【漫画】本編を読む
ある日突然「発達障害グレーゾーン」の“特性”があると言われたら?「甘え」「怠慢」と疎まれる“生きづらさ”を描いた漫画がSNSで話題となっている。今回紹介するのは、 介護日記漫画『電子書籍と親父の介護』でヤングジャンプ40周年記念漫画賞エッセイ部門で佳作を受賞した漫画家・クロミツさん(@kuromitsu1510)。自分の特性である、発達障害グレーゾーンの“生きづらさ”を描く理由とは。
■自分のモヤモヤを表現したかった
仕事や人間関係の悩みから心身の不調を感じ、メンタルクリニックに通っていたという作者のクロミツさん。当初は医師から「不安障害」と診断されたが、子供のころから周囲とのズレを感じていたこともあり、通院を重ねるうちに「自分は発達障害なのかも…」という思いを抱くようになったという。その気持ちを受け止めた医師から「そういうところ、あるかもね」と検査を勧められ、結果は「発達障害」ではなく「発達障害グレーゾーン」の特性があることがわかったそう。クロミツさんは「検査結果って白か黒の2択だと思っていたので、初めてグレーゾーンという領域を知って困惑しました」と振り返る。
新卒で入社した会社でも失敗が続き、退職する際に社長から告げられた「キミは人が1年でできることに3年かかるかもしれない」という言葉は、今も強く心に残っているという。クロミツさんは「この言葉が、私がグレーゾーンであることを決定づけるものだったのかもしれません」と明かす。
社会から否定されたような苦しさのなか、「自分のモヤモヤを表現したい」とSNSで漫画を発信したところ、同じ特性を持つ人が多いことに驚いたそう。また、クロミツさんは「今までずっと『おまえだけ何かおかしい』と言われてきたので、私の漫画を読んでくれた方から『私もずっとそうでした』『同じ特性があります』といった反響をいただき、共感していただける方がいることに安心しました」と語った。
「生きづらさに絶望するのではなく、そこからいかに活路を見出していくかを描いていきたい」と語るクロミツさんの描く本作「灰低生きづらい+グレーゾーン」。同作は発達障害への理解を深めるきっかけとなるだろう。
画像提供:クロミツ(@kuromitsu1510)
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