「カップ麺の上から始まった革命」ぬースト10周年、開発者が語る大ヒットの理由

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「カップ麺の上から始まった革命」ぬースト10周年、開発者が語る大ヒットの理由

12月25日(木) 12:00

カップ麺の蓋を押さえたり、机やPCモニターの上にちょこんと座らせて飾ったり。遊び心と実用性を兼ね備えたフリューのプライズフィギュア”ぬーどるストッパーフィギュア(ぬースト)”が、2024年で誕生10周年を迎えた。これまでに350点以上、累計700万個超(2025年3月末時点日本国内のみ)が展開され、今やプライズフィギュアを代表する人気ブランドに成長している。
今回は、10周年を機にリブランディングを実施する”ぬースト”の魅力と制作の裏側について、フリュー株式会社 世界観事業本部 キャラクターMD事業部 開発1部・吉田凌氏に話を伺った。

【関連写真】記事内で登場した『ぬースト』の写真をチェックする!

――”ぬースト”はどのように生まれたのでしょうか?
吉田氏:「他社にはないフリュー独自のブランドを作る」というところからスタートしたと聞いています。プライズ業界は先発企業が強く、後発の弊社が版権元にフィギュア化の許諾をお願いしても、なかなかOKをいただきにくい状況でした。そこで、他社と差別化できるオリジナルブランドとして企画されたのが”ぬーどるストッパーフィギュア”です。

――”ぬースト”ならではの魅力とは?
吉田氏:最大の特徴は「座りポーズ」であること、そして「カップ麺の蓋を押さえる」という実用性です。当時、座りポーズのフィギュアは非常に珍しく、そこに”生活の中で使える”要素を加えたことで多くの方に興味を持っていただきました。
棚やパソコンの上など、気軽に飾れる場所が増えたこと。さらに男性キャラ、VTuber、ファンシーキャラのようなマスコットなどラインナップの幅が広がったことで、女性を含むライト層にも一気に広がっていきました。

――ここまで人気が出ると当時から予想していましたか?
吉田氏:第一弾の『すーぱーそに子』が想像以上に話題となり、多くの版権元に関心を持っていただけました。”ぬーストなら他社と差別化できるから”という理由で特別に許諾をいただいたケースもあり、狙い通りの効果はありましたね。ただ、10年でここまで大きく育つとは嬉しい誤算でした(笑)。

――商品開発の特長やこだわりを教えてください。
吉田氏:通常フィギュアの開発は承認に時間がかかりますが、フリューでは現場レベルで企画の判断を行い、スピーディーにGOが出せる体制です。これは個人がやりたいことをして企業成長を目指すというフリューの風土がベースになっていて、開発期間は短くても1年数ヶ月、長いと2年。そのなかでスピードやユーザーと同じ目線で考えられた面白い企画は大きな強みになっています。
また、弊社では企画から量産サンプルの最終OK、その後の販促物作成など、商品が世に出るまでの多くを同じ開発者が一貫して担当します。他社では企画と量産品で担当が変わることが多いので、これは大きな違いです。顔の造形の”0.1ミリの差”で印象が変わる世界なので、量産時の微調整も、企画段階からキャラを理解している開発者だからこそ対応できます。まさにスカウトからデビューまで見届けるような気持ちで、愛情を込めて作っています。
さらに、予算管理がシビアなプライズフィギュアでは、「どこにコストを使い」「どこを工夫してコスト削減するか」といった判断が非常に重要です。一貫して見ているからこそキャラの魅力を表現するための大事なポイントを逃さず、限られた予算の中でクオリティ向上を実現しています。

――10年間で特に印象的だった”ぬースト”を教えてください。
吉田氏:まずブランドの転機となったのは、2019年の『Fate/Grand Order』葛飾北斎です。造形や表情、豪華な和装が高く評価され、「ぬーストはクオリティが高い」というイメージを確立するきっかけになりました。歴代で最も人気が高かったのは、2021年発売のアニメ『呪術廻戦』五条悟です。歴代商品の中でも市場に多く出回り、ファンの方からも反響が大きかったぬーストになっています。
また、海外で特に支持を集めているのは”初音ミク”です。フリューでは、アジアや北米を中心に海外でホビー物販事業を行っているのですが、”初音ミク”は海外ファンからの反応が非常に大きく、弊社の海外物販展開を牽引してくれている存在ですね。

――反響の大きかったものは?
吉田氏:まず大きな反響をいただいたのは『刀剣乱舞ONLINE』のへし切長谷部です。正座ポーズの高い再現度が話題となり、女性ファンを中心にぬーストの認知を大きく広げてくれました。
また、その他に反響が大きかったのが『北斗の拳』シリーズです。私自身が担当したのですが、版権元や原作者・原哲夫先生と丁寧にフィギュアのポージングから筋肉の造形、影の入れ方など多くのこだわりポイントを詰めた結果、想像以上の評価をいただき、ブランドとしての新たな方向性を示してくれた作品だと思います。

――10周年リブランディングでは何が変わるのでしょうか?
吉田氏:認知度をより高めるため、ロゴやパッケージを統一して新しいブランドイメージに刷新します。これまでは商品ごとにデザインもバラバラでしたが、アミューズメント施設で「ぬーストだ!」と一目でわかるような世界観に整えていきます。
また、弊社は”ぬースト”以外にもプライズブランドとして「Trio-Try-iT」「BiCute(Bunnies/Pure/Dark)」などを展開しており、プライズとは思えない造形・彩色を追求しています。ホビーフィギュアでは、高品質の「F:NEX」、手頃価格の「TENITOL」を自社EC中心で展開。プライズをきっかけに、こちらも手に取ってもらえたら嬉しいです。

――最後に”ぬースト”ファンへメッセージを。
吉田氏:より愛されるブランドになるために、”ぬースト”の魅力を改めて見直しながらさらに遊べて楽しめるフィギュアを届けていきたいと思っています。11月に開催した「アミューズメントエキスポ2025」では新しいブランドイメージを初めてお披露目したのですが、多くのファンの方の熱気を体感してとても嬉しく手ごたえも感じました。新しく動いている企画もありますので、これからの”ぬースト”にぜひご期待ください!
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