【漫画】本編を読む
デパートやスーパーでの試食。「買わなければいけない」という思いがあるからか、近づきたくない親と食べてみたい子どもの攻防を見かけることがある。今回は、タジマオオカさん(@pu92yu)が描く実録漫画「試食漫画」を紹介するとともに、販売員としての思いを聞いた。
■「もらってきなさい」と指示する親、近づけない販売員
試食販売員にとって「買わなくてもよいから、食べてほしい」というのが本音だ。新製品の味を多くの人に知ってもらうためのデモンストレーションだからである。
よくある試食コーナーでの出来事として、子どもが「試食したい!」と親の手を引っ張るシーンがある。しかし、販売員はアレルギーの有無がわからないため、子どもに直接試食を渡すのはNGであり、保護者に直接手渡さなければならない。
ところが、ある親は試食ブースには近づきたくない様子で、子どもに「もらってきなさい」と指示をするばかり。販売員がルールを守り、試食した容器を回収しようと近づくと、保護者は「近づかないでよ、気持ち悪い!」と言い放ち、ゴミを投げつけてきたという。
■「接客業には何をしてもいい」という誤解
タジマオオカさんは、試食をおすすめする側として「とにかくお味を見てほしいので買う買わない関係なく、多くの方に試していただきたいです。ただ、やはり『買わなきゃ』と思ってしまいますよね…。お客様に負担をおかけしないよう、工夫してお渡ししたいと思っています」と語る。
親の態度については、「基本的に販売員はお客様に何を言われても、丁寧に失礼のないように接します。明らかに小学生や中学生と思われる年齢の方にからかわれることもあり、『接客業の人には何をしてもいい』という誤解がもしも未成年の方々にあったら、それは悲しいことだと感じています」と懸念を示した。
■理不尽な客ばかりではない
販売員の仕事について、「確かに理不尽な方もいらっしゃいますが、多くの方は良識のある優しいお客様です。そういったお客様に出会えたり話したりしていると『人っていいな』と思える瞬間があって、それが販売の仕事を続けるモチベーションになっています」とタジマさんは語る。
子どもの前でゴミを投げつける親の態度は、いかがなものか。販売員は、言いようのない悲しみを抱えながらも現場に立っている。
■取材提供:タジマオオカ(@pu92yu)
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