スピッツの名曲を原案にしたせつないラブストーリー、映画『楓』(公開中)のクリスマス舞台挨拶が新宿バルト9で開催され、W主演を務めた福士蒼汰、福原遥、行定勲監督が登壇。主人公の須永涼&恵の学生時代を演じた北島岬が登壇者にも完全サプライズで登場し、映画撮影時以来となる驚きの再会という“クリスマスプレゼント”で会場を沸かせた。
【写真を見る】自身の学生時代を演じた北島岬がサプライズ登場!くしゃくしゃの笑顔を見せる福士蒼汰
この日の福士と福原は、モノトーンを基調としたベロア素材の衣装に身を包んで登場。まさにクリスマスにピッタリの衣装となったが、系統が似たことについて「偶然なんですよ」と笑った福原に、福士も「これまでも偶然、衣装が揃うことが多くて」と返すなど、撮影から続く2人の相性のよさを感じさせた。
12月19日に公開され、熱い感想が寄せられている本作。周囲からの反響について質問された福士は「僕の姉が友達と観に行ってくれたんですけど、帰り道でも泣くと言っていましたね。電車で帰りながら『あそこってああだよね』『ここはこうなってたから、だからか!』と感想を言い合いながらまた泣くという。それを聞いて、思い出すたびに泣ける映画になっているんだなと実感しました」とコメント。
「友人や家族も、みんな観てくれて、号泣したと口を揃えて言ってくれました」と振り返った福原も「この映画のプロモーション映像で、お客さんが映画を観て涙を流している映像があるんですけど、あそこに実は私の友人が映っているんです。見たらすごく号泣していたんです」とまさかのつながりを明かして、会場を驚かせた。
一方の行定監督のもとには、家族や親子で鑑賞したという声が届いているとのことで、「親子で観に行ったという人の感想があって。その娘さんが『10年後にもう一度この映画を観たい』と言ってくれたそうです。いま感じていることと、10年後は違う感じがするからと。お母さんがハラハラと涙を流している姿を横で見て、『お母さんはこれまでの人生でなにがあったんだろう』と思ったそうです。年代によって人への想いの伝わり方が変わる。僕は10年後にもう一度観たいと思えるような映画であってほしいと常に思って映画を作っているので、実際にそういうふうに思ってもらえるのは嬉しいですね」と笑顔を見せた。そしてその言葉どおり、会場には親子で来たという観客もチラホラ。さらに2回以上というリピーターの姿も多く見受けられた。
また、司会者から、「客席内に、福士さんと福原さんの写真をぜひとも撮影したい、という人が来ています」と告げられた福士、福原たちは「え?」と驚いた様子。そして会場を探し始めた2人の視線の先で、報道陣席にまぎれて座っていたのは、福士演じる須永涼&恵の高校時代を演じた北島だった!カメラを構え、本編の役柄を彷彿とさせる姿は、あまりにも自然。イベント冒頭からマスコミ席に潜伏していたにもかかわらず、登壇者にはまったく気付かれず“サプライズ”は大成功となった。
あらためて司会者より紹介された北島は、カメラを構えたままステージに立ち、ステージの3人に近づいて3ショットを撮影。「目が合ったら気付かれちゃうなと思って、目を合わせないようにこっそり座っていました」と笑う北島に、「びっくりした。全然気付かなかった」と福士。福原も「サプライズだ。うれしい!」と笑顔を見せた。
客席に座っていた時にはずっとカメラで撮影していたという北島。「本当にかっこいいなと思っていました」とはにかむ姿に、会場からは思わず「かわいい」という声が漏れるひと幕もあった。実際に福士演じる涼と恵を演じた北島は「小さいころから『福士蒼汰くんに似てるね』と言われる機会が多かったんです。こうして実際に福士さんの若いころを演じられたのは、個人的に運命だなと感じています」とまっすぐな眼差しでコメント。
さらに「僕はまだお仕事の経験が少なくて。映画に出演するのは今回で2回目だったんです。普段無意識でやっているような歩き方とかを行定監督や福士さんからアドバイスをいただきました」と振り返った北島に、福士も「屋上で亜子を追いかけて階段を上るシーンとか、写真の構え方とかを教えましたね」と語ると、「本当にすばらしかった、という意見も多いみたいで。『あの子なに?』『もう覚えた』『応援する』といった意見も多かったみたいですよ」と北島の将来性に太鼓判を押すひと幕もあった。
そんな北島の役作りについて行定監督は「福士くんと福原さんに高校生時代の芝居を演じてもらって。それを録音したものを北島くんに何度も聞いてもらいました。でも完コピしても、北島くんの味が出るところがいいなと思いました。その成果があって、ちゃんと高校生時代の2人がそこにいたので、大人になった2人の説得力が増しましたね」と述懐。そんな2人が並んで立つ姿に、福原も「くしゃっと笑うところが似ていますね」と笑ってみせた。
その後、登壇者たちは来年の抱負を記した巻物を披露することに。まずは北島が「一生懸命」と発表した。「これからどんどんキャリアを積んで、福士さんや福原さんのような俳優になりたいです。目の前のことを一生懸命努力して、一生懸命生きていって。これからいただける役とかにも一生懸命生きていけたら、周囲から応援されるような人になれるのかな。だから、来年は一生懸命生きようと思います」と決意を語った。
続いて福士が書いたのは「カメラ技術の向上」。実際に劇中でもカメラマンの役を演じたということで、「映画で演じていても楽しかったですし、僕も涼くんと同じで、なにかに集中してる人を撮ったり、人の笑顔を撮るのが好きだなと思ったので。技術を向上させて、まわりの方々の笑顔をたくさん記録できたらなと思っています」とコメント。
福原は「吸収と成長」を掲げた。その想いについて「今年はまだまだ足りてないなとすごく感じた1年だったので、来年はいろいろ身につけたいなと思っています。引き出しを増やしたいんです。今回ニュージーランドに行って英語を話すシーンがあったんですけど、福士さんは本当にペラペラで助けてもらったんで、来年こそは英語もちょっとずつできるようになりたい。いろいろな吸収ができる1年になったらいいなと思いました」と決意を語る。
行定監督は「改めて人生考える」と回答。「僕は自分の人生をあまり考えてこなかったんです。映画を作っていると、他人の人生のことばかり考えてしまうんです。だからちょっとぐらい自分らしい人生ってどんなもんなんだろう、と考えてみようかなと思ったんですけど…でも映画に入ったらまたすっかり忘れるんだろうな」と笑いながらつけ加えた。
最後に福原は「この映画は、観終わったあとに大切な人をもっと大事にしたくなるような、そんな心が温まる作品になっています。ぜひスピッツさんの『楓』という曲を自分色に染めて、観て帰っていただけたらいいなと思います。2回目、3回目とまた違った視点で楽しめるすてきな作品になっていますので、ぜひ映画『楓』をたくさん愛していただけたらうれしいです」とあいさつ。
そして福士も「『楓』という映画は、観れば観るほど味が出るというか、見方が変わる作品になっていると思います。『楓』はたくさんあるスピッツさんの曲のなかでも、いつ聴くかによって、感想だったり聴き方が変わる曲なんだと思うんです。それはこの映画も同じだなと思っていて。なので、何回も観に来ていただいて、最後に流れるスピッツさんの『楓』を劇場でぜひ体感してほしいなと思っております」と語り、大盛り上がりのうちにイベントを締めくくった。
文/山崎伸子
【関連記事】
・
福士蒼汰、まっすぐすぎる福原遥が「とにかく心配」!映画『楓』W主演コンビの共通点は“ピュアさ”
・
映画『楓』福士蒼汰&福原遥ほかキャスト陣の素顔と撮影現場の熱気を捉えたメイキング&オフショット
・
福士蒼汰&福原遥、映画『楓』公開に感無量!「スピッツを劇場で聴く体験はなかなかできない」宮近海斗の悩みにアドバイスも
・
福士蒼汰、福原遥、宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗が『楓』を語り尽くす!スペシャル座談会映像を公開