうことってなかなか珍しくて、本当にスケジューラーさんが一生懸命ご苦労くださって、みんな一斉に終わることができたんですけど、思いを伝えている最中に本当にここの二人(鈴木、速水)がワッて泣き出されて、あっと思ったらこっちもこっちも(泣いてる)…と思ったら、シュって冷めてしまって(笑)。冷めるっていう言い方はあれですけれども、私はちゃんとしなきゃと思って、ごあいさつをしっかりと述べさせていただきました」と話し、しんみりとした雰囲気になった会場に笑顔を戻した。
■天海祐希が大杉漣さんへの思い語る「力を貸してくださっていると思う」
終盤には、シーズン2まで出演していたキントリのメンバー・中田善次郎を演じた大杉さんの話も。田中は「やっぱりどうしても拭いきれない、僕らの中には漣さんがいるんですね。こうやって初日を迎えられたことも漣さんのおかげかなとか思ったりして。漣さんもこの映画を見てると思います」と漣さんへの思いを吐露。
でんでんは「漣さんがここにいるんじゃないかって感じがするんですよ。我々もキントリ大好きなんですけど、一番好きだったのは大杉漣さんだと思いますね。シーズン1が終わって、シーズン2が決まったんですよね。それが『再来年だ』って言うんですよ。漣さんは怒っているんですよ。『なんだよ。再来年かよ。来年にしろよ。生きているかどうか分かんないんだよ』って言っていたんですよね。心臓がちょっと悪かったもんですからね。もし漣さんがいたら、天海さんに『やったね。天海さんおめでとう』って一番喜んでくれているのが漣さんじゃないかと思いますね」と、大杉さんの“キントリ愛”を語った。
また、大杉さんの後に出演している塚地は、「僕は漣さんのピッチヒッターという形でシーズン3から参加したんですが、漣さんがご存命だったらその次のドラマで上司と部下の役をやる予定だったので、『塚地君、ちょっとお願いしていいかな』って漣さんに言われているような気持ちで、タマちゃんとして新たな風を吹き込めるようにいたのも、なんとなく漣さんの縁も感じましたし、なおかつ役の中でも将棋仲間で、そのこともあってキントリに入ってくるという形になっていたので、何かと本当に近くにいてくれて、タマちゃんができたなと思っていますね」と、キントリに参加できたのは大杉さんのおかげだと感謝。
小日向は「シーズン1、2と漣さんとご一緒して、交代するように塚地君が来てくれて、やっぱり漣さんがいた時も、常に中心にいたのは真壁有希子、天海さんだったんですけど、僕ら男たちが天海さんに引っ張っていただいて、もう本当に怖いだの、もう大将だなんだかんとかって言ってましたけど、本当に天海さんに僕らは助けられたっていうか。改めてありがとうござい ます。12年間、本当にありがとうございました」と天海に頭を下げると、他の出演者も頭を下げて天海に感謝を伝えた。
一方、鈴木は「いやぁ、うん。やっぱちょっとさ、まずいよね」と涙をこらえきれない様子で、涙を拭いながら第5シーズンが始まる前に大杉さんの墓参りに行ったことや共演した当時の思い出エピソードを披露。速水も目に涙をためながら、デビューと当時に大杉さんにあいさつをする機会があり、そのことを「緊急取調室」シーズン1の時に「あいさつしてくれたのすごい覚えているよ」と言ってもらったのがうれしかったという思い出を聞かせ、「皆さんと同じように、(漣さんは)近くにいてくれて、それかどこかの席で見てくれているような気がします」と客席を見渡した。
■「私たちはまだまだ続けて仲良くしていきたい」
天海は、「私、あまり泣きたくないので泣かないんですけれども、本当に初日を迎えられたことは、全ての方からの私にとってのプレゼントだとも思っているし、また漣さんがたぶん力を貸してくださっていると思っています。今日の日を迎えるためにものすごい数の方が力を貸してくださっているんです。関係者の皆さんとか、もちろん2年間待っていてくださった皆さんとか、ずっと応援してくださった皆さんとか、その思いを背負って今日私たちここに立てていると思っているので、全ての方々に本当に心から感謝したいです。ずっと待っていてくれてありがとうございます。そして、今日の日を迎えられたことを皆さんに心から感謝します」と、見てくれる人、そして放送、公開に携わった全ての人に感謝。
そして、「ちょっといいですか?すみません」と客席に背中を向けると、共演者たちに「本当に皆さん、ありがとうございました。ご一緒できてとてもとても幸せでした」とお礼を述べる。
続けて「『緊急取調室』は一応、この映画でファイナルになりますけれども、私たちはたぶん、まだまだ続けて仲良くしていきたいと思いますので、またどこかで皆さんにお目にかかれたらいいなと思っています。ずっと皆さんの心にキントリがありますように、そしてきっとこのメンバーの中に必ず漣さんがいてくださっていると信じています。本当にありがとうございました」とドラマはファイナルでも、キントリの絆は続くと誓っていた。
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