男が電話に出ると、女は「あたしメリーさん」と元気よく名乗った。これは都市伝説でかの有名なメリーさんからの電話であろうか?しかしこのメリーさん、どこか様子が変で…。
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メリーさんが「あたしは今どこにいるでしょーか」と質問してきた。「知るかよ」と塩対応の男にめげず「モー!冷たいなあ。メリーさんが今どこにいるか当ててごらん?」と明るい。とても好印象なメリーさんだが、どうやら方向音痴のようで「あなたのうしろに…行きたいのに」と嘆くセリフがかわいらしい。この頼りないメリーさんは、男の背後を取ることはできるのだろうか?
本作を描いたのは、2025年3月に『会話』で「pixiv漫画月例賞」を受賞したKYAN-DOGさんである。主にイラスト業の活動をしているKYAN-DOGさんは、これまで単行本『ぼくのキャノン』(著:池上 永一)の装丁画などを手がけてきた経歴を持つ。「これまでも気の迷いで衝動的にマンガを描くこともありましたが、本格的に描きはじめたのは最近で、2024年12月ごろからです」と話す。
KYAN-DOGさんに『メリーさん』について話を聞いてみた。
――都市伝説のメリーさんを題材にした作品ですが、作品を描いたきっかけは?
作品の冒頭のセリフでもありますが、メリーさんが「あたしメリーさん、今どこにいるでしょーか」というポンコツなシーンを描きたかったんです。その衝動から始まりました。
――たしかにホラー要素はゼロのポンコツっぷりですね(笑)
めちゃくちゃ方向音痴で近づくどころかむしろ遠のいていくメリーさんがいたらおもしろいよなーと…!ホラーも見方を変えると意外とコメディになるんですよね。本当のホラーを描こうとすると気が滅入ってしまうので、あえてギャグ路線にすることで最後まで描けました。
――ポンコツなだけでなくおてんばでキュートなメリーさん。私は「きちゃった。」のコマが大好きでした!
メリーさんの登場シーンですね。いろいろメリーさんの登場パターンを考えたんですが、やはりかわいい女の子を描きたかったので(笑)。気に入ってもらえてうれしいです。
――KYAN-DOGさんの、作者ならではのこだわりの1コマを教えてください。
こだわりのコマは終盤で現れるメリーさんが「やっとやっとあなたの目の前に」という場面です。本来のメリーさんって、少しずつ近づいてきて「あなたの後ろに…」となって終わるわけですが、そこをむしろ目の前から堂々と現れちゃうポンコツなメリーさん、しかもようやく辿り着けてうれしくて涙目という。ここのセリフと表情はこだわった気がします。
現在、本格的に漫画家を目指しているというKYAN-DOGさんは、タテヨミマンガも執筆しており、「ジャンプTOON NEXT!」(集英社)で連載中の『のろわれ上手のやおよろず』は「第3回ジャンプTOON NEXT!新人賞」にて佳作を受賞。『のろわれ上手のやおよろず』は、ポンコツなギャルたちのかみ合わない会話がおもしろく、またギャルに振り回される主人公も愛すべきポンコツ男子だ。「コックリさん」「呪いのミイラ」などの都市伝説を題材に扱ったストーリー展開にもドキドキ!気になる人はこちらの作品もぜひ読んでみて。
取材協力:KYAN-DOG
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