「ここ、俺のクラスで~す」と教室内で勝手に動画配信が始まったのを、すかさず「配信やめろ。プライバシーとかあんだろが」と注意したのは、転校してきたばかりの男子生徒だった。この男子生徒、顔面が鬼のように怖いため、2カ月前に転校してきて以来、いまだ誰も話してくれず友達がいなかった。このときも波が一斉に引いていくようにクラスメイトたちが引いていってしまった。
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そんな彼の目に止まったのは、彼のことを全く怖がる様子のない一人の女子生徒。彼女は「人に興味がない冷血人間」「性格が悪い」と陰口をたたかれ、学校でいつも一人ぼっちだった。実は彼女は人に興味がないのではなく、人の顔の区別がつかない「相貌失認症」だった!
凶悪な顔面のせいで友達ができない彼と、人の顔が区別できないせいで人間関係がうまくいかない彼女が協定を結び、「模擬友達」を始めることに…!「模擬」とはいえ、“友達”に飢えていた2人…念願だった友達という存在を手に入れ、この上なく浮かれる様子がかわいくておもしろい!本作『ぼっちサバイバー』を描いたのは「LINEマンガ インディーズ」にて『ナマケモノ学』を連載していたハリ(@chespin_hari)さんである。ハリさんに本作について話を聞いてみた。
――本作は相貌失認症を取り扱った作品ですが、このテーマで漫画を描こうと思ったきっかけについて教えてください。
相貌失認症についてのドキュメンタリーを見たとき、自分の体験と重なる部分が多く、強く共感したのがきっかけです。私自身も生まれつき視力が悪く、人の顔をぼんやりとしか捉えられなかった時期が長かったため、視力を矯正したあとでも人違いをしてしまうことがよくありました。その経験を作品に反映させています。
――本作に込めた想い、読者へのメッセージなどをお聞かせください。
LINEマンガで連載していた『ナマケモノ学』でも、周囲と認知が異なる主人公の苦しみや、違うからこそ見える世界のおもしろさを描いてきました。本作『ぼっちサバイバー』ではたくさんの共感するコメントをいただきました。皆さんにも“違い”をポジティブに捉えていただけたらうれしいです。
――作者ならではのお気に入りポイントや、「ここを見てほしい」というこだわって描いた点がありましたら教えてください。
つぐみちゃんが、人の顔を見ようと常に強く意識しているところです。彼女の視線の動きや表情の変化に注目していただけるとうれしいです。
現在、ハリさんは新作の連載が決定しており、絶賛執筆中だという。新作についても話を聞くことができ、「成り上がりのファンタジーラブコメで、絵も話も担当編集さんと一緒に練り上げました。おもしろいので、ぜひ多くの方に読んでもらいたいです」とコメントをもらった。タイトルは『氷皇子は砂漠の姫に狙われる(仮)』で、「ガンガンONLINE」で2026年スタート予定だという。詳細は決まり次第、ハリさんのSNSでお知らせするとのことなので、この機会にフォローして待とう!
取材協力:ハリ(@chespin_hari)
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