職場のパートさんが「時給1250円」なのに、私はずっと「手取り20万円」以下…残業は“ほぼなし”ですが、「正社員でいるメリット」ってあるんでしょうか? 時給もあわせて比較

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12月26日(金) 4:20

正社員で働いていると、「自分の収入を時給に換算したらどれくらい?」という疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。今回は、手取り20万円のケースを時給として試算するとともに、正社員とパート勤務の違いについて紹介します。

地域別最低賃金は令和7年度の改定で“全国加重平均1121円”に

厚生労働省は令和7年8月4日、令和7年度地域別最低賃金改定の目安について報道発表を行いました。東京都においては、令和7年10月3日を効力発生日として、最低賃金が「1226円」に引き上げられています。
 
全国加重平均は66円引き上げの「1121円」であり、これは昭和53年度に目安制度が始まって以降最も高い金額となっています。改定後の最低賃金は、各都道府県において令和7年10月以降に順次適用されています。
 

“手取り20万円”の正社員、時給に換算すると“1500円前後”?

手取り20万円のケースを例に、時給に換算するための試算を行います。
 
厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査 結果の概況」によると、令和5年1年間の年間休日総数の労働者1人平均は116.4日でした。これにより、所定労働日数は次のように求められます。
 
365日-116.4日=248.6日
 
これを1ヶ月あたりに換算すると以下のとおりです。
 
248.6日÷12ヶ月=20.7日≒21日
 
また、同調査では1日の所定労働時間について、1企業平均7時間47分(7.783時間)としています。そのため、1ヶ月の所定労働時間は次のようになります。
 
7.783時間×21日=163.443時間
 
パート勤務として上記の所定時間を東京都の最低賃金で働いた場合、収入の目安は以下のように求められます。
 
163.443時間×1226円≒20万381円
 
次に、掲題の「手取り20万円以下」の正社員の場合を計算します。一般的な手取り額は「額面の7~8割程度」とされることから、手取り20万円以下の差引前支給額はおおむね24~26万円であると推測されます。
 
この差引前支給額を、上記の所定労働時間で時給換算すると「1468円~1590円程度」となるため、最低賃金を下回るということはなさそうです。一方、正社員としての責任に見合っているかは意見の分かれるところかもしれません。
 
なお、通勤手当・家族手当といった一部の諸手当は本来、時給計算には含まれません。この概算はあくまで目安と考えましょう。
 

正社員とパートの違いやメリット・デメリット

掲題の例にあるように、正社員として働くことに対して疑問を感じる人もいるかもしれません。正社員とパートには、主に以下に挙げるような違いがあります。
 
(1)労働時間
パート勤務の場合、勤務日数や時間については正社員より短くなるケースが一般的です。一方、正社員は、原則として1日8時間・週40時間を上限とする「フルタイム」での勤務となるケースが一般的です。
 
パート勤務であれば私生活の都合などをシフトに反映しやすいメリットがありますが、その分正社員と比べると、収入は安定しにくくなるかもしれません。
 
(2)手当や福利厚生の有無
交通費や有給休暇などといった手当・制度は、雇用形態に関係なく支給・付与されることが原則とされます。一方、住宅手当や家族手当など、企業が独自に規定する手当や福利厚生については、パート勤務の場合は対象とならないケースもあります。
 
(3)社会的信用
正社員については、契約期間を定めない「無期雇用」が前提です。この点から安定的・長期的に収入を得られると判断され、カーローンや住宅ローンの借入、クレジットカード申請などの審査に通りやすい傾向にあるとされます。
 

まとめ

正社員とパート勤務にはそれぞれの特徴があり、それぞれの状況によって、どちらかの雇用形態が優れているわけではありません。現状の働き方に疑問を感じるならば、収入や私生活とのバランスについて、一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
厚生労働省 令和6年就労条件総合調査 結果の概況 労働時間制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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