ふるさと納税の「ワンストップ特例申請」が楽だと聞きました。確定申告と比べて、どれくらい手間がかからないのでしょうか?

ふるさと納税の「ワンストップ特例申請」が楽だと聞きました。確定申告と比べて、どれくらい手間がかからないのでしょうか?

12月26日(金) 9:10

ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付をすることで、税金の控除を受けられる仕組みです。その控除を受けるには、「確定申告」か「ワンストップ特例申請」のいずれかの手続きが必要ですが、「ワンストップの方が楽」と感じる方も多いのではないでしょうか。 でも、実際にどのくらい手間が違うのか、何が楽なのかは、初めての方には分かりにくいものです。 この記事では、「ワンストップ特例申請」と「確定申告」の違いとどれくらい負担が違うのかを解説します。

まずは制度の違いを簡単に確認

ふるさと納税による税金の控除を受けるには、以下の2つのいずれかの方法で手続きを行う必要があります。
 

確定申告:税務署へ申告書類を提出し、所得税と住民税の控除を受ける方法
ワンストップ特例申請:申請書を各自治体に提出し、住民税から控除を受ける簡略化された方法

 
ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者(会社員など)で、寄付先が年間5自治体以内という条件を満たす場合に限り利用できます。
 

確定申告とワンストップ申請の「手間」の違いは?

手続きの内容や準備の手間を比較すると、両者の違いは以下の通りです。
 

■ 確定申告の主な流れ

・寄付したすべての自治体から届いた「受領証明書」を保管(※)
・税務署の確定申告書類を作成(収入や控除、マイナンバーなどの情報を記載)
・提出方法を選ぶ(郵送、持参、e-Taxなど)
・所得税の還付、住民税の控除を受ける

⇒所得税と住民税の両方で控除を受けられるが、手続きはやや複雑です。時期も、令和7年分(2025年分)であれば2026年3月16日(月)までと決まっています。
 
※ふるさと納税サイトでは、「受領証明書」に代わって利用できる「寄付金控除に関する証明書」を無料発行するサービスが用意されています。こちらを利用すれば1年分をまとめて出力することができて便利です。ただしサイトを併用している人は各サイトで取得が必要となりますのでその点は注意が必要です。

 

■ ワンストップ特例申請の主な流れ

・寄付時に「ワンストップ特例申請を希望する」と選択
・各自治体から送られてくる申請書を記入
・マイナンバー確認書類と一緒に自治体に郵送(寄付の翌年1月10日必着)

 
⇒自治体ごとに個別の申請が必要ですが、記入項目は少なく、確定申告に比べて簡単。パソコンやスマホが苦手な方でも対応しやすいのがメリットです。

 

ワンストップ申請は楽だが、条件と注意点も

確定申告に比べて「手間がかからない」とされるワンストップ特例ですが、以下のような制限があります。
 

・対象となるのは「確定申告が不要な人」だけ(会社員など)
・寄付先は「5自治体以内」まで
・期限は2026年1月10日(必着)※遅れると無効になります

 
また、ワンストップ特例を申し込んだ後でも、医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告を行うと、ワンストップ特例は無効になります。その場合、改めて確定申告でふるさと納税の控除を申請しなければなりません。
 

どちらが自分に合っている?

確定申告とワンストップ特例申請、それぞれの特徴を踏まえて、「自分にはどちらの方法が合っているのか」を考えることが大切です。
 
たとえば、医療費控除や住宅ローン控除など、もともと確定申告を行う予定がある方は、ふるさと納税についても確定申告にまとめて記載する方が効率的です。寄付先の自治体が6つ以上になる場合も、ワンストップ特例の対象外になるため、必然的に確定申告が必要になります。
 
一方で、給与所得のみで確定申告の必要がなく、寄付先も年間で5自治体以内という方であれば、ワンストップ特例申請の方が手間がかかりません。書類の記入も少なく、税務署に出向く必要もないため、初めてふるさと納税をする方にとってはとくに使いやすい制度です。
 
ただし、ワンストップ特例には「申請書の提出期限(翌年1月10日まで)」や「確定申告をしてしまうと無効になる」など、細かな注意点もあるため、自分の生活スタイルや予定に合わせて、無理のない方法を選ぶことがポイントです。
 

まとめ

ふるさと納税の控除手続きには、確定申告とワンストップ特例申請の2つの方法があります。ワンストップ特例は、条件を満たす人にとっては非常に手軽な制度であり、確定申告のような複雑な書類作成や税務署への提出も不要です。
 
ただし、申請期限や寄付先の上限など、いくつかの注意点もあるため、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。「ふるさと納税をしてみたいけど、手続きが不安」という方は、まずはワンストップ特例が利用できるかを確認し、無理のない方法から始めてみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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