気鋭スタジオNEONが放つホラー映画『シェルビー・オークス』の見どころを紹介。廃墟の町で行方不明になった女性と、その姉が恐ろしい謎に巻き込まれていく!

映画『シェルビー・オークス』のメイン写真/(C)2024 SHELBY OAKS LLC All Rights Reserved

気鋭スタジオNEONが放つホラー映画『シェルビー・オークス』の見どころを紹介。廃墟の町で行方不明になった女性と、その姉が恐ろしい謎に巻き込まれていく!

12月27日(土) 11:00

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2025年12月12日より全国公開された『シェルビー・オークス』は、確かな審美眼で注目を集め続けるアメリカの独立系映画製作・配給会社NEONが放つ戦慄ホラー。公開前に試写で観た本作の感想を紹介(以下、ネタバレを含みます)。
【写真】失踪した妹の行方を追う姉ミア(カミール・サリヴァン)のもとに不気味なビデオテープが届く
映画『シェルビー・オークス』のメイン写真


【ストーリー】
オハイオ州の廃墟と化した町シェルビー・オークスで、人気ホラー実況チャンネル「パラノーマル・パラノイド」のMCライリー・ブレナン(サラ・ダーン)が忽然と姿を消した。

事件は未解決のまま12年が経ったある日、妹の行方を追う姉ミア(カミール・サリヴァン)のもとに、見知らぬ男が訪ねてくる。男は「やっと解放された」と告げると、突然自分の頭を銃で撃ち抜いた。ミアは恐怖に襲われるが、彼の手に握られていた“シェルビー・オークス”と書かれたビデオテープに目を向ける。

男が持っていたテープの映像を手掛かりに事件の真相を探るミア。現場に残った奇妙な刻印、幼少期の悪夢、呪われた町の歴史、言い伝え、すべての謎がひもとかれた時、辿り着いたのはあまりにも恐ろしい事実だった…。
【写真】失踪した妹の行方を追う姉ミア(カミール・サリヴァン)のもとに不気味なビデオテープが届く


■犯罪ドキュメンタリーとファウンド・フッテージ、そしてサイコサスペンスの恐怖を融合させた新感覚ホラー
本作の予告編を最初に観た時、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)を思い出し、これはファウンド・フッテージホラーかな?と思ったのだが、実際に鑑賞してみると別のジャンル映画としても楽しめることに気づき、思わずニヤリとしてしまった。

ちなみに『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は手持ちカメラで撮った映像が続くことから、画面の揺れに酔ってしまう人も多かったが、本作はビデオカメラの映像を手がかりにしながら行動する姉の姿を描いていくため、失踪した妹が映るホームビデオの映像は時々挿入される程度だ。だから酔いやすい人でも安心して観られる作りとなっている。

物語は、失踪した妹を探す姉の元に突然見知らぬ男が現れたところから大きく動いていく。男が持っていたビデオテープの映像には、とんでもなく恐ろしい光景が映っていて、ここで“あ…この映画は犯罪ドキュメンタリーの要素もあるんだな”と気づいた。

というのも、映像にはライリーと彼女の仲間が次々と一人の男に襲われている姿が映っていたからだ。実はそのシーンを観るまでは、“幽霊ものでは?”と勝手に思い込んでいた筆者。“ライリーが人間に拉致監禁されているなら居場所を探さねば!”と、姉のミアと同じようにやる気スイッチが入ったのもこのシーンからだった。(ホラー映画を観ていると、次にどんな行動を取ればいいのかを主人公目線で考えてしまうことってありますよね?笑)
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姉のミアは事件の手がかりを探すため、自殺した男のことや、ビデオテープに書かれた“シェルビー・オークス”という町を調べ始める。男の過去とミアの幼少期のある記憶、そして今は廃墟と化したシェルビー・オークスが少しずつつながっていく展開にはワクワクさせられた。

実はミアがシェルビー・オークスにやってきてからもう一人登場するのだが、見るからに怪しい人物(予告編にも映っている)で思わず笑ってしまった。ここでサイコサスペンスや別の恐怖要素も加わるので楽しみにしてほしい。
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■ホラージャンルのスペシャリストたちが集結した究極のホラーに背筋が凍る!
NEONは、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)や『ANORA アノーラ』(2024年)など、カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した作品の北米配給権を5年連続で獲得し、2017年の設立以来、確かな審美眼で注目を集め続けるアメリカの独立系映画製作・配給会社。過去10年における独立系ホラーの全米最高興行収入を上げた『ロングレッグス』(2024年)のインパクトも記憶に新しい気鋭スタジオが、廃墟と化した町が舞台の戦慄ホラーを世に送り出した。

監督を務めたのは、映画評論家としてYouTube黎明期より活動し、現在ではチャンネル登録者数200万人を超える人気YouTuberのクリス・スタックマン。「The Film Buff's Bucket List: The 50 Movies of the 2000s to See Before You Die(映画ファンのバケットリスト:死ぬまでに観るべき2000年代の映画50選)」などの著書もある彼にとって、これが初長編監督作となる。
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エグゼクティブプロデューサーは、映画『オキュラス/怨霊鏡』(2013年)、『ドクター・スリープ』(2019年)やドラマ『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』(2018年)、『アッシャー家の崩壊』(2023年)などのマイク・フラナガン監督。

個人的にはマイク・フラナガン監督のホラー作品が大好きで、中でも米作家シャーリイ・ジャクスンによる小説『丘の屋敷』をドラマ化した、Netflixのホラーミニシリーズ『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』はマイベストに入れているほどお気に入り。この作品は巧妙に練られたストーリー展開が魅力で、真実が明かされた瞬間に涙が止まらなくなるお辛みホラー(だけどおもしろい)。ぜひこちらも鑑賞してほしい。

本作に話を戻すと、クリス・スタックマン監督は、『ライト/オフ』(2016年)のデヴィッド・F・サンドバーグや『クワイエット・プレイス』(2018年)の脚本を手掛けたスコット・ベック&ブライアン・ウッズ、『search/サーチ』(2018年)の脚本・製作を務めたセヴ・オハニアンといった錚々たる顔ぶれにも意見を求め、恐怖描写を研ぎ澄ませていったのだそう。

ホラージャンルのスペシャリストたちが集結した究極のホラーをぜひ劇場でご覧いただきたい。
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文=奥村百恵

(C)2024 SHELBY OAKS LLC All Rights Reserved

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