2021年本屋大賞にノミネートされた深緑野分による同名冒険ファンタジー小説を劇場長編アニメーション化した『この本を盗む者は』が、12月26日(金)よりスクリーンに登場する。本にかけられた呪い“ブック・カース”の発動によって、町が突然、物語の世界にのみ込まれてしまうなか、“本嫌いの女子高生”と“犬耳の不思議な少女”が手を取り合い、本泥棒を追いかけて奇想天外な冒険を繰り広げていく。
【写真を見る】フレッシュな魅力あふれる片岡凜&田牧そらを撮り下ろし!
読長町で暮らす高校生の御倉深冬は、曽祖父が創立した巨大な書庫「御倉館」を代々管理する一家の娘だが、本が好きではない。ある日、館の本が盗まれたことで、“ブック・カース”が発動し、町が物語の世界にのみ込まれてしまう。呪いを解く鍵が物語のなかにあることを知った深冬は、突如現れた不思議な少女、真白と共に本泥棒を捕まえるため、“マジックリアリズム”や“ハードボイルド”といった様々なジャンルの本の世界を旅していく。
主人公である深冬の声を務めるのは、NHK連続テレビ小説「虎に翼」で注目を集めた片岡凜。深冬を本の世界の冒険へと誘う謎めいた少女、真白役には、『AI崩壊』(20)の田牧そら。共に声優初挑戦にして、信じられないような出来事にも果敢に立ち向かっていくタフでキュートなキャラクターを生き生きと演じている。そんな2人に、本作の魅力や初めてのアフレコの思い出、オフの日の過ごし方までたっぷり聞いた!
■「役者として、“どれだけ役を愛せるか”を常に意識していました」(片岡)
――声優に挑戦するにあたって、取り組んだことはありますか?
片岡「特別なことはしていないのですが、役者として、“どれだけ役を愛せるか”が、なによりも大事なことだと思っているので、常に意識していました」
田牧「今回の作品は原作があるので、小説も読みました。私としては決まった尺のなかでセリフを言うというのがすごく難しくて。すぐにできることじゃないなと思ったので、事前に映像をいただいて、脚本に“このセリフは何秒の時に言う”とか、細かい秒数などを書き込んで準備しました」
――俳優としてのお芝居と声優の仕事ではどのような違いを感じましたか?
片岡「実写のお仕事では、その場で自然に生じた動きや感情をカメラが捉えてくれるのに対し、声優は身体のなかのすべてのエネルギーを声としてマイクにぶつけるという感覚でした。息を吸うタイミングや息の量の調節など、実写ではあまり意識していなかった技術的なことが必要だったので、そこはかなり違ったと思います」
田牧「私も片岡さんとほとんど一緒ですね。目の前に相手がいたり、その場面に行けたりするわけではないので、自分がそこにいたら…と常に想像しながら演じるのが難しいなぁと思いました。あとはやっぱり“おなかが鳴っちゃう問題”ですね(笑)」
片岡「そうですね(笑)」
田牧「声だけを録らなきゃいけないから、脚本のページをめくる音とか、空腹時のおなかの音とかはちょっとでも出しちゃダメなんです」
片岡「音響監督にも『おなかが鳴ると、音声波形の表示が乱れちゃうから』って注意されたので気をつけていました。1日フルで収録する日も多かったので、実際におなかが鳴って録り直したことも何回かあって…」
田牧「ありましたね。だからお菓子やおにぎりをたくさん持参して、『もう鳴る!』って思った瞬間に食べる、みたいな感じでした(笑)」
■「“世界を冒険している”という点では、私も深冬も同じ」(片岡)
――どこか冷めたところがあるけれど、意外と面倒見のよい深冬と、本の世界では大きな白い犬に変身することができる真白。それぞれのキャラクターをどのように捉えていましたか?
片岡「深冬はツンツンしていて、自分とほかの人との間に壁を意識的に作っている子だなというのが最初の印象でした。でも演じていくうちに、ちょっとツンデレな一面が見えてきたり、実はすごく強い女の子なんだということがわかったりして、深冬に対する考えがどんどん変わっていきました」
田牧「深冬はまっすぐで、ツンツンしているように見えるけど本当は優しくて、すごくすてきな女の子だなと。実は私には、片岡さんと深冬がとても重なって見えていたんです!優しくて、かっこよくて…。そういうところに真白も惹かれていたのかなって」
片岡「真白はほわんとしていて、なんか不思議な女の子だなぁという印象が強かったです。いきなり変なことを言いだしたり、なにを考えているかわからなかったり…深冬と同じ制服を着ているんですけど、何者かはわからないという」
田牧「序盤では、真白はあまり感情の抑揚がないのですが、深冬との冒険の旅を通して、少しずついろんな面を見せていくんです。見た目はフワッとしているんですけど、発言が結構頼もしかったり、込めている思いが強かったりするんですよね。脚本を読んだ段階から、真白はかわいらしい一面としっかりした一面を持っているなぁと感じていて。そこがすごく魅力的だったので、観客のみなさんにも伝わるように、自分なりに表現できたらいいなと思いながら演じました」
――それぞれが演じたキャラクターと似ている部分はありますか?
片岡「“世界を冒険している”という点では、私も深冬も同じだなと思ったんです。このお仕事をしていて、ある意味、日々冒険という感じなので、深冬が新しい物語の世界に入るたびに驚いたりするリアクションにすごく共感できて。深冬の気持ちがわかるなぁと思いながら演じていました」
田牧「真白は本が好きで、本に関する知識が豊富な子。私も本が大好きですし、夢中になったものをよく調べたりするので、そういったところが自分と似ているなと思いました。軸にあるものは一緒なのかなって。あまり甘え上手ではないんですけど(笑)」
■「大変な部分も一緒に乗り越えてがんばれた」(田牧)
――本作で初共演してみていかがでしたか?
片岡「なんだろう…私のなかでは初めてとは思えないくらいコンビネーションがしっくりきていて。劇中の深冬と真白のコミュニケーションをお互いによく補えていると感じたところもいっぱいありましたし。田牧さんの受け止め方とか、発してくれる言葉の端々から、私は真白をしっかり感じることができたので、田牧さんの存在はすごく大きかったなと思います」
田牧「私も隣に片岡さんがいてくださって心強かったです!片岡さんの演技に対して、どうやって応えようかと考えながらお芝居ができたので、すごく助けてもらいました。片岡さんのお芝居に対する姿勢や、監督に対して積極的に意見を言ったりする姿もとても勉強になりました。あと、2人とも声優のお仕事は初めてだったので、『お互いにがんばろう!』っていう感じで、大変な部分も一緒に乗り越えてがんばれたこともありがたかったです」
――本作のなかで、それぞれが気に入っているシーンはどこですか?
片岡「ハードボイルド作品の世界に登場する、私立探偵リッキー・マクロイというキャラクターのシーンがいいんです。私、ちょっとキザな感じの男の人が大好きなので、特に印象的でした」
田牧「リッキー・マクロイはおもしろかったですよね。あの世界観はセリフを聞いていても楽しかったです」
片岡「よかったですよね(笑)。あと、クライマックスで深冬が自分のトラウマと対峙するシーンがあって。そこはアフレコでも気合いを入れたので、すごく好きなシーンです!」
田牧「私は真白が犬に変身するシーンが好きです(笑)。深冬ちゃんを背中に乗せられるくらい大きな犬になるので、たくましくて強い感じを出したくて、声色をちょっと変えてみたりもしました。自分なりにすごくがんばったので、観てほしいなと思います!」
――本作のように、もし物語の世界に入ることができるなら、どんな作品のなかに入ってみたいですか?
片岡「アクションがバリバリあるようなサスペンス系がいいです。敵と戦ったり、追いかけたり、追いかけられたり、そういうのを経験してみたいです」
田牧「私もそうですね、サスペンスとか、ファンタジーとかも入ってみたいです。現実では普段経験できないことも本のなかではできるから、そういう非日常の世界に憧れます」
■「父のことが大好きで、父をかわいがる日々を送っています(笑)」(片岡)
――オフの日の過ごし方についても聞かせてください。
片岡「私はパパっ子なので、父とずっと一緒に過ごしていますね。父のことが本当に大好きで、父をかわいがる日々を送っています(笑)」
田牧「えー、すごい(笑)」
片岡「真白じゃないですけど、父が子犬に見えちゃって。もうかわいくてしょうがないです(笑)」
田牧「仲良しなんですね。私はお休みになると、おいしいごはんを食べて、よく寝て、まったりしちゃいます。あとは映画を観ることが多いです。劇場に行って、そこでいろんなジャンルの映画を1日に何本も続けて観たりします」
片岡「私は気に入った作品があると、何回も観るタイプです。『ジョン・ウィック』シリーズが大好きで、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は公開中に4回観に行きました」
――今後どういったことに挑戦してみたいですか?
片岡「私は英語が特技なので、海外に行きたいです。英語を使ったお芝居もしてみたいです」
田牧「俳優としては、いろんな役をやってみたいという気持ちがありますね。今回の声優のお仕事もそうですし、新しいことに挑戦することがすごく好きなので、舞台もいつかやってみたいなと思っています」
片岡「プライベートでは最近、ごはんを作ることに力を注いでいて。やっぱり“食”は日々の生活のなかで大事な要素なので、もっといろんなものを作れるようになりたいです。家族がおいしく食べてくれるのが一番幸せですね。この前はチャーハンとオムライスを作ったんですけど…難しかったです。次はハンバーグにチャレンジしたいです」
田牧「いいですね!私も食べることが大好きだから、お料理したいです(笑)。母が作るハンバーグが大好きなので、私も作れるようになりたいなと思っています」
――それでは最後に、本作を観る方へのメッセージをお願いします。
片岡「個性豊かな登場人物も魅力的ですが、なによりも本の世界に飛び込めるというところが一番の注目ポイントです。世代問わず、自分が純粋に好きなものとか、なにかを大事に思う気持ちが自然と湧き上がってくるような作品になっていると思います。見どころしかないので、メッセージは“全人類に届け!”です(笑)」
田牧「劇中で深冬と真白がいろんな物語のなかに飛び込んでいくので、観てくださるみなさんも物語のなかに一緒に入ったかのように没頭していただけるんじゃないかなと思います。それに、映像もすっごくキレイなんです!ぜひ映画館で観て、この世界観にどっぷり浸かってほしいです」
取材・文/石塚圭子
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