『わたしは最悪。』(21)のヨアキム・トリアー監督最新作『センチメンタル・バリュー』(2026年2月20日)から、本予告が解禁された。
【写真を見る】第78回カンヌ国際映画祭では19分間に及ぶスタンディングオベーション!グランプリも受賞した『センチメンタル・バリュー』
2025年の第78回カンヌ国際映画祭で本映画祭最長19分間に及ぶスタンディングオベーションで会場を沸かせ、グランプリを受賞した本作。本年度アカデミー賞ノルウェー代表作品に選出されたほか、本賞各部門でも有力候補の呼び声が高い本作を手掛けたトリアーは、『わたしは最悪。』で第94回アカデミー賞の脚本賞、国際長編映画賞の2部門にノミネートされた注目のクリエイター。同作で恋愛と人生の選択をリアルに描いたトリアーが次なるテーマに選んだのは、愛憎入り混じる“親子”という名のしがらみだ。
主演には再びレナーテ・レインスヴェを迎え、映画監督の父親役には名優ステラン・スカルスガルド。さらに、本作の演技で脚光を浴びるインガ・イブスドッテル・リッレオースに加え、ハリウッドからエル・ファニングも参加。複雑かつ緊張感に満ちた人間模様を浮かび上がらせる。
このたび解禁されたのはこの映画の本予告。俳優ノーラ(レインスヴェ)の前に現れたのは、かつて⾃分と家族を捨てて以来、⻑く⾳信不通だった映画監督の⽗グスタヴ(スカルスガルド)。突然の再会とともに差し出されたのは「お前のために書いた」という新作映画の主役オファー。「いまさら関わらないで」とノーラが⽗を突き放すその瞬間から“こわれた親⼦”の物語が動きだす。やがてグスタヴは、ノーラの代役としてアメリカから⼈気俳優のレイチェル(エル・ファニング)を抜擢。かつて家族の思い出が詰まった実家で撮影を⾏うため、ロケハンにレイチェルを連れてくる。その出来事が、ノーラに再び⽗への想いと向き合うことを強いる。
許しがたい⽗への感情。しかし憎しみに囚われて前に進めない⾃分⾃⾝のこともまた許せない。ノーラが「私だけ失敗作」と妹のアグネス(イブスドッテル・リッレオース)に告⽩し、姉妹が抱き合うシークエンスには胸を締めつける。「受け⼊れたいのに、許せない」。親⼦だからこそ割り切れない思いを抱えるノーラと、映画を通して想いを伝えようとするグスタヴ。その間に絡み合うレイチェル、そしてアグネス。4⼈それぞれの感情が交錯していく。
さらに、第83回ゴールデングローブ賞で監督賞と脚本賞にノミネートされた監督のトリアーから、⽇本の観客に向けたメッセージも到着。「こんにちは」と⽇本語の挨拶から始まり「『センチメンタル・バリュー』が⽇本公開されるとのこと、とてもうれしいです。ぜひ、 劇場で観ていただきたいです。 深い家族の物語なのですが、⼤きいスクリーンで観ていただくのが⼀番だと思います。どうぞ、ご覧ください」と⽇本での劇場公開を喜ぶメッセージとなっている。
俳優の娘と映画監督の父を軸に、共感必至の家族模様を繊細な筆致で描いた本作。世界中の批評家や映画ファンを唸らせた結末をスクリーンで見届けてほしい。
文/スズキヒロシ
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